脂肪細胞は中性脂肪(トリグリセリド)をたくわえていますが、FFA: free fatty acid (遊離脂肪酸)はこの中性脂肪がホルモン感受性リパーゼという酵素の働きで分解され、グリセロールとともに血液中に放出されたものです。
FFAは、血液中を運ばれて体内の各組織でエネルギーとして利用されますが、余剰分は肝臓にとりこまれ、中性脂肪に再合成されます。血液中のFFA濃度は通常、これらのバランスによって一定に保たれています。
FFAは水と脂肪をなじませる両親媒性という性質をもち、多量に存在すると界面活性作用によって細胞膜を溶かし、細胞を破壊します。FFAは心臓の筋肉を動かすエネルギー源でもありますが、心臓の状態が良くない時に血液中のFFAが増えすぎると心不全を引き起こすことがあります。
肥満改善のためにすすめられることが多い有酸素運動ですが、激しい運動を長時間続けると、血液中のFFAが増加します。また、アルコールの摂取は脂肪細胞からのFFAの放出を促す作用があります。
他方、血液中のFFAを減らす働きをするものとしてインスリンやニコチン酸などが知られています。
ゆうり‐しぼうさん〔イウリシバウサン〕【遊離脂肪酸】
FFA
別名:遊離脂肪酸
遊離脂肪酸【ゆうりしぼうさん】
遊離脂肪酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 22:40 UTC 版)
遊離脂肪酸は他の化合物と結合していない脂肪酸を指し、中性脂肪の分解に由来する。遊離脂肪酸は水に不溶であるため、これらの脂肪酸は血漿蛋白アルブミンに結合して、可溶化、循環輸送されている。血中の遊離脂肪酸の濃度は、アルブミン結合部位の有無の状況によって制限される。 遊離脂肪酸は、リポ蛋白質リパーゼ(LPL)によってリポ蛋白質から「放出され」て、脂肪細胞に入る。そこで、それは、グリセロールとともにエステル化されることによって、トリグリセリドへと再構成される。脂肪細胞には、トリグリセリド維持における重要な生理的役割とインスリン耐性と遊離脂肪酸水準を決定する役割がある。
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