ジエチルエーテルとは? わかりやすく解説

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ジエチル‐エーテル【diethyl ether】

読み方:じえちるえーてる

エチルエーテルのこと。


ジエチルエーテル

分子式C4H10O
その他の名称エーテル酸化エチル麻酔エーテルエチルエーテル、エトキシエタン、EtherEthyl etherEthyl oxide、Ethoxyethane、Diethyl etherAnesthetic ether、1,1'-Oxybisethane、Solvent ether、RCRA waste number U-117、Diethyl oxide、Anaesthetic etherAether溶剤エーテル、ジエチルオキシド、プロナルコール、Anesthesia ether、Pronarcol、1-Ethoxyethane
体系名:1,1'-オキシビスエタン、ジエチルエーテル、1-エトキシエタン


物質名
ジエチルエーテル
化学式
CH3CH2OCH2CH3
融点(℃)
-116.3
沸点(℃)
34.5

エーテル代表的な物質。ジエチルエーテルを指して単にエーテル呼び場合もある。揮発しやすく、引火発火しやすい。空気晒しておくと自然に燃え上がる恐れもある。主に溶剤などに用いられる。また麻酔剤としても用いられていた。

ジエチルエーテル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/11 08:45 UTC 版)

ジエチルエーテル
Skeletal formula
Ball-and-stick model
Sample of diethyl ether
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
バイルシュタイン 1696894
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.000.425
EC番号
  • 200-467-2
Gmelin参照 25444
KEGG
PubChem CID
RTECS number
  • KI5775000
UNII
国連/北米番号 1155
CompTox Dashboard (EPA)
性質
C4H10O
モル質量 74.123 g·mol−1
外観 無色の液体
匂い ドライラムのような甘い香り[1]
密度 0.7134 g/cm3, 液体
融点 −116.3 °C (−177.3 °F; 156.8 K)
沸点 34.6 °C (94.3 °F; 307.8 K)[3]
6.05 g/(100 mL)[2]
log POW 0.98
蒸気圧 440 mmHg (58.66 kPa) at 20 °C[1]
磁化率 −55.1·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD) 1.353 (20 °C)
粘度 0.224 cP (25 °C)
構造
1.15 D (気体)
熱化学
標準定圧モル比熱, Cp 172.5 J/(mol·K)
標準モルエントロピー S 253.5 J/(mol·K)
標準生成熱 fH298)
−271.2 ± 1.9 kJ/mol
標準燃焼熱 ΔcHo −2732.1 ± 1.9 kJ/mol
薬理学
N01AA01 (WHO)
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
可燃性が非常に高い、皮膚に有害、空気中と光により爆発性の過酸化物に分解する[1]
GHS表示:
Danger
H224, H302, H336
P210, P233, P240, P241, P242, P243, P261, P264, P270, P271, P280, P301+P312, P303+P361+P353, P304+P340, P312, P330, P370+P378, P403+P233, P403+P235, P405, P501
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
Health 2: Intense or continued but not chronic exposure could cause temporary incapacitation or possible residual injury. E.g. chloroformFlammability 4: Will rapidly or completely vaporize at normal atmospheric pressure and temperature, or is readily dispersed in air and will burn readily. Flash point below 23 °C (73 °F). E.g. propaneInstability 1: Normally stable, but can become unstable at elevated temperatures and pressures. E.g. calciumSpecial hazards (white): no code
2
4
1
引火点 −45 °C (−49 °F; 228 K)[6]
160 °C (320 °F; 433 K)[6]
爆発限界 1.9 – 48.0%[4]
致死量または濃度 (LD, LC)
73,000 ppm (ラット, 2時間)
6500 ppm (マウス, 1.65時間)[5]
LCLo (最低致死濃度)
106,000 ppm (ウサギ)
76,000 ppm (イヌ)[5]
NIOSH(米国の健康曝露限度):
PEL
TWA 400 ppm (1200 mg/m3)[1]
REL
No established REL[1]
IDLH
1900 ppm[1]
安全データシート (SDS) External MSDS
関連する物質
関連するエーテル
関連物質
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
 verify (what is  N ?)

ジエチルエーテル: diethyl ether)とは、エチル基とエチル基がエーテル結合した分子構造をしている有機化合物である。密度は0.708 g/cm3。特徴的な甘い臭気を持つ、無色透明の液体である。単にエーテルというときはこのジエチルエーテルのことを指す場合が多い。エチルエーテルとも呼ばれる。溶媒や燃料として使われる。かつては吸入麻酔薬としても使われた。

利用

有機溶媒

溶媒抽出法に用いられる。にやや溶けやすく、オクタノール/水分配係数は0.89。比重が水より小さいため、有機層は水層の上に位置する。グリニャール反応などの有機金属化学溶剤としてもよく使われる。またアセチルセルロースなどの合成に使われる。

麻酔薬

有害性が問題視されたクロロホルムに替わる吸入麻酔薬として、医療用麻酔に用いられた。

特徴として、導入(意識を失うまでの所要時間)が遅く、筋弛緩作用が強く、呼吸器循環系への抑制作用は弱く、また7 - 10 %の気体濃度で使用するため酸素欠乏に陥りにくい[7]。 さらに、麻酔深度の調節全域(マージン)が極めて広く、致死量が高いことから、導入に他の麻酔薬を適用し、維持麻酔薬として使う手法が確立されていた。

しかし、極めて引火点が低く、低い誘電率から静電気を帯びやすいため、密閉され電子機器が並ぶ近代的な手術室ではガス爆発リスクが高く、先進国では使用されなくなっている。発展途上国では現在も維持麻酔薬の主流であるが、新興国では手術室の改善が先行したがゆえの爆発死亡事故が複数生じている[要出典]

副作用としては、刺激性が強いための原因となり、唾液腺気管支を刺激して多量に唾液などの分泌物を分泌させることがあり、吸引の準備が一般的である。

燃料

ジエチルエーテルは発火点が低く(160 ℃)、セタン価が85 - 96と高いことから、ディーゼルエンジンの燃焼助剤として利用できる。

飲用

19世紀から20世紀初頭にかけて、エタノールの代替品としてエーテルの飲用が行われることがあった。飲用の効果はエタノールとよく似ており、始めは上機嫌になり、そのうち酩酊して眠ってしまう。特にアイルランドでは禁酒運動家がエタノールの代替として許容されると考えたために大流行したが、ロシアフランスなどでも流行していた。アメリカ合衆国では、エタノールよりも害が少ないと考えられ、医師の会合から結婚式や裁縫会に至るまで幅広く飲まれていた[8]

実際にはエタノールの数倍程度の経口毒性があり、ヒトにおける最小致死量は260 mg/kgである。

ポーランドでは、湯で割って、少量の砂糖蜂蜜シナモンクローブなどを加えて飲まれた。鉱夫らはコーヒーラズベリージュースに加えて飲んでいた。ストレートで少しずつ飲むのは、効きが良いが危険な方法である。エーテルは体温沸騰するためしゃっくりを引き起こし、極端な場合にはが破裂することもあった[9]

合成

ジエチルエーテルは酸を触媒としてエタノール脱水縮合で合成できる。エタノールを硫酸のような強酸と混ぜると、酸が解離してヒドロニウムイオンが生じる。 これがエタノールの酸素原子プロトン化することで、エタノール分子は正電荷を持つ。

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