生体成分のうち、水に溶けない物質をいい、体内では水分の次に多く含まれています。炭水化物・たんぱく質と並ぶ、三大栄養素のひとつです。中性脂肪などの単純脂質、リン脂質やリポたんぱく質などの複合脂質、脂肪酸やコレステロールなどを含むステロイドなどの誘導脂質に大きく分けられます。
食物から体内に取り入れた脂質は、主に小腸で消化されます。脂質の種類ごとに複雑な過程を経て取り込まれ、効率の良いエネルギー源として使われるほか、各種生理活性物質の原料となるなどさまざまな役割を果たしています。
余った脂質は、中性脂肪として体内に蓄えられますが、多く摂り過ぎれば肥満を招き、生活習慣病の原因となります。
し‐しつ【脂質】
脂質
脂肪
脂質 [Lipid]
近年、脂質生化学の発展にともなって、生物にとって重要な複合脂質であるリポ多糖、リポタンパク質あるいは糖脂質など重要性が解明されつつある。
脂質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/21 01:59 UTC 版)
脂質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 05:26 UTC 版)
子実体には、中性脂質 とリン脂質とがほぼ等比率で含まれている。 脂肪酸として、パルミチン酸・ステアリン酸・オレイン酸・リノール酸・α-リノレン酸が検出されるが、特にステアリン酸(脂肪酸総量の約60パーセント)が多く、リノール酸(同25パーセント)がこれに次ぐ。なお、ラクタリン酸(6-オキソオクタデカノン酸 = 6-ケトステアリン酸)は、トビチャチチタケ・ツチカブリ・ヒメチチタケなどから見出された特殊な脂肪酸である が、ハツタケからは見出されていない。 ステロール類としては、エルゴステロール、過酸化エルゴステロール(エルゴステロールパーオキサイド:5-α-8-α-エピドキシ-(24E,24R)-エルゴスタ-6,22-ジエン-3β-オール)およびその誘導体(5-α-8-α-エピドキシ(24S)-エルゴスタ-6-エン-3β-オールのほか、セレビステロール((22E, 24R)-エルゴスタ-7,12-ジエン-3β,5α,6β-トリオール)の4種が見出されている。このうち、過酸化エルゴステロールとその誘導体は、ヒガシダイヤガラガラヘビ(Crotalus adamenteus Beauvois)の毒液に含まれるホスホリパーゼA2に対して、選択的阻害物質として働く一方、セイヨウミツバチ(Apis mellifera L.)毒に由来するホスホリパーゼには作用しない。また、ヒト免疫不全ウイルスに対して、多少とも抑制作用を示すという報告 もある。
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脂質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 21:52 UTC 版)
詳細は「脂肪」を参照 1グラムにつき9キロカロリーのエネルギーがある。脂質は、主に、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられる。さらに、不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられる。一価不飽和脂肪酸はω-9(オメガ 9)脂肪酸である。多価不飽和脂肪はさらにω-6脂肪酸、ω-3脂肪酸に分けられる。つまり、下記のように大別される。 飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸のω-9脂肪酸 オレイン酸など 多価不飽和脂肪酸のω-6脂肪酸 リノール酸など 多価不飽和脂肪酸のω-3脂肪酸 DHA、EPA、α-リノレン酸など リノール酸とα-リノレン酸が必須脂肪酸である。 初期には、優れたエネルギー源だが必要不可欠ではないと考えられていたが、1930年代から1960年代にかけての研究は、1980年前後には必須脂肪酸の特定につながっていった。 飽和脂肪酸は畜産動物の脂肪に多く、1980年頃から重要な死因に通じる生活習慣病に関わるとの合意が増え、1990年頃にはそれが科学的にもはっきりしてきたため動物性脂肪を控えるようにという食生活指導が増え、食生活指針が作成されてきた。欧米ではω-3脂肪酸は不足がちであることから積極的にとったほうがいいと認識され、日本では「日本人の食事摂取基準2005年版」から推奨目標量が追加された。 ω-3脂肪酸は亜麻仁や魚に豊富に含まれ、大豆や菜種油にも比較的ほかの食品より多く含まれる。脂質は、食品としては肉、魚、豆、ナッツ、種子に多く含まれ、これらは同時にタンパク質を多く含む食品である。 ISSFAL(International Society for the Study of Fatty Acids and Lipids)が国際的に脂質の摂取基準と摂取のバランスを公表している。2004年、ISSFALの不飽和脂肪酸の1日あたりの摂取量の勧告では、リノール酸の適正な摂取量は全カロリーに対する2%、α-リノレン酸の健康的な摂取量は0.7%とされ、冠動脈を健康に保つためにEPAとDHAを合計で最低500mgすすめている。同じような報告は日本にもあり、必要量はリノール酸は2.4%、α-リノレン酸は0.5~1.0%であり、DHAとEPAは必要量は決められないが0.5%をすすめISSFALの報告より少し多い。必要とされる必須脂肪はこのように全カロリーの3~4%程度と非常に少ない。 不飽和脂肪酸が変形したトランス脂肪酸が心臓疾患のリスクを上げることが分かり、2003年のWHO/FAOの報告で、トランス脂肪酸は心臓疾患のリスクを増加させるとされ、摂取量は全カロリーの1%未満を推奨している。 2003年の世界保健機関による生活習慣病予防に関する報告書では1日のコレステロールの摂取目標を300mg未満としている。この動向は変化しており、2015年のアメリカの食生活指針では撤廃された。脂質を参照。
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脂質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/17 08:50 UTC 版)
脂質は種類によって違うが約0.7程度である。ある種の有機酸の呼吸商は1.0より大きい。脂質が全てパルミチン酸だった場合、2C51H98O6+145O2→102CO2+ 98H2O、RQ=102/145=0.703となり、脂質全体を平均すると、0.707となる。
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脂質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:30 UTC 版)
生体膜は、疎水性尾部と親水性頭部を持つ脂質で構成されている。疎水性尾部は炭化水素尾部であり、その長さや飽和度は細胞の特徴を把握する上で重要である。 動物細胞においてはコレステロールが、植物細胞においてはシトステロールがかなりの割合で存在する[要出典]。リン脂質の種類としては、グリセロール骨格を有するグリセロリン脂質とスフィンゴシン骨格を有するスフィンゴリン脂質に大分される。グリセロール脂質の中では、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリンなどが主である。スフィンゴリン脂質の中では、スフィンゴミエリンが主である。 脂質ラフトは、脂質種とタンパク質が膜内のドメインに凝集することで生じる。これらは、シグナル伝達などの特定のプロセスに関与する膜成分を、局所的な領域に組織化するのに役立つ。 赤血球は、独特の脂質組成を持っている。赤血球の二重層は、コレステロールとリン脂質が重量比で同じ割合で構成されている。赤血球膜は、血液の凝固に重要な役割を果たしている。赤血球の二重層にはホスファチジルセリンがある。これは通常、膜の細胞質側にある。しかし、血液凝固の際は使用するために外膜に反転される。
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脂質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 03:56 UTC 版)
詳細は「乳脂肪」を参照 乳脂肪は膜で包まれた脂肪球の形で分泌される。それぞれの脂肪球はほとんどがトリアシルグリセロールであり、これをリン脂質やタンパク質などを成分とする複合膜が覆う。これらは乳化された状態にあり、各球が引っ付き合わないよう保ちつつ、ミルクの液体部分に含まれる各種の酵素と反応する事を防ぐ。97-98%がトリアシルグリセロールであるが、ジアシルグリセロールやモノアシルグリセロール、遊離コレステロールやコレステロールエステル、遊離脂肪酸、リン脂質もそれぞれ少量ながら含まれている。タンパク質や炭水化物とは異なりミルクに含まれる脂肪の構成は、発生の起源や授乳方法によって異なり、とくに動物の種族によっても差異が大きい。 構造の特徴として、脂肪球の大きさにはばらつきがあり、小さいもので直径0.2μm、大きいものでは15-20μmに達するものもある。この直径の差異は、動物の種だけでなく特定の個体が分泌した時によっても生じる可能性がある。均質化をしていない牛乳の脂肪球の平均直径は2-4μmであり、均質化を施すとこれが0.4μm前後まで小さくなる。親油性のビタミンであるA・D・E・Kは、必須脂肪酸であるリノール酸などに親和した形で乳脂肪部分の中に含まれる。
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脂質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 05:24 UTC 版)
詳細は「脂質」を参照 脂質(Lipids)は細胞膜の主要な構成要素であるほか、エネルギーの貯蔵などに使用される。脂質は、核酸や糖と異なり、化学構造や生合成経路の共通性でまとめられた分類ではない。疎水性もしくは両親媒性の性質をもつ生体物質はすべて脂質に含まれ、現在8つのカテゴリーに分けられている。基盤となる炭素骨格(グリセロールやスフィンゴイド)にアシル鎖かイソプレノイド鎖が結合したものが多い。グリセロールにアシル鎖またはイソプレノイド鎖が結合したものはグリセロ脂質、それにさらにリン酸基や糖が結合したものはグリセロ糖脂質やグリセロリン脂質と呼ばれる。一方、スフィンゴイドにアシル鎖、リン酸基、糖などが結合したものはスフィンゴ脂質である(イソプレノイド鎖が結合したものは知られていない)。アシル鎖単体の場合は脂肪アシル、イソプレノイド鎖単体ではプレノール脂質と呼ばれる。イソプレノイド鎖が環化してステロイド骨格を生じたものは、特にステロール脂質と呼ばれる。ステロール脂質は、シグナル伝達に関与するステロイドホルモンも含む。
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脂質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 05:24 UTC 版)
脂質については低分子のものが多くコンフォメーションは容易に決定できる。しかしながら、膜脂質全体の構造となると流動性や親水基の多様さもあいまって、多分子系の実験にならざるを得ない。また、膜の流動性を発揮するためには疎水基のコンフォメーションが重要であると考えられている(脂質二重層を参照)。
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脂質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 14:18 UTC 版)
食肉中の脂質の多くは中性脂質であるが、それらのほとんどは「筋間脂肪組織」および「筋肉内脂肪組織」(いわゆる霜降り)に分布する。霜降りの存在により、脂肪の含有量はバリエーションが大きく、牛肉のロース(胸最長筋)では40%を超えるもの、豚肉のロースでも近年は10%を超えるようなものも出てきている。また、リン脂質も含まれるが、これらは細胞膜などの膜に局在している。
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脂質
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「O-結合型グリコシル化」の記事における「脂質」の解説
ガラクトースとグルコースはセラミドのヒドロキシル基にも付加され、これはタンパク質に行われるものとは異なるO-グリコシル化の形式である。その結果形成されるスフィンゴ糖脂質(英語版)は、膜で受容体の局在に重要な役割を果たす。これれの脂質の不適切な分解はスフィンゴリピドーシス(英語版)と呼ばれる疾患群を引き起こす。これらの疾患は神経変性と発達障害で特徴づけられることが多い。 セラミドにはガラクトースとグルコースの双方が付加されるため、スフィンゴ糖脂質には2つのグループが存在する。ガラクトスフィンゴ脂質は一般的に非常に単純な構造を持つが、グルコスフィンゴ脂質は修飾を受けることが多くかなり複雑なものとなる。ガラクトスフィンゴ脂質とグルコスフィンゴ脂質の生合成は異なる過程である。グルコースは小胞体の細胞質側でセラミドへ付加され、ゴルジ体内腔で更なる修飾が行われる。一方、ガラクトースは小胞体の内腔側でセラミドへ付加され、ゴルジ体で硫酸基の付加が行われることが多い。
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「脂質」の例文・使い方・用例・文例
- その食べ物の多くは脂質をたくさん含んでいる。
- 肝臓が脂質代謝において重要な役割を持ちます。
- 脂質の摂取量が多い
- 脂質に親和性があるさま
- 血清中の脂質を減少させる薬(商標名アトロミド-S)
- 細胞質を取り囲む薄い膜(脂質の二重層)
- 皮脂腺の脂質の分泌物
- ほとんどの脂質が取り除かれて、炒ってすり潰したカカオ豆の粉
- 年間を通してほとんど葉のない米国南西部の砂漠と半砂漠地帯の樹脂質で多汁の高木または低木
- 樹脂質や香りのよい主に熱帯の低木または高木
- 遺伝的原因による脂質代謝のまれな慢性疾患
- βリポタンパク質と脂質とコレステロールの低レベルによって特徴づけられる遺伝性疾患
- 常染色体劣性遺伝による脂質代謝異常
- 5歳頃発症し、失明と痴呆、早期死亡が特徴の遺伝による進行性脂質代謝異常
- 東ヨーロッパのユダヤ系の人に多く見られる遺伝子脂質代謝異常
- 脂質代謝異常
- 過度の血液中の脂質
- 脂肪の新陳代謝にとって不可欠な黄色のリン脂質
- 脂質分子の一部を形成し、加水分解によって脂肪から派生する脂肪族モノカルボン酸類の総称
- 有機的な組織で起こって、脂質の混合物から成る軟質の油性物質(ほとんどトリグリセリド)
脂質と同じ種類の言葉
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