脂肪を構成している要素である脂肪酸は、分子の構造的な違いから飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されますが、そのうち植物や魚の脂に多く含まれるものを不飽和脂肪酸といいます。飽和脂肪酸はおもに動物性の脂肪に含まれます。
不飽和脂肪酸はさらに、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。
一価不飽和脂肪酸でよく知られているオレイン酸はオリーブ油に多く含まれ、血液中のLDLコレステロールを下げる効果があります。
多価不飽和脂肪酸はn-3系とn-6系に分けられます。n-3系にはα-リノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、IPA(イコサペンタエン酸)があり、α-リノレン酸は体内でIPA、さらにDHAと変化します。また、n-6系のリノール酸は体内でアラキドン酸を作り出し、イコサノイドという生理活性物質にもなります。α-リノレン酸・リノール酸・アラキドン酸は体内で合成できないため、必須脂肪酸と呼ばれています。これらは動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、LDLコレステロールを減らすなど、さまざまな作用を持っています。ただし、熱や光、空気で酸化しやすく、過酸化脂質になるので注意が必要です。高温で調理すると大気中の酸素と反応し過酸化脂質となるので、食物として摂る場合、揚げ物や炒め物よりドレッシングなどに向いています。
ふほうわ‐しぼうさん〔フハウワシバウサン〕【不飽和脂肪酸】
不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸【ふほうわしぼうさん】
不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/08 21:55 UTC 版)
不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん、英語: unsaturated fatty acid)とは、1つ以上の不飽和の炭素結合をもつ脂肪酸である。不飽和炭素結合とは炭素分子鎖における炭素同士の不飽和結合、すなわち炭素二重結合または三重結合のことである。天然に見られる不飽和脂肪酸は1つ以上の二重結合を有しており、脂肪中の飽和脂肪酸と置き換わることで、融点や流動性など脂肪の特性に変化を与えている。また、いくつかの不飽和脂肪酸はプロスタグランジン類に代表されるオータコイドの生体内原料として特に重要である。
- ^ 東北大学大学院農学研究科 機能分子解析学分野 研究概要 : 過酸化脂質の化学構造と分析法
- ^ ビタミンEと抗酸化性 国立健康・栄養研究所 平原文子、栄養学雑誌栄養学雑誌 Vol.52 (1994) No.4 P205-206 doi:10.5264/eiyogakuzashi.52.205
- ^ I章 最新の脂質栄養を理解するための基礎 ― ω(オメガ)バランスとは? 『 脂質栄養学の新方向とトピックス』
- ^ John Mann, Chemical Aspects of Biosynthesis, p13.,Oxford Press,1994 ISBN 0-19-855676-4
- ^ USDA National Nutrient Database
- 1 不飽和脂肪酸とは
- 2 不飽和脂肪酸の概要
- 3 脂肪酸分子種
- 4 出典
不飽和脂肪酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 22:40 UTC 版)
詳細は「不飽和脂肪酸」を参照 飽和脂肪酸がエネルギー代謝に関与する一方、不飽和脂肪酸は栄養素として重要である。例えば、動物の場合リノール酸、α-リノレン酸などは自身で作り出すことができないため、外部から摂取することが必要となる必須脂肪酸(ビタミンF)である。同様に高度不飽和脂肪酸もプロスタグランジン類の原料として、新生児・乳児の中枢神経系の発育の為に必須である。
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「不飽和脂肪酸」の例文・使い方・用例・文例
- 不飽和脂肪酸を水素化させることによって(したがって形を変えて)作り出されている脂肪酸
- 炭素鎖が1つ分子につき1つの二重または三重の原子価結合を備えている不飽和脂肪酸
- 炭素鎖が、原子単位で二重及び三重以上の原子価結合を行う不飽和脂肪酸
- カーボン・チェーンが始めにその最初の二重の原子価結合に3つのカーボンを結合させる高度不飽和脂肪酸
- それがトランス脂肪酸であるのを除いて、オレイン酸と同じ構造がある一価不飽和脂肪酸
- いくつかの植物油において生じる液体高度不飽和脂肪酸
- 過酸化脂質という,不飽和脂肪酸が酸化してできる物質
- 不飽和脂肪酸の含有量を表す,沃素価という,油脂に結合する沃素の割合
不飽和脂肪酸と同じ種類の言葉
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