き‐こん【気根】
き‐こん【気根/機根】
気根
気根
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 06:58 UTC 版)
7a. オヒルギ (ヒルギ科) の呼吸根 (屈曲膝根). 奥に支柱根も見られる. 7b. ヌマスギ (ヒノキ科) の呼吸根 (直立膝根). 7c. カトレア (ラン科) の吸水根. 7d. クモラン (ラン科) の同化根. 7e. カポック (アオイ科) の板根. 7f. タコノキ属 (タコノキ科) の支柱根. 7g. 多数の気根を垂らした Ficus virens (クワ科). 7h. 気根によって他の木を覆う Ficus barbata (クワ科). 7i. イワガラミ (アジサイ科) の付着根. 7j. バニラ (ラン科) の節からは、巻ひげになる気根が生じている. 7k. ヘゴ属 (ウラボシ綱) の茎を覆う保護根. 7l. クリオソフィラ属 (ヤシ科) の根針. 地上部にある根は気根 (aerial root) と総称される。地下茎から生じるものや、地上茎、水中茎から生じるものなどがある。 呼吸根 (通気根、respiratory root, pneumatophore) (→詳細は「呼吸根」を参照)地上に露出し、地下部の呼吸のための酸素を取り入れる根のことであり、内部に通気のための組織をもつ。沼沢地など地中の酸素に乏しい環境に多い。上へ垂直に伸びる直立根 (erect root) (例:ハマザクロ)、上下に屈曲しながら伸びる屈曲膝根 (curved knee-root) (例:オヒルギ; 右図7a)、根の背面が所々で上部に向かって肥大する直立膝根 (erect knee-root) (例:ヌマスギ; 右図7b) に類別される。 吸水根 (absorptive root)空気中の水分を吸収するための根のこと。表皮が多層化して死細胞となり (ときに木化する)、空気中の水分を吸収・貯蔵することができる。このような表皮は根被 (velamen) とよばれる。サトイモ科やラン科の着生植物に例がある (右図7c)。また「吸水根」という用語は全く別の意味で用いられることがあり、1つの植物において、土壌深くまで伸びて主に水を吸収する根を吸水根、浅く広がって主に無機養分を吸収する根を吸肥根とよぶことがある。 同化根 (assimilation root, assimilatory root)多数の葉緑体を含み、扁平化して光合成を行う根 (右図7d)。カワゴケソウ科やクモラン (ラン科) では葉が退化しており、同化根が光合成器官となる。 板根 (buttress root)横走する根の背面が極度に偏って肥大し、屏風のようになったもの (右図7e)。根を深く張れない植物の地上部の支持に寄与する。呼吸根としての役割をもつ場合もある。サキシマスオウノキ (アオイ科) やラワン (フタバガキ科) など熱帯の木本に多く見られる。 支柱根 (支持根、prop root、支柱気根、支持気根、prop aerial root) (→詳細は「支柱根」を参照)地上茎から放射状に生じて土壌へ伸び、植物体を支持する根のこと (右図7f)。呼吸根としての役割をもつ場合もある。タコノキ (タコノキ科) やトウモロコシ (イネ科)、オヒルギ (ヒルギ科) などに見られる。 絞め殺し植物 (strangler) (→詳細は「絞め殺しの木」を参照)他の植物 (宿主) の樹冠で発芽し、成長する。寄生植物ではないため宿主となった植物から栄養を奪うことはないが、地面に向けて多数の気根を伸ばし (右図7g)、やがてこの気根が宿主の幹を覆うとともに (右図7h)、茎は葉を付けて宿主の樹冠を覆う。宿主植物が枯死した場合には ("絞め殺し") その部分が空洞になり、かご状になった絞め殺し植物の気根が残る。ガジュマルなどイチジク属 (クワ科) に例が多いが、他にもヤドリフカノキ (ウコギ科) やヤマグルマ (ヤマグルマ科) が絞め殺し植物となることがある。 付着根 (着生根、adhesive root, adhering root、よじのぼり根、climbing root)地上茎から生じ、基物に付着して植物体を支える根のこと (右図7i)。イワガラミ (アジサイ科) やテイカカズラ (キョウチクトウ科)、キヅタ (ウコギ科) などに見られる。 根性巻ひげ (root tendril)茎から生じて基物に巻き付く根 (右図7j)。一部のつる植物に例があり、フィロデンドロン (サトイモ科) やバニラ (ラン科) などに見られる。 保護根 (protecive root)茎から生じ、多数が密に絡み合って茎を厚く覆う根であり (右図7k)、茎を保護し機械的支持を与える。いわゆる木生シダとよばれる植物に見られ、ヘゴ (ウラボシ綱) では茎の直径 13 cm に対して保護根の厚さ 56 cm に達した例がある。 根針 (根刺、root spine, root thorn)茎から生じ、硬い棘になった根 (右図7l)。ヤシ科に例が多く、その他に Moraea (アヤメ科)、ヤマノイモ属 (ヤマノイモ科) などで見られることがある。
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