アラキドン酸とは? わかりやすく解説

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アラキドン‐さん【アラキドン酸】

読み方:あらきどんさん

《arachidonic acid》1分子内に4個の二重結合をもつ不飽和脂肪酸動物脂質中に含まれプロスタグランジンなどの生合成原料となる必須脂肪酸の一。


アラキドン酸

分子式C20H32O2
その他の名称アラキドン酸、Arachidonic acid、(5Z,8Z,11Z,14Z)-5,8,11,14-Icosatetrenoic acid、(5Z,8Z,11Z,14Z)-Arachidonic acid20:4n-6、20:4(n-6)、AA、(5Z,8Z,11Z,14Z)-5,8,11,14-Icosatetraenoic acid、(5Z,8Z,11Z,14Z)-Icosa-5,8,11,14-tetraenoic acid
体系名:(5Z,8Z,11Z,14Z)-5,8,11,14-イコサテトラエン酸、(5Z,8Z,11Z,14Z)-アラキドン酸、(5Z,8Z,11Z,14Z)-イコサ-5,8,11,14-テトラエン


アラキドン酸 (AA, 20:4)

多価不飽和脂肪酸で、必須脂肪酸のひとつ。動物細胞リン脂質構成要素で、動物ヒト脂肪細胞にみられ、肝臓・脳・腺組織にも存在するリン脂質ジアシルグリセロール、あるいは必須脂肪酸リノレン酸から合成され、プロスタグランジン・トロンボキサン・ロイコトリエンの生合成に必要とされる

名前Arachidonic acid
アラキドン酸

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アラキドン酸(アラキドンサン)


アラキドン酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/20 14:14 UTC 版)

アラキドン酸
略称 AA、ARA、20:4 n-6
識別情報
CAS登録番号 506-32-1 
PubChem 444899
ChemSpider 392692 
UNII 27YG812J1I 
日化辞番号 J12.228I
EC番号 208-033-4
DrugBank DB04557
KEGG C00219 
MeSH Arachidonic+acid
ChEBI
ChEMBL CHEMBL15594 
2391
RTECS番号 CE6675000
バイルシュタイン 1713889
3DMet B00061
特性
化学式 C20H32O2
モル質量 304.47 g mol−1
示性式 CH3(CH2)4(CH=CHCH2)4(CH2)2COOH
密度 0.922 g/cm3
融点

-49 °C, 224 K, -56 °F

沸点

169-171 °C, 442-444 K, 336-340 °F (at 0.15 mmHg)

log POW 6.994
酸解離定数 pKa 4.752
危険性
NFPA 704
1
1
0
Rフレーズ R19
引火点 113 °C (235 °F; 386 K)
関連する物質
関連物質 エイコサテトラエン酸 (20:4 n-3)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アラキドン酸(アラキドンさん、: Arachidonic acid)は、不飽和脂肪酸のひとつ。4つの二重結合を含む20個の炭素鎖からなるカルボン酸で、ω-6脂肪酸に分類される。数値表現で 20:4(n-6)または20:4(Δ5,8,11,14)となる。

生体でのアラキドン酸カスケードを担う脂質。

存在と役割

細胞膜中のリン脂質(特にホスファチジルエタノールアミン・ホスファチジルクロリン・ホスファチジルイノシトール)として存在し、なかでもに多く含まれる。

アラキドン酸はホスホリパーゼA2によってリン脂質から遊離し、ここから プロスタグランジントロンボキサンロイコトリエンなど、一連のエイコサノイドがつくられ、また細胞間のシグナル伝達におけるセカンドメッセンジャーとして働く。これらの生合成過程や体内での作用はアラキドン酸カスケードと呼ばれる。

アラキドン酸は、ほとんどの哺乳類にとって必須脂肪酸であると考えられている。

必須脂肪酸の代謝経路とエイコサノイドの形成

摂取

主に母乳などに含まれており、欧米など諸外国では乳児用調製乳にも添加されている。

ヒトでは、アラキドン酸はリノール酸を原料として体内で合成されるが、種によってはこの機能が十分でないため必要な量を生産することができないか、あるいは全く生産する機能を持たない。アラキドン酸は植物にはほとんど含まれないため、自ら十分な量を生産できない動物(ネコなど)は他の動物の捕食によって摂取する必要がある。

自閉症スペクトラムの患者にアラキドン酸を平均228日間、経口投与し続けた結果、症状の一部改善が見られたという報告がある[2]

出典

  1. ^ Pubchem. “5,8,11,14-Eicosatetraenoic acid | C20H32O2 - PubChem”. pubchem.ncbi.nlm.nih.gov. 2016年3月31日閲覧。
  2. ^ 「自閉症スペクトラム障害の社会性障害におけるアラキドン酸の役割について」『日本精神神経学会』2010年。 

外部リンク


アラキドン酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 06:10 UTC 版)

不飽和脂肪酸」の記事における「アラキドン酸」の解説

アラキドン酸(アラキドンさん、arachidonic acid)は、動物内臓脂肪(脳、肝、腎、肺、脾)に存在する炭素20の5,8,11,14-テトラ不飽和脂肪酸である。細胞膜にあるリン脂質分解により生じる。プロスタグランジントロンボキサンロイコトリエンなどのエイコサノイド与え一連の代謝経路として知られるアラキドン酸カスケード出発物質として重要な化合物である。 C19H31CO2H、IUPAC組織名 (5Z,8Z,11Z,14Z)-icosa-5,8,11,14-tetraenoic acid数値表現 20:4 (5,8,11,14), n-6分子量304.47、沸点169-171CAS登録番号 506-32-1。

※この「アラキドン酸」の解説は、「不飽和脂肪酸」の解説の一部です。
「アラキドン酸」を含む「不飽和脂肪酸」の記事については、「不飽和脂肪酸」の概要を参照ください。

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