たんか‐すいそ〔タンクワ‐〕【炭化水素】
炭化水素(HC)
炭素と水素からなる有機化合物の総称。炭化水素を骨格とし,酸素や窒素等を含む有機化合物を総称して炭化水素系物質といい,アルコール,エステル,アルデヒド等があります。炭酸水素系物質は光化学スモッグの原因物質のひとつであり,種類によっては有害性や悪臭の問題があります。炭化水素
水素と炭素からなる分子の総称。もっとも単純な物質はメタンで、水素4個が炭素原子1個に結合したもの(CH4)。化石燃料は炭化水素が主成分である。すべての炭化水素は燃料になり得るが、炭素を含むため、燃やすと必ず二酸化炭素を発生する。大気中に拡散するとオキシダントを生成するため、人間や動植物に害を与える。とくに欧州では法規制が厳しい。自動車排ガスにも含まれ、一酸化炭素、窒素酸化物同様、排出ガス規制の対象になっている。また、塗装、洗浄の工程で用いられるが、作業者の神経系や肝臓などに障害を起こすため、許容溶剤濃度が決められている。
炭化水素
【英】: hydrocarbon
炭素と水素だけから成る化合物の総称で、石油、天然ガスは各種の炭化水素の混合物である。これには炭素原子が鎖状に結合した鎖式炭化水素と、環状に結合した環式炭化水素がある。前者の主なものにはパラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素があり、後者の主なものには芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素などがある。また、炭素の結合の様式から飽和炭化水素と不飽和炭化水素とがある。常温で、メタン、エタンのように気体のもの、ベンゼン、トルエンのように液体のもの、ナフタリンなどのように固体のものなど構造や分子量によって状態は異なる。 |

炭化水素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/31 22:14 UTC 版)
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また、石油や天然ガスの主成分は炭化水素やその混合物であり、石油化学工業の原料として今日の社会基盤を支える資源として欠かせない物質である。
構造的特性
炭化水素の構造的特性は、炭素原子の性質に基づき多様性に富んでいる。原子価結合法の考え方では、炭素原子は混成軌道を形成することで、
- sp3炭素 - 正四面体構造、分岐数=4(4つの単結合)・(4つのσ結合)
- sp2炭素 - 平面構造、分岐数=3(2つの単結合と1つの二重結合) ・(3つのσ結合と1つのπ結合)
- sp炭素 - 直線構造、分岐数=2(1つの単結合と1つの三重結合[注 1])・(2つのσ結合と2つのπ結合)
の3種類の基本構造のうちいずれかの状態を取る。そして結合の相手となる炭素も結合の種類に応じて混成軌道を作るため、二重結合の両端ではsp2炭素が、三重結合の両端ではsp炭素が隣り合って対を形成することになる。また、炭素-炭素結合による連結は鎖の長さによる制限をほとんど受けない。この単一元素で分岐数の多い分子を生成する性質をカティネーション性と呼ぶが、分岐数の多様性とあいまって、炭化水素の構造の多様性はほぼ無限といってよい。言い換えると、炭化水素を基本骨格に持つ有機化合物は莫大な多様性を有するが、それは炭化水素の構造の量的な多様性と置換基による質的な多様性とが相乗的に発現した結果でもある。
構造と分類
炭化水素の構造はトポロジー的には鎖状構造と環構造のいずれもとりうる。それゆえ炭化水素の分類の基本は構造的に
により分類する。
炭化水素の化学式(一般式)においては炭素と水素との数の関係は、構造のトポロジー的分類に応じて簡単な法則性が存在する。
鎖状飽和炭化水素は、直鎖構造であれ分枝構造であれ、