バイオディーゼル【biodiesel】
バイオディーゼル
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バイオディーゼルとは、生物由来油から作られるディーゼルエンジン用燃料の総称で、バイオマスエネルギーの一つである。諸外国においてバイオディーゼルとして規格化がなされているのは脂肪酸メチルエステル(Fatty acid methyl ester、以下「FAME」)のみであるが、厳密に化学的な定義はない。原料となる油脂からグリセリンをエステル交換により取り除き粘度を下げる等の化学処理や改質処理を施し、ディーゼルエンジンに使用できるようにしている。Bio Diesel Fuelの頭文字をとってBDFと略されることもある[1](BDFは登録商標)。
- ^ “バイオ燃料で特急走行試験 JR東海、環境負荷低減へ”. 産経ニュース (2022年2月9日). 2022年2月9日閲覧。
- ^ ディーゼルエンジンの発明者であるルドルフ・ディーゼルは1900年にピーナッツ油で運転するディーゼルエンジンを発表している。燃料については当時から、エステル化によりグリセリンを除去する技術が一定程度確立していた。
- ^ 振動・騒音減殺の試作車・三菱が製造『中外商業新報』昭和10年3月7日(『昭和ニュース事典第5巻 昭和10年-昭和11年』本編p422 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
- ^ 三菱・池貝・新潟三社の耐寒試験が成功『中外商業新報』昭和10年1月10日(『昭和ニュース事典第5巻 昭和10年-昭和11年』本編p422)
- ^ 「バイオディーゼル燃料混合軽油の規格案について(案)」 総合資源エネルギー調査会石油分科会石油部会燃料政策小委員会(第21回)配付資料4-1 (PDF)
- ^ 廃食用油再生処理業者が不適切な性状のバイオディーゼル燃料油を納入していたことが原因で、船舶において航行途中にエンジントラブルが発生し航行不能となった海難事故として 平成17年神審第74号平成18年3月28日裁決言渡「研修船うみのこ運航阻害事件」(海難審判庁HP) を参照のこと。
- ^ 独立行政法人産業技術総合研究所「平成17年度研成果報告書 バイオディーゼル燃料の標準化及び高品質化技術開発」
- ^ 総合資源エネルギー調査会石油分科会石油部会燃料政策小委員会(第19回)、規格検討ワーキンググループ(第6回)合同会議配付資料4「BDF混合軽油の品質規制の在り方について」第3頁
- ^ 国土交通省HP「バイオマス燃料対応自動車開発促進事業の開始について(平成16年6月28日)」
- ^ 国土交通省自動車交通局技術安全部環境課長・整備課長「廃食用油燃料の使用に関する注意喚起について(平成16年11月26日)」(社団法人岡山県自動車整備振興会HPより)
- ^ 資源エネルギー庁HP「揮発油等の品質の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令について(平成19年1月15日)」
- ^ “地方税法(軽油引取税)違反事件の告発について(平成19年2月28日千葉県総務部税務課)” (2009年2月28日). 2009年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年7月6日閲覧。千葉県知事の承認を受けずに軽油に灯油を混和し、これに植物油(パーム油)等をも混和するなどして炭化水素油を製造していた、石油製品販売会社及び同法人代表者外1名が千葉県により告発された。
- ^ 日本自動車工業会燃料潤滑油部会資料「日本のバイオディーゼル規格(2006年10月20日)」 の16ページグラフを参照のこと。なお、当該グラフの出典は U.S. Environmental Protection Agency(米国環境保護局). A Comprehensive Analysis of Biodiesel Impact on Exhaust Emissions. Oct. 2002. Assessment and Standards Division of the Office of Transportation and Air Quality. Apr. 2 2006. である。
- ^ Diana Connett. Fueling Change:A Feasibility Study of Converting the CTA to B100 Biodiesel May 23, 2006. Environmental Studies Program. University of Chicago を参照のこと。
- ^ 中央環境審議会大気環境部会「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(2005年4月8日)」(第八次答申)
- ^ http://www.toyota-body.co.jp/ps/qn/usr/db/d_file5-0001-0252.pdf
- ^ 遊休農地を活用したバイオディーゼル燃料(BDF)利用バスが発進!(第2報)(2009年6月30日時点のアーカイブ)
- ^ 環境への取り組み 阪急バス
- ^ “お客様事例紹介 阪急バス株式会社 大阪営業所様〈バイオディーゼルコージェネ〉”. ヤンマーホールディングス. 2021年7月8日閲覧。
- ^ 全国初、100%バイオディーゼル燃料の市代替バス - 宇部日報2008年3月6日付
- ^ “概要”. サンクスネイチャーバス. 2013年4月19日閲覧。
- ^ “天ぷら油で車が走る”. 有限会社染谷商店(VDFの開発元). 2013年4月19日閲覧。
- ^ イオン交換樹脂を固体触媒とした新規なバイオディーゼル燃料製造技術の開発に 世界で初めて成功 2005/10/12 (PDF) 東北大学
- ^ a b 倉持秀敏、崔基仁、大迫政浩 ほか、トラップグリースモデルからの新規バイオディーゼル燃料製造技術に関する基礎的検討 廃棄物学会 第18回廃棄物学会研究発表会 セッションID:B8-9, doi:10.14912/jswmepac.18.0.175.0
- ^ a b c 北川尚美、廃食油を原料とする高品質バイオディーゼル燃料の製造 (PDF) 自然と共生するスマートエコアイランド種子島シンポジウム (2016.3.6)s
- ^ a b 中村一夫、来住宜剛、池上詢、「バイオディーゼル製造設備から排出されるグリセリン廃液のメタン発酵への適用の研究」 『廃棄物学会論文誌』 2008年 19巻 1号 p.9-16, doi:10.3985/jswme.19.9
- ^ 栗林誉、本田浩紀、北川尚美 ほか バイオディーゼル燃料生産におけるイオン交換樹脂触媒の安定性 化学工学会第37回秋季大会 セッションID: N301, doi:10.11491/scej.2005f.0.405.0
- ^ 東京都環境局・東京都交通局・新日本石油株式会社・トヨタ自動車株式会社・日野自動車株式会社「第二世代バイオディーゼル燃料実用化共同プロジェクトの実施について(2007年2月6日)」
- ^ BTL=BHDの他油との物性値比較
- ^ 環境省エコ燃料利用推進会議「輸送用エコ燃料の普及拡大について(2006年5月)」 2-16ページを参照のこと。
- ^ 東京都交通局「最新型ハイブリッドバスに第二世代バイオディーゼル燃料を使用したデモ走行を開始」(2007年9月21日)
- ^ [1] 神奈川県産業技術センター
- ^ NEDOのオゾン分解研究。
- ^ 特開2015-67710「重質油軽質化装置」
バイオディーゼル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 02:47 UTC 版)
「環境に及ぼす人類の影響」の記事における「バイオディーゼル」の解説
詳細は「バイオディーゼル#地球温暖化対策との関連について」を参照 バイオディーゼルによる環境への影響には、エネルギーの使用、温室効果ガス排出、他幾つかの汚染が含まれる。米国農務省と米国エネルギー省による共同ライフサイクル分析では 、バスのディーゼル石油を100%バイオディーゼルに置き換えることが石油ライフサイクル消費量を95%に減少させると判明した。他にもバイオディーゼルはディーゼル石油と比較して二酸化炭素の正味排出量を78.45%削減させ、都市バスならディーゼル石油の使用に関連したライフサイクル排出量と比較してバイオディーゼルは粒子状物質の排出量を32%削減、一酸化炭素の排出量を35%削減、硫黄酸化物の排出量は8%削減になる。バイオディーゼルで炭化水素のライフサイクル排出量が35%増加し、様々な窒素酸化物(NOx)の排出量が13.5%増加したことが判明した。アルゴンヌ国立研究所によるライフサイクル分析では、ディーゼル石油の使用と比較したバイオディーゼルによる化石エネルギー使用の削減と温室効果ガス排出の削減が示された。様々な植物油(菜種油や大豆油など)に由来するバイオディーゼルは、ディーゼル石油と比較して環境中で容易に生分解される。
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バイオディーゼル
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「再生可能エネルギー」の記事における「バイオディーゼル」の解説
軽油の代替燃料。菜種油・パーム油・アブラギリ(ヤトロファ等)・ミドリムシ等の油脂を精製した軽油に近い性質の燃料を利用[要出典]。
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バイオディーゼル
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詳細は「バイオディーゼル」を参照 世界のバイオディーゼルの生産能力は8千万トンと推定されているが、2011年(暦年)には20.6百万トンが生産された。これは2010/11年の植物油総生産量の14%である。2010年度のディーゼル燃料消費に占めるバイオディーゼルの割合は1.4%であった。 米国では2.95百万トン、ドイツ2.73百万トンとフランス1.78百万トンをふくめたEUで9.13百万トン、アルゼンチン2.43百万トン、ブラジル2.35百万トン、インドネシア1.10百万トンが主な生産国で全世界で21.7百万トンのバイオディーゼルが生産された。全世界でのバイオディーゼルの生産量は2008年には14.3百万トンであったが、年率十数パーセント増えており2011年には21.7百万トンとなったがこれは総植物油生産量の約14%であった。バイオディーゼル先進国であるドイツ、フランス、アルゼンチンでは植物油の消費の半分以上がバイオディーゼル用途となっている。2010年のディーゼルとバイオディーゼルの比率は全世界では100対1.4、バイオディーゼルの大生産国である米国は100対0.6、ドイツは100対4.5、アルゼンチンは100対15.4、ブラジルは100対4.8、フランスは100対3.8であった。日本のバイオディーゼルの年間生産量は11万バレルで100対0.04、韓国は237万バレルで100対1.7であった。 21世紀に入り各国ではバイオ燃料の消費拡大政策を取っておりガソリンやディーゼルの5-10%をバイオ燃料で置き換える計画である。米国では2030年に30%と高いバイオエタノールの目標を掲げている。
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