ハイドロジェノソーム
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ハイドロジェノソーム(ヒドロゲノソーム、Hydrogenosome)は二重膜に囲まれた細胞小器官であり、水素とATPを産生する機能を持つ。この小器官はミトコンドリアが進化したものであると考えられており、一部の繊毛虫、パラバサリア類、菌類などに見られる。
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- 1 ハイドロジェノソームとは
- 2 ハイドロジェノソームの概要
- 3 ハイドロジェノソームを持つ生物
ハイドロジェノソーム
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「パラバサリア」の記事における「ハイドロジェノソーム」の解説
パラバサリアは全て嫌気性で、従って好気呼吸に必要なミトコンドリアを欠いている。しかしミトコンドリアは完全に失われたわけではなく、ハイドロジェノソーム(あるいはヒドロゲノソーム)という名の細胞小器官として残っている。これは嫌気条件下においてリンゴ酸やピルビン酸を基質としてATPを産生するもので、ミトコンドリアに代わるエネルギー産生器官として機能している。同様の小器官はミトコンドリアを欠く他の鞭毛虫にも見られ、これらの鞭毛虫はメタモナス類としてまとめられている。メタモナス類は、その多くが他のエクスカバータに見られる腹側の捕食溝を欠くという点でも共通性のあるグループである。 かつて、パラバサリアはミトコンドリアを持たないことを理由に、アーケゾアと呼ばれる原始的な真核生物の一群として位置付けられた事があった。この仮説はその後瓦解しているが、アーケゾア仮説が支持を失った最大の理由は、ミトコンドリアを持たない嫌気性生物からミトコンドリア由来の遺伝子が相次いで発見された事による。つまりこれらの嫌気性生物は、真核生物がミトコンドリアを獲得する以前に分岐したのではなく、二次的に失った(そして一部の遺伝子が残った)生物群なのである。パラバサリアでは病原虫として重要な Trichomonas vaginalis のゲノムプロジェクトが進められており、ゲノム情報の解読が進むにつれて数多くのミトコンドリア関連遺伝子が発見されている。
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