引火点
【英】: flash point
試料を規定条件で加熱しながら小さな炎を近づけたとき、試料液面のすぐ上の蒸気に引火する最低の試料温度をいう。 引火点は物質に特有な恒数ではなく、その値は試験器の種類や測定法によって少しずつ異なる。引火点試験器には、大きく分けて密閉式と開放式の 2 種類がある。密閉式は小炎をのぞかせる時にだけふたの一部を開けるもので、開放式はふたの付いていないものである。密閉式の方が、ふたがあるだけ液面直上の蒸気濃度が高くなるので、低い温度で引火する。日本工業規格(JIS)では、引火点が 95 ℃以下の原油、ナフサ、灯油などにはタグ密閉式を、引火点が 50 ℃以上の軽油、重油などにはペンスキー・マルテンス密閉式を、引火点が 80 ℃以上の潤滑油、石油アスファルト、流動パラフィンなどにはクリーブランド開放式を、それぞれ使うよう規定されている(K2265 原油および石油製品引火点試験方法)。なお、まだ日本工業規格(JIS)にはないが、高粘度試料の測定に、従来の試験器を用い、外浴を恒温水槽に変え、極めてゆっくり試料温度を上げていく方法(平衡法)が ISO 規格などにある。引火点は危険性や揮発性の目安となり、また精製の良否を判断する材料となる。 |
引火点
引火点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/08 15:41 UTC 版)
引火点(いんかてん、英: flash point)とは、物質が揮発して空気と可燃性の混合物を作ることができる最低温度。
- ^ a b c d e f g h 危険物関係用語の解説 危険物保安技術協会 2022年12月28日閲覧。
- ^ a b 須藤梅吉「塗装溶剤の取扱について」 自転車産業振興協会 2022年12月28日閲覧。
- ^ a b 「実務者による引火点試験解説」 ユニケミー技報75号 2023年1月8日閲覧。
- ^ a b c d e 八島正明「産業現場における火災 ・ 爆発災害とGHS分類−引火性液体と可燃性固体の場合−」 独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所 2022年12月28日閲覧。
- ^ “Ethanol MSDS”. North American Fire Arts Association (2001年4月17日). 2016年3月29日閲覧。
引火点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 00:20 UTC 版)
炎が存在した場合に、大気中に置かれた物体に着火する最低温度(結果として燃焼が継続しなくとも良い)。厳密には、液体の可燃物が液面から爆発限界の最低値の濃度の蒸気を発生させるのに足りる最低の温度が引火点である。
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