マロラクティック発酵の防止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 14:03 UTC 版)
「マロラクティック発酵」の記事における「マロラクティック発酵の防止」の解説
軽くフルーティーなワインや、温暖な地域の酸度の低いワインなど、ワインのスタイルによってはマロラクティック発酵は望ましくない。マロラクティック発酵を防ぐ手段としては、以下のような例がある。 マセラシオンを控え、圧搾を早め、澱引きを早い段階で行うこと。乳酸菌が栄養分と接触できる時間が減少する。 遊離二酸化硫黄濃度を最低でも25ppmに保つ。ワインのpHにもよるが、おおよそ50~100mg/Lの二酸化硫黄を添加する必要がある。 PHを3.3以下に保つ。 10~14℃の低温に保つ。 瓶詰の際に、0.45μm以下のメンブレンフィルターで濾過する。これにより、瓶内に細菌が入り込むことを防げる。 さらに、リゾチーム、ナイシン、二炭酸ジメチル(ベルコリン)、フマル酸といった化学的・生物学的阻害剤を用いる選択肢もある。ただし、ベルコリンのようにアメリカ合衆国では認可されているが他国では使用が認められていないものもある。ベントナイトのような清澄剤の使用や、ワインを低温安定化させることでも、乳酸菌にとっての栄養素を除去しマロラクティック発酵を防止できる。バクテリオファージ(細菌に感染するウイルス)を用いてマロラクティック発酵を防止するような研究もあるが、同様の研究がチーズ産業で思わしい結果にならなかったことから、実用化に対しては懐疑的な意見もある。
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