コリン (栄養素)
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コリン (栄養素) | |
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別称
ビリノイリン
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 62-49-7 |
PubChem | C00114 |
特性 | |
化学式 | C5H14NO |
モル質量 | 104.17 g mol−1 |
危険性 | |
EU分類 | ![]() |
EU Index | 腐食性 Corrosive (C) |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | H314 |
Sフレーズ | P260, P264, P280, P301+330+331, P303+361+353, P304+340, P305+351+338, P310, P321, P363, P405, P501 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
コリン(Choline, Cholin)は、循環器系と脳の機能、および細胞膜の構成と補修に不可欠な水溶性の栄養素である。
歴史
アドルフ・ストレッカー(ドイツ語: Adolph Strecker)により1862年に発見され、1866年に化学合成された。1998年にはアメリカ医学研究所の食品栄養委員会によって必須栄養素とされ、適正摂取量が定められた。
化学的性質
コリンは以下の示性式で表される第四級アンモニウムカチオンである。
-
コリン代謝系
B12:ビタミンB12
CH3・: メチル基
Choline: コリン
Homocystein:ホモシステイン
Methionine:メチオニン
Methylation: メチル化
Phosphatidylcholine:レシチン(リン脂質)
THF:テトラヒドロ葉酸コリンおよびその代謝物質は、生理学上の3つの重要な役割を演じる。細胞膜の構造の保全と細胞シグナリングの役割、アセチルコリンへ合成されることによる神経伝達物質としての役割、S-アデノシルメチオニンを合成する代謝経路に関与する代謝物質トリメチルグリシン(ベタイン)を通じたメチル基の主な原料としての役割である。
コリンが肉体によって代謝されるとき、魚のにおいがする合成物トリメチルアミンが生成されることがある。したがって、サプリメントとして1日10ないし16グラムとるなど、大量のコリンを摂取した場合、その人は魚のような体臭に苦しむ可能性がある。
食品中のコリン
栄養素としてのコリンは次の形で存在している。[1]
- コリン
- ホスホコリン
- グリセロホスホコリン
- ホスファチジルコリン
- スフィンゴミエリンの一部。
摂取
摂取基準
米国における推奨コリン摂取量を以下に示す。日本においてはコリンの推奨摂取量は定義されていない模様。
コリン推奨摂取量(米国)[2] 年齢/性別など 推奨量 ADI/AI (mg/日) 上限 UL (mg/日) 幼児(0-1歳) 125-150 未定義 子供(1-8歳) 200-250 1000 子供(9-13歳) 375 2000 成人男子(14歳以上) 550 3000-3500 成人女子(14歳以上) 400-425 3000-3500 成人女子(妊娠期) 450 3000-3500 成人女子(授乳期) 550 3000-3500 食品中の含有量
食品中の総コリン含有量総コリン含有量(USDAデータベース)より抜粋[3] 食品名 総コリン含有量
(mg/100g)クリームチーズ 27.0 たまご(全卵、生) 250.0 牛乳(全乳、3.25%) 14.0 パセリ(スパイス、乾燥) 97.0 ターメリック(スパイス) 49.0 鶏(肉、ロースト) 79.0 鶏(肝臓、生) 190.0 鶏(肝臓、調理済) 290-330 シリアル
(ケロッグ、オールブラン、オリジナル)49.0 バナナ(生) 9.8 豚(ベーコン、生) 47.0 豚(ベーコン、調理済) 120-130 豚(挽き肉、生) 69.0 豚(挽き肉、調理済) 87.0 えだまめ(冷凍) 56.0 アーモンド 52.0 カシューナッツ(ロースト、塩) 61.0 マカダミアナッツ(ロースト、塩) 45.0 牛(挽き肉、95%赤身、生) 71.0 牛(挽き肉、95%赤身、ゆで) 85.0 牛(肝臓、生) 330.0 牛(肝臓、調理済) 420-430 たら(北大西洋、調理済) 84.0 サーモン(北大西洋、養殖、生) 79.0 サーモン(北大西洋、養殖、調理済) 91.0 紅鮭(アラスカ産、生) 99.0 白身魚(アラスカ産、卵) 250.0 まぐろ(ツナ、ライト缶) 29.0 ピーナツバター(スムースタイプ) 66.0 ピーナッツ(生) 53.0 大豆(完熟種子、生) 120 大豆プロテイン(isolate) 190 [4] パン(精製小麦) 15.0 パン(全粒小麦) 27.0 アイスクリーム(バニラ) 26.0 シリアル(QUAKER、オートブラン、乾燥) 59.0 オートブラン(生) 32.0 米(長粒種、玄米、調理済) 9.2 米(長粒種、精製、調理済) 2.1 スパゲッティ(調理済) 6.4 小麦胚芽(トースト済、シリアル) 180 脚注
- ^ Paul M. Coates; M. Coates Paul; Marc Blackman; Marc R. Blackman, Gordon M. Cragg, Mark Levine, Jeffrey D. White, Joel Moss, Mark A. Levine (29 December 2004). Encyclopedia of Dietary Supplements (Print). CRC Press. pp. 109. ISBN 978-0-8247-5504-1
- ^ “Dietary Reference Intakes”. Institute of Medicine(英). 2012年6月26日閲覧。
- ^ “USDA Database for the Choline Content of Common Foods, Release 2 (2008)”. 2018年9月19日閲覧。
- ^ 16122, Soy protein isolate, National Nutrient Database for Standard Reference Legacy Release, USDA (2018)
関連項目
外部リンク
- Choline コリン (栄養素)(英語) - (オレゴン州大学・ライナス・ポーリング研究所)
- コリン - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- Choline(英語), NIH, USA.Gov
「コリン (栄養素)」の例文・使い方・用例・文例
- コリント式
- 医師はスクシニルコリンを私に注射した。
- AChはアセチルコリンの略称である。
- 混合様式 《古代ローマ建築の様式で, イオニア様式 (Ionic order) とコリント様式 (Corinthian order) の折衷様式》.
- コリンズ氏の発言が終わるや否や, ドブスン氏が「議長!」と言いながら立ち上がった.
- アセチルコリンまたは関連した化合物によって放出されまたは活発化する
- 受容体部位でアセチルコリンの動作を制御するか、妨害するさま
- 抗コリン薬
- それぞれのオリンピック期間の1年目および3年目にコリントスの地峡で2年に1度開催された古代の全ギリシア人の大会
- コリンウズラ
- 中米および南米の、ウズラに似た鳥冠のあるコリンウズラの属
- コリントまたはその住民の、コリントまたはその住民に関する、あるいは、コリントまたはその住民に特徴的な
- アセチルコリンの動作の妨害する、または妨げる物質
- それと組み合わさることによってコリンエステラーゼを妨ぎ、そのためコリン作動性効果を持つ医薬
- コリント式建築に関する、またはそれの
- いくつかの眼疾患の治療や重症筋無力症の治療に用いられるコリン作動性薬物(商標名プロスチグミン)
- 十二指腸潰瘍を治療する際に使用される抗コリン性ドラッグ(商標名Daricon)
- 緑内障を治療するのために目薬に使用される、コリン作動性アルカロイド
- コリント式のアカンサスの葉と、イオニア様式のらせん渦巻きを組み合わせる混合柱式
- 聖パウロからコリントスの教会まで最初の使徒書簡を含んでいる新約聖書
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