グリセリン
化学式C3H8O3、示性式はC3H5(OH)3 で表される物質。無色透明のねっとりとした液体。甘味があり、水に溶けやすい。基本的に人体に無害。甘味料や増粘安定剤として食品に添加されたり、保湿剤や潤滑剤として医薬品に添加されたりする。
グリセリンは高い吸湿効果があり、粘性もあるため、軟膏、保湿クリーム、化粧水などに配合されている場合も多い。
グリセリン自体も市販されている。保湿液としての用途が想定されている商品もあれば、植物由来の天然グリセリンを原料としており保存剤として食品に添加できるグリセリンもある。
グリセリンを硝酸エステル化した物質がニトログ'リセリンであり、ニトログリセリンはダイナマイトの火薬として知られる。このため、グリセリンの用途に「火薬の材料」という項目が加わることがままある。
グリセリン【glycerin/glycerine】
グリセロール
分子式: | C3H8O3 |
その他の名称: | ナルト、リスリン、アミラック、グリセリン、グリロール、グリンセン、イスルナック、オスモグリン、オフタルガン、グリセロール、グリセリトール、トリヒドロキシプロパン、Glyrol、Glycerin、Glycerol、Osmoglyn、Glyceritol、Ophthalgan、Trihydroxypropane、1,2,3-Propanetriol、グリシルアルコール、Glycyl alcohol、Amylac、IFP、D-Glycerol、L-Glycerol、Propane-1,2,3-triol、グリカンチョー、Glykanchor、グリセリンBC、ケンエーG、Glycerin BC |
体系名: | プロパン-1,2,3-トリオール、1,2,3-プロパントリオール、D-グリセロール、L-グリセロール |
グリセリン
英訳・(英)同義/類義語:glycerol, glycerin
プロパンの各炭素原子に結合した水素が1個ずつOH基に置換された3価の多価アルコール。脂肪酸とエステル化して脂肪の材料となったり、リン酸エステル化されて多くの代謝反応に関わるなど重要な生体物質。生物実験では、細菌や細胞、タンパク質などの超低温保存の際の安定化剤として使うなど用途が多い。粘性が高く甘みを有するため、食品や薬の添加物にも使われる。
グリセロール
グリセリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/07 07:17 UTC 版)
グリセリン(倔里設林[3]、虞利設林[3]、英: glycerine, glycerin)は、3価のアルコールの一種である。学術分野では20世紀以降グリセロール(英: glycerol)と呼ぶようになったが、医薬品としての名称を含め日常的にはいまだにグリセリンと呼ぶことが多い。食品添加物として、甘味料、保存料、保湿剤、増粘安定剤などの用途がある。虫歯の原因になりにくい。医薬品や化粧品には、保湿剤・潤滑剤として使われている。
- ^ “Viscosity of Glycerol and its Aqueous Solutions”. 2011年4月19日閲覧。
- ^ Lide, D. R., Ed. CRC Handbook of Data on Organic Compounds, 3rd ed.; CRC Press: Boca Raton, FL, 1994; p 4386.
- ^ a b 落合直文「ぐりせりん」 『言泉:日本大辞典』 第二、芳賀矢一改修、大倉書店、1922年、1174頁。
- ^ a b c d e f g Christoph, Ralf; Schmidt, Bernd; Steinberner, Udo; Dilla, Wolfgang; Karinen, Reetta (2006). "Glycerol". Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry. doi:10.1002/14356007.a12_477.pub2. ISBN 3527306730。
- ^ a b G. E. Gibson , W. F. Giauque (1923). “The third law of thermodynamics. Evidence from the specific heats of glycerol that the entropy of a glass exceeds that of a crystal at the absolute zero”. J. Am. Chem. Soc. 45 (1): 93-104. doi:10.1021/ja01654a014.
- ^ Sims, Bryan (2011年10月25日). “Clearing the Way for Byproduct Quality: Why quality for glycerin is just as important for biodiesel”. Biodiesel Magazine
- ^ Suzuki R, Fukuyama K, Miyazaki Y, Namiki T (March 2016). “Contact urticaria syndrome and protein contact dermatitis caused by glycerin enema”. JAAD Case Rep (2): 108–10. doi:10.1016/j.jdcr.2015.12.011. PMID 27051845 .
- ^ 島田均、吉田博一、田中晃、佐藤成彦、清水宏明、森朗子、馬場廣太郎「586 皮内反応におけるグリセリンの影響について : 獨協医大BST学生での皮内テスト調査結果から」『アレルギー』第44巻第8号、1995年、1045頁、doi:10.15036/arerugi.44.1045_2、NAID 110002424545。
- ^ Hudgens, R. Douglas; Hercamp, Richard D.; Francis, Jaime; Nyman, Dan A.; Bartoli, Yolanda (2007). An Evaluation of Glycerin (Glycerol) as a Heavy Duty Engine Antifreeze/Coolant Base. doi:10.4271/2007-01-4000.
- ^ Kamm, O; Marvel, C. S. (1921). "Allyl alcohol". Organic Syntheses (英語). 1: 15.; Collective Volume, 1, p. 42
- ^ Adkins, H.; Hartung, W. H. (1926). "Acrolein". Organic Syntheses (英語). 6: 1.; Collective Volume, 1, p. 15
- ^ Renoll, M.; Newman, M. S. (1948). "dl-Isopropylideneglycerol". Organic Syntheses (英語). 28: 73.; Collective Volume, 3, p. 502
- ^ Braun, G (1934). "Glycerol α,γ-dibromohydrin". Organic Syntheses (英語). 14: 42.; Collective Volume, 2, p. 308
- ^ Conant, J. B.; Quayle, O. R. (1922). "Glycerol α-monochlorohydrin". Organic Syntheses (英語). 2: 33.; Collective Volume, 1, p. 294
- ^ Conant, J. B.; Quayle, O. R. (1922). "Glycerol α,γ-dichlorohydrin". Organic Syntheses (英語). 2: 29.; Collective Volume, 1, p. 292
- ^ Clarke, H. T.; Hartman, W. W. (1923). "Epichlorohydrin". Organic Syntheses (英語). 3: 47.; Collective Volume, 1, p. 233
- ^ a b Braun, G. (1936). "Epichlorohydrin and epibromohydrin". Organic Syntheses (英語). 16: 30.; Collective Volume, 2, p. 256
- ^ Clarke, H. T.; Davis, A. W. (1922). "Quinoline". Organic Syntheses (英語). 2: 79.; Collective Volume, 1, p. 478
- ^ Mosher, H. S.; Yanko, W. H.; Whitmore, F. C. (1947). "6-Methoxy-8-nitroquinoline". Organic Syntheses (英語). 27: 48.; Collective Volume, 3, p. 568
- ^ ライアル・ワトソン『生命潮流―来たるべきものの予感』(工作舎、1981年)37刷pp.59-60
- ^ 菊池誠 (2005年5月21日). “グリセリンの結晶”. kikulog. 2010年8月24日閲覧。
グリセリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 14:00 UTC 版)
蛍光観察で自己蛍光を極端に嫌う場合、グリセリンを用いる。屈折率1.47・専用のグリセリン浸レンズを用いる。
※この「グリセリン」の解説は、「液浸」の解説の一部です。
「グリセリン」を含む「液浸」の記事については、「液浸」の概要を参照ください。
グリセリン
出典:『Wiktionary』 (2021/07/22 23:10 UTC 版)
名詞
グリセリン
発音(?)
- ぐ↗りせりん
類義語
翻訳
「グリセリン」の例文・使い方・用例・文例
- ニトログリセリンを医学用に用いる
- ニトログリセリンは、グリセリンを硝酸処理することによって得られる
- グリセリンゼラチンは多くの軟膏にベースとして使用される
- ニトログリセリンを持つ綿火薬の混合
- アセトンで溶解され、乾かされ、茶色のコードで押出加工された起爆性粉(ニトログリセリン、綿火薬およびワセリン)
- 木材パルプに浸したニトログリセリンに感応する硝酸エステルを含む爆薬
- ニトログリセリンが木材パルプの基とナトリウムまたは硝酸カリウムにおいて吸収されるダイナマイトのタイプ
- 狭心症の治療の冠状血管拡張神経として使用されるニトログリセリンの商品名
- 酢酸とグリセリンが一緒に加熱されるとき形成される3つの液体酢酸塩のいずれも
- ゼラチン、グリセリン、水からできるゼラチン質の製剤
- 組織学で標本を取り付けるのに使用されるグリセリンとゼラチンの化合物
- グリセリンに含まれる物質を混ぜて作られる薬品
- グリセリンとグリセリンゼラチンから作られる薬用の皮膚製剤
- ニトログリセリンを基材とした爆薬
- グリセリンという三価アルコール
- ニトログリセリンという化合物
グリセリンと同じ種類の言葉
- グリセリンのページへのリンク