ようりょく‐たい〔エフリヨク‐〕【葉緑体】
葉緑体
葉緑体
葉緑体
葉緑体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/29 00:21 UTC 版)
葉緑体は三重膜で、光合成色素はクロロフィルa/bである。この色素組成などから、ユーグレナ藻の葉緑体は緑藻の二次共生に由来すると考えられている。ただし他の植物の葉緑体と異なり、葉緑体ゲノム内に逆行反復配列を持たない。 ユーグレナ藻の仲間には、葉緑体を獲得する以前の形質を持つ従属栄養性の(無色の)生物が含まれる。しかしながら、無色ユーグレナである Astasia longa からは73kb程度の環状DNAが発見されており、これはコードする遺伝子の構成から、葉緑体遺伝子の名残であると考えられている。つまり、Astasia は一度手に入れた葉緑体を二次的に失い、再び従属栄養の生活に戻った生物なのである。このようなユーグレナ藻は他にも存在すると予想され、従って現在従属栄養性の生活を営むユーグレナ藻には、元々葉緑体を獲得しなかった生物と、一度獲得して失った生物とが混在していると考えられている。 AJ294725 Astasia longa complete chloroplast genome.(NCBI)
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葉緑体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/07 13:40 UTC 版)
クリプト藻の葉緑体はふつう細胞内に1つで、核やその他の細胞小器官を取り巻くように細胞表面に沿った形で配置されている。光合成色素はクロロフィルa/cとカロテノイド類、そしてフィコビリンタンパクとしてフィコシアニンやフィコエリスリン(フィコエリトリン)を含む。フィコビリンタンパクはチラコイドの内腔に詰まっている。その為クリプト藻のチラコイドは他の藻類よりも厚い。フィコシアニンを持つ Chroomonas 属では、細胞は藍藻のような青緑色を呈する。 クリプト藻の葉緑体は紅藻由来であるとされており、取り込まれた紅藻の核はヌクレオモルフとして葉緑体内に残存している。葉緑体膜は4重膜で、不等毛藻やハプト藻と同様に、最外膜は核膜と連絡している。ヌクレオモルフは外側の2枚(葉緑体ER)と内側の2枚との間の領域(periplastidal compartment)に位置しており、種によってはピレノイドに埋没する形になっている。この領域にはヌクレオモルフの他、真核型の80S rRNAやデンプン粒なども見られる。
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葉緑体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/07 14:05 UTC 版)
ハプト藻の葉緑体は紅藻由来で、光合成色素としてクロロフィルa/c、その他補助色素として種々のカロテノイドを持つ。通常、細胞内に葉緑体は二つあり、四重膜に囲まれている。最外膜は核膜と連絡する。三重チラコイド及び埋没型のピレノイドを持つ。ヌクレオモルフやガードルラメラは存在しない。
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葉緑体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 08:10 UTC 版)
不等毛藻の葉緑体は紅藻由来で、光合成色素としてクロロフィル a/c、その他補助色素として種々のカロテノイドを持つ。通常、細胞内に葉緑体は二つあり、四重膜に囲まれている。最外膜は核膜と連絡する。ヌクレオモルフは存在しない。 上記のように、不等毛藻の葉緑体はハプト藻のものと良く似ているが、不等毛藻ではガードルラメラを持つ点が異なる。ガードルラメラは葉緑体膜直下にある袋状のラメラで、この中に三重チラコイドが入る形になっている。また、不等毛藻の葉緑体DNAはガードルラメラの内側に沿ってリング状に分布している。 不等毛藻には、黄金色藻綱の Spumella や Paraphysomonas、ディクチオカ藻綱の Pteridomonas や Ciliophrys 等、葉緑体を二次的に失った生物も含まれる。従属栄養性の生物が葉緑体を二次的に失ったのか、それとも元々獲得しなかったのか、という判断は分子系統樹上での最節約的解釈による場合が多いが、生物に葉緑体の痕跡器官が残っている場合には、これが二次的喪失の有力な証拠となる。不等毛藻においては、Pteridomonas danica からは痕跡的な色素体であるロイコプラストが、Ciliophrys infusionum からは葉緑体コードの遺伝子であるrbcLが発見されている。これらの直接的な根拠に基づき、葉緑体を二次的に喪失した不等毛藻と、元々獲得していない無色ストラメノパイルとは厳密に区別される。
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葉緑体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/24 06:53 UTC 版)
黄金色藻の名前の通り葉緑体は黄色で、光合成色素としてはクロロフィルa/cが含まれる。クロロフィル以外に、α・β・ε-カロテン、フコキサンチン、ゼアキサンチン、ビオラキサンチン、クリプトキサンチン、ディアトキサンチン、ディアディノキサンチンなどのキサントフィル類を含有する。葉緑体は紅藻の二次共生に由来し、4重膜である。最外膜は核膜と連絡する。多くの黄金色藻は細胞内に細胞核を挟むように2つの葉緑体を持つが、パラフィソモナスやスプメラ(Spumella)といった生物は葉緑体を2次的に失っている。このような従属栄養性の生物は、黄金色藻と呼ばれつつも無色である。
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葉緑体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 09:20 UTC 版)
灰色藻の葉緑体(シアネレ)は、緑色植物及び紅色植物と同様に藍藻が細胞内共生(一次共生)して生じたものとされている。灰色藻と一部の原始紅藻は、光合成色素として藍藻が持っているフィコビリンタンパク質を保持しているために青緑色に見えるが、緑色植物では既に失われている。 灰色藻のシアネレは色素組成の他にも、一重のチラコイドが同心円状に配列するなど藍藻と共通する特徴を備える。シアネレは2枚の包膜に包まれているが、その2枚の膜の間には薄いペプチドグリカン層が存在する。これは細菌の細胞壁と同様の材質であり、共生した藍藻の細胞壁の名残であると考えられている。そのためペプチドグリカン層をリゾチーム処理で溶解することで葉緑体を破砕できる。また、葉緑体の分裂では、2枚の包膜のうち、内包膜の内側への陥入と外包膜のくびれは別々に進行する。この特徴は、通常の葉緑体の外側からのくびれ込みと、藍藻の細胞分裂が平行して進行していると見ることができる。ストロマ部分にはピレノイドではなくカルボキシソームをもつ点でも藍藻によく似ている。つまり灰色藻のシアネレは、細胞内共生した藍藻の特徴を色濃く残す葉緑体なのである。 シアネレは現生の藍藻に似てはいるが、ゲノムサイズが縮小するなど細胞小器官としての変化も進行している。灰色藻 Cyanophora paradoxa ではシアネレゲノムの解析が為されており、それによればゲノムサイズは127kb程度、コードされている主要な遺伝子は他の植物の葉緑体と共通するという。ゲノム内に逆行反復配列(IR; Inverted Repert)を持つ点も同様である。シアネレは、藍藻が独立の藻類から葉緑体という細胞内小器官へ移行していく過程と仕組みを知る上で貴重な構造である。 包膜にペプチドグリカン層があることなどから、葉緑体は長い間、細胞内共生している藍藻であると考えられてきた。しかし、そのゲノムサイズが他の植物の葉緑体と同程度に縮小していることからオルガネラであると確定した。
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葉緑体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 08:38 UTC 版)
緑色で光合成をしているアメーバ類も知られている。多くの場合は藻類を一時的に共生させているだけであるが、本当に葉緑体をもっているアメーバもある。クロララクニオ藻類は、糸状仮足をもつアメーバでありながら、緑藻類を細胞内共生させたものに由来する、真の葉緑体をもっている。また有殻糸状根足虫である Paulinella chromatophora は、シアノバクテリア由来の葉緑体「シアネレ」を持っている。
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