プロスタグランジンとは? わかりやすく解説

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プロスタグランディン

別名:プロスタグランジン
英語:prostaglandin

痛みおよび炎症原因物質として知られる生理活性物質。プロスタグランディンが過剰分泌されることで患部痛覚が脳に伝達され痛み感じとされる鎮痛薬痛み止め)の一グループである非ステロイド系抗炎症剤NSAIDs)は、プロスタグランディンの生合成阻害することで痛み緩和している。

痛み原因物質としてはプロスタグランディンの他にブラジキニン知られている。ブラジキニンには発痛や血管拡張作用持ち患部腫れ発熱疼痛などを引き起こす


プロスタグランジン【prostaglandin】

読み方:ぷろすたぐらんじん

動物臓器組織微量存在する一群生理活性物質アラキドン酸などの不飽和脂肪酸から生合成され、化学構造上の五員環部分によって十数種に分類される血管拡張血圧上昇あるいは降下子宮気管支の筋収縮血小板の凝集あるいはその抑制などの作用を示す。PG


プロスタグランジン

英訳・(英)同義/類義語:PG, prostaglandin, PG , prostaglandins, PG, prostaglandin

リン脂質構成成分であるアラキドン酸から誘導されるエイコノサイドの一つで、分子中に5員環をもつ生理活性脂肪酸痛み炎症などに関する脂質メッセンジャーとして働く。鎮痛剤多くは、プロスタグランジン分子群の合成阻害関与する

プロスタグランジン

プロスタグランジン エンドペルオキシド

アラキドン酸からプロスタグランジン群やトロンボキサン生合成する前駆体 これらは生理学的に活性化合物で、血管気道平滑筋血小板凝集などに影響与える。もっとも良く見られるのはプロスタグランジンH2である。

名前Prostaglandin H2
プロスタグランジン

Prostaglandin H2 - アラキドン酸からシクロオキシゲナーゼによる反応得られる環状エンドペルオキシド中間体で、ここからさらに一連の酵素反応によって2種類のプロスタグランジンへ変換される。(MeSH: 68044262)

プロスタグランジンA

名前PGA1
プロスタグランジン

名前PGA2
プロスタグランジン

プロスタグランジンD

名前PGD2
プロスタグランジン

プロスタグランジンF

名前6-Ketoprostaglandin F1 alpha
プロスタグランジン
Epoprostenol(プロスタグランジンI)の加水分解

プロスタグランジンI

名前prostaglandin I2,Epoprostenol,PGI2
プロスタグランジン

Prostaglandins - MeSH

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プロスタグランジン

【仮名】ぷろすたぐらんじん
原文prostaglandin

体内作られる種類ホルモン様物質の一種。数種類のプロスタグランジンの働きにより、血圧変化平滑筋収縮など、生成元組織内で起こる種々のプロセス調節されている。特定のプロスタグランジンは、がんのバイオマーカーとして研究されている。「pg」とも呼ばれる

プロスタグランジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/06 05:13 UTC 版)

プロスタグランジン (prostaglandin, PG) は、プロスタン酸骨格をもつ一群の生理活性物質[1]アラキドン酸から生合成されるエイコサノイドの 1 つで、様々な強い生理活性を持つ。プロスタグランジンとトロンボキサンを合わせてプロスタノイドという。

発見

1933年モーリス・ウォルター・ゴールドブラット英語版がヒトの精漿内に、1934年ウルフ・スファンテ・フォン・オイラーが羊の精嚢腺平滑筋を収縮させる生理活性物質が含まれていることを発見し、1936年に初めて精液中から分離された。当時は前立腺 (prostate gland) 由来であると考えられたために prostaglandin と名付けられた[2]

化学構造

プロスタン酸の構造式
プロスタグランジンE1 (PGE1) の構造式

プロスタグランジン (PG) 類の化学構造は全てプロスタン酸(右図)を共通の基本骨格として有しており、五員環部分に結合する官能基二重結合の有無によりA-J群に分けられ、側鎖部分の二重結合数により1-3群に区別され、これらの組み合わせによりプロスタグランジンの命名が行われる。例えばPGE1は五員環部分の9位にオキソ基と11位にヒドロキシル基、側鎖部分の13位に二重結合を1つ有するものである。

合成

必須脂肪酸の代謝経路とエイコサノイドの形成

プロスタグランジンは人間の様々な組織や器官で認められる[2]。まず、ホスホリパーゼA2によって細胞質内にアラキドン酸が遊離される。アラキドン酸にシクロオキシゲナーゼ (COX) が作用すると、アラキドン酸カスケードに入りプロスタグランジンG2 (PGG2) が合成され、その後プロスタグランジン又はトロンボキサン系が合成される。アラキドン酸にリポキシゲナーゼが作用するとロイコトリエン合成系に入り、ロイコトリエンが合成される。

PGG2からは、プロスタグランジンまたはトロンボキサンが合成される。1969年にコーリーがプロスタグランジン類の全合成を完了した。

NSAIDsはシクロオキシゲナーゼ活性を阻害し、アラキドン酸からのPGH2合成を阻害し、プロスタグランジンとトロンボキサン合成を抑制する。

アスピリンの抗炎症作用はプロスタグランジンの生合成抑制機能による。

プロスタグランジンの種類と主な作用

  • PGA:血圧低下作用のみ
  • PGB:血圧低下作用のみ
  • PGC:血圧低下作用のみ
  • PGD2血小板凝集作用・睡眠誘発作用(PDD受容体)。
  • PGE1動脈管開存作用、子宮収縮作用。
  • PGE2
    • 平滑筋収縮作用(EP受容体EP1サブタイプ)
    • 末梢血管拡張作用(EP受容体EP2サブタイプ)
    • 発熱・痛覚伝達作用(EP受容体EP3サブタイプ)
    • 骨新生・骨吸収作用(EP受容体EP4サブタイプ)。
  • PGF黄体退行・平滑筋(子宮気管支・血管)収縮作用(FP受容体)。畜産においては繁殖に利用される。
  • PGG:血圧低下作用・血小板凝集作用・眼圧降下作用
  • PGH2:血小板凝集作用
  • PGI2:血管拡張作用・血小板合成阻害作用(IP受容体)。
  • PGJ:抗腫瘍作用のみ

出典

  1. ^ IUPAC Gold Book - prostaglandins
  2. ^ a b 酒井浄「プロスタグランディンの化学」『有機合成化学協会誌』第29巻第3号、有機合成化学協会、1979年、205-226頁、doi:10.5059/yukigoseikyokaishi.29.205 

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