静脈麻酔薬
静脈麻酔薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 08:58 UTC 版)
チオペンタール(ラボナール)/チアミラール(イソゾール) バルビツール系静脈麻酔薬。アメリカでは2009年に生産中止。小児にも成人にも使用可能である。重度の喘息には禁忌と添付文書に記載されている。 プロポフォール(ディプリバン、プロポフォールマルイシ) 肝臓での代謝が早く、麻酔の導入にも維持にも好んで用いられるもっとも主流の全身麻酔薬である。疼痛効果がなく、フェンタニルなどの麻薬鎮痛薬や硬膜外麻酔などの局所麻酔と併用する。小児に対する麻酔目的での使用は禁忌ではないが、避けられる傾向にある。これは集中治療分野で、長期間鎮静のために投与された患者にPropofol Infusion Syndromeという重篤な病態が発生した報告があるためである。 ミダゾラム(ドルミカム) 短時間作用性のベンゾジアゼピン。循環抑制が軽く、重症患者の麻酔導入や、麻酔前投薬にも用いられる。 ケタミン(ケタラール) 解離性麻酔薬と呼ばれる。視床、大脳新皮質は抑制するが、大脳辺縁系を賦活する。血圧上昇、頻脈などを起こす。そのため、呼吸抑制による死亡は生じない。体性痛を非常によく抑え、熱傷の疼痛除去でも好んで用いられる。近年、日本では麻薬に指定され、法的な取り締まり対象となったが、薬理学的には麻薬(オピオイド)ではない。
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