ナフサ(なふさ)
石油精製工程の半製品のことです。改質ガソリンの原料や石油化学工業における分解原料などに使用されます。石油化学工業の発展している日本では、需要が大きいです。欧州と極東には、石油会社や石油化学メーカー、商社などが集まってナフサのスポット取引または先渡し取引を行うオープン・スペック・ナフサ市場があります。ナフサ
原油の蒸留による分離(分留)における留分のうち、沸点が30~230度の軽い分子の炭化水素を含むものの総称。さらに分留温度範囲の遠いにより、軽質ナフサ(30~140℃)、重質ナフサ(40~ 230℃)、ホールレンジナフサ(30~230℃)の3種に分けられることもある。
参照 原油ナフサ
【英】: naphtha
ナフサという名称は、ペルシア語の naft に語源を持ち、米国では重質ガソリンを意味することが多いが、わが国では粗製ガソリン(半製品ガソリン)の意味に用いることが多い。 沸点範囲は 30 ~ 200 ℃程度である。ナフサは、常圧蒸留によって得られるガソリン留分のうち、軽質のもの(沸点範囲 30 ~ 100 ℃程度)をライト・ナフサまたは LSR(light straight run)、重質のもの(沸点範囲 100 ~ 200 ℃程度)をヘビー・ナフサまたは HSR(heavy straight run)と呼び、この両者を含むものをフルレンジ・ナフサまたは WSR(whole straight run)と呼んでいる。また、軽油留分などの熱分解、接触分解によって生成するガソリン留分を分解ナフサ、HSR の接触改質によって得られるものを改質ナフサと呼び、都市ガスやアンモニアガスの原料としてのナフサをガス・ナフサ、石油化学原料のナフサをペトケミ・ナフサと呼んでいる。しかし、これらの呼称は必ずしも統一的なものではない。ナフサとして出荷される場合の用途の多くは石油化学、すなわちエチレン、プロピレン、ブタジエンなどを製造する熱分解原料である。そのほか、アンモニア合成用の水素を製造する水素製造装置の原料や、都市ガス製造用原料などに使用されているが、大気汚染防止のための低硫黄燃料として、電力会社や鉄鋼会社などではボイラー用などに使用している。 |

ナフサ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/30 14:11 UTC 版)
ナフサ(英語:naphtha)とは、原油を常圧蒸留装置によって蒸留分離して得られる製品のうち沸点範囲がおおむね30 - 180℃程度の炭化水素混合物である[1]。粗製ガソリン、直留ガソリンなどとも呼ばれる。主に炭素数(分子鎖長)C8からC10の範囲の芳香族炭化水素などからなる[2]。
ナフサのうち沸点範囲が35 - 80℃程度のものを軽質ナフサ[1]といい、日本では石油化学工業でのエチレンプラント原料として多く使用される。輸入原油を国内で精製して製造するものと、ナフサとして輸入するものが相半ばする。
沸点範囲が80 - 180℃程度のものを重質ナフサ[1]といい、接触改質装置におけるガソリンおよび芳香族炭化水素製造の原料としての使用が中心である。これは重質ナフサが炭素原子を6個以上持つ炭化水素を主成分としているため、接触改質における脱水素環化反応によって芳香族炭化水素を多く生成するからである。オイルライターやキャンプ用ポータブルストーブの燃料(ホワイトガソリン)に用いられる。
また、輸入されるナフサの中には、軽質ナフサと重質ナフサが混じっている(沸点範囲が広い)ものがあり、それらはフルレンジ・ナフサ(full-range naphtha)と呼ばれる。
ナフサを主燃焼材とし増粘剤(Thickener)を混ぜて増粘したのがナパームである。
語源
元来は単に原油を意味する言葉で、ギリシャ語νάϕθα naphtha ナプタ、ラテン語naphthaに由来するが、おそらく紀元前18世紀のアッカド語napṭuまで遡ることができる。他にもペルシャ語で「湿っていること」を意味するnaftに由来するという説もある。[3]
参考文献
外部リンク
ナフサ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 02:28 UTC 版)
ナフサは沸点が30 - 200℃程度の炭化水素であり、粗製ガソリンとも呼ばれる。主成分は炭素数5 - 12のアルカンである。炭素数5 - 7のナフサは、軽質ナフサと呼ばれ、透明で蒸発しやすく、溶媒やドライクリーニングの溶剤、あるいはその他の速乾性の製品に用いられる。炭素数が6 - 12のナフサは、重質ナフサと呼ばれ、水素化精製、接触改質などを経てから配合調整されガソリンとして精製される。ベンジンやホワイトガソリンはナフサから作られる石油製品である。
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