サルコシンとは? わかりやすく解説

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サルコシン

分子式C3H7NO2
その他の名称サルコシン、N-メチルグリココール、Sarcosine、N-Methylglycine、N-Methylglycocoll、N-Methylaminoacetic acid、(Methylamino)acetic acid、2-(Methylamino)acetic acid
体系名:(メチルアミノ)酢酸、メチルアミノ酢酸、N-メチルアミノ酢酸、N-メチルグリシン、2-(メチルアミノ)酢酸


サルコシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/15 23:17 UTC 版)

サルコシン
識別情報
CAS登録番号 107-97-1 
ChemSpider 1057 
UNII Z711V88R5F 
EC番号 203-538-6
KEGG C00213 
ChEMBL CHEMBL304383 
特性
化学式 C3H7NO2
モル質量 89.093 g/mol
融点

208-212 °C(分解)

酸解離定数 pKa 2.23 (カルボキシ基), 10.01 (メチルアミノ基;共役酸の値)[1]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

サルコシン(sarcosine)またはN-メチルグリシン: N-methylglycine, NMG)は、筋肉やその他体内組織に見られる天然のアミノ酸で、コリンからグリシンへの代謝中間体である。

概要

摂食されたコリンやベタイン、グリシン、メチオニンの代謝により形成し、速やかにグリシンに分解される。タンパク質の構成要素となる。 グルタチオンクレアチンプリン類およびセリンの代謝源などの生理学的過程において重要な役割を果たす[要出典]。一般的なヒトの血清中のサルコシン濃度は1.59 ± 1.08 nM(ナノモーラー)である[2]

実験室では、クロロ酢酸メチルアミンから合成することができる。

含む食品

サルコシンが含まれる食品には、卵黄シチメンチョウハム野菜豆類などがある。[要出典]

利用

甘味を持ち水に溶けるため、生分解性界面活性剤歯磨き粉などに使われている。

生合成と代謝

サルコシンデヒドロゲナーゼによりグリシンに代謝され、 グリシン-N-メチルトランスフェラーゼ(GNMT)により グリシンから合成される。

機能

サルコシンはグリシン再取り込み阻害薬として働き、NMDA受容体の活性を調節する作用があると考えられている。

研究

うつ病

ラットの実験でサルコシンはシタロプラムに劣らない抗うつ作用を示した[3]

統合失調症

いくつかのエビデンスは、統合失調症の治療においてクロザピンを除く多くの抗精神病薬に対して効果的かつ忍容性の高いアジュバントであることを示唆しており、陽性症状と陰性症状の両方で大幅な症状改善を示している[4][5]。別の研究では、統合失調症の患者に対して2g/日のサルコシン投与にて20%以上の抗精神病作用を示した[6]

出典

  1. ^ Dawson, R.M.C., et al., Data for Biochemical Research, Oxford, Clarendon Press, 1959.
  2. ^ “Serum betaine, N,N-dimethylglycine and N-methylglycine levels in patients with cobalamin and folate deficiency and related inborn errors of metabolism”. Metabolism 42 (11): 1448–60. (November 1993). doi:10.1016/0026-0495(93)90198-W. PMID 7694037. 
  3. ^ “Inhibition of glycine transporter-I as a novel mechanism for the treatment of depression”. Biological psychiatry 74 (10). (2013). doi:10.1016/j.biopsych.2013.02.020. PMID 23562005. 
  4. ^ “Glycine transporter I inhibitor, N-methylglycine (sarcosine), added to clozapine for the treatment of schizophrenia”. Biological Psychiatry 60 (6): 645–9. (September 2006). doi:10.1016/j.biopsych.2006.04.005. PMID 16780811. 
  5. ^ “Glycine transporter I inhibitor, N-methylglycine (sarcosine), added to antipsychotics for the treatment of schizophrenia”. Biological Psychiatry 55 (5): 452–6. (March 2004). doi:10.1016/j.biopsych.2003.09.012. PMID 15023571. 
  6. ^ “Sarcosine (N-methylglycine) treatment for acute schizophrenia: a randomized, double-blind study”. Biological psychiatry 63 (1). (2008). doi:10.1016/j.biopsych.2007.04.038. PMID 17659263. 

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