炭化水素とは? わかりやすく解説

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たんか‐すいそ〔タンクワ‐〕【炭化水素】

読み方:たんかすいそ

炭素水素だけからなる有機化合物総称配列鎖状環状かによって大別され、さらに鎖式炭化水素はメタン系・エチレン系・アセチレン系に、環式炭化水素は脂環式・芳香族分類されるハイドロカーボンHChydrocarbon)。


炭化水素

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

炭化水素

読み方たんかすいそ
【英】: hydrocarbon

炭素水素だけから成る化合物総称で、石油天然ガス各種の炭化水素の混合物である。これには炭素原子鎖状結合した鎖式炭化水素と、環状結合した環式炭化水素がある。前者主なものにはパラフィン系炭化水素オレフィン系炭化水素があり、後者主なものには芳香族炭化水素ナフテン系炭化水素などがある。また、炭素結合様式から飽和炭化水素不飽和炭化水素とがある。常温で、メタンエタンのように気体のもの、ベンゼントルエンのように液体のもの、ナフタリンどのように固体のものなど構造分子量によって状態は異なる。

炭化水素

英訳・(英)同義/類義語:hydrocarbon

有機化合物で、炭素水素のみからできた物質総称

炭化水素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/31 22:14 UTC 版)

炭化水素たんかすいそ: hydrocarbon)は、炭素原子水素原子だけでできた化合物の総称である。その分子構造により鎖式炭化水素と環式炭化水素に大別され、更に脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素などと細分化される。また、炭素原子が全て単結合している場合は飽和炭化水素、多重結合を含む場合は不飽和炭化水素と分類することもできる。炭化水素で最も構造の簡単なものはメタンである。

また、石油天然ガスの主成分は炭化水素やその混合物であり、石油化学工業の原料として今日の社会基盤を支える資源として欠かせない物質である。

構造的特性

炭化水素の構造的特性は、炭素原子の性質に基づき多様性に富んでいる。原子価結合法の考え方では、炭素原子は混成軌道を形成することで、

  1. sp3炭素 - 正四面体構造、分岐数=4(4つの単結合)・(4つのσ結合
  2. sp2炭素 - 平面構造、分岐数=3(2つの単結合と1つの二重結合) ・(3つのσ結合と1つのπ結合
  3. sp炭素 - 直線構造、分岐数=2(1つの単結合と1つの三重結合[注 1])・(2つのσ結合と2つのπ結合)

の3種類の基本構造のうちいずれかの状態を取る。そして結合の相手となる炭素も結合の種類に応じて混成軌道を作るため、二重結合の両端ではsp2炭素が、三重結合の両端ではsp炭素が隣り合って対を形成することになる。また、炭素-炭素結合による連結は鎖の長さによる制限をほとんど受けない。この単一元素で分岐数の多い分子を生成する性質をカティネーション性と呼ぶが、分岐数の多様性とあいまって、炭化水素の構造の多様性はほぼ無限といってよい。言い換えると、炭化水素を基本骨格に持つ有機化合物は莫大な多様性を有するが、それは炭化水素の構造の量的な多様性と置換基による質的な多様性とが相乗的に発現した結果でもある。

構造と分類

炭化水素の構造はトポロジー的には鎖状構造環構造のいずれもとりうる。それゆえ炭化水素の分類の基本は構造的に

  • 鎖状構造(鎖式炭化水素)か環構造(環式炭化水素)か
  • 単結合のみで構成される(飽和炭化水素)か多重結合を含んで構成される(不飽和化合物)か

により分類する。

炭化水素の化学式(一般式)においては炭素と水素との数の関係は、構造のトポロジー的分類に応じて簡単な法則性が存在する。

鎖状飽和炭化水素は、直鎖構造であれ分枝構造であれ、

外部リンク


ウィキペディアウィキペディア

炭化水素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/21 07:49 UTC 版)

大気化学」の記事における「炭化水素」の解説

大気含まれる炭化水素のうち最も重要なものはメタンであり、自然起源化石燃料使用により発生するほか、対流圏OHラジカル反応することにより、硫黄化合物ハロゲン化物各種反応寄与している。また温室効果ガスとしての作用を持つ。ただし組成比としては排気ガス影響によりメタンよりもエタンエテンプロペンイソプレンアセチレンなどが多いことがある近年塗料溶剤使用により、都市大気中の揮発有機化合物VOC)が増加している。呼吸器対す発癌性や、光化学反応物質への影響問題となっている。VOC植物からも発生し主な例としてテルペン類が挙げられるVOC光化学酸化反応を経ることで生成する揮発性有機化合物は、大気中の粉塵凝縮することで二次有機エアロゾルSecondary Organic Aerosol)を生成し雲凝結核(Cloud Condensation Nuclei)となることから気候変動影響を及ぼす考えられ近年注目されている

※この「炭化水素」の解説は、「大気化学」の解説の一部です。
「炭化水素」を含む「大気化学」の記事については、「大気化学」の概要を参照ください。

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出典:Wiktionary

炭化水素

出典:『Wiktionary』 (2021/06/20 04:16 UTC 版)

名詞

炭化 水素たんかすいそ

  1. 炭素原子水素原子のみで構成されている化合物総称

発音(?)

た↗んかす↘いそ

翻訳


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