グリセオフルビンとは? わかりやすく解説

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グリセオフルビン

分子式C17H17ClO6
その他の名称フルシン、ラモリル、ポンシル、フルビシン、グリソビン、ネオフルシン、グリサクチン、グリフルビン、スピロスルビン、スピロフルビン、スポロフルビン、ネオ-フルシン、グリス-PEG、グリセオフルビン、フルビシン-P/G、フルビシン-U/F、カーリングファクター、(+)-グリセオフルビン、Fulcin、Poncyl、Lamoryl、Fulvicin、Gris-PEG、Grisovin、Grifulvin、Grisactin、Neo-Fulcin、Spirofulvin、Sporofulvin、Fulvicin-P/G、Fulvisin-U/F、GriseofulvinCurling factor、(2S,6'R)-7-Chloro-2',4,6-trimethoxy-6'-methylspiro[benzofuran-2(3H),1'-[2]cyclohexene]-3,4'-dione、(+)-Griseofulvin、[2S,6'R,(+)]-7-Chloro-2',4,6-trimethoxy-6'-methylspiro[benzofuran-2(3H),1'-[2]cyclohexene]-3,4'-dione、d-グリセオフルビン、d-Griseofulvin、(1'S-トランス)-7-クロロ-2',4,6-トリメトキシ-6'-メチルスピロ[ベンゾフラン-2(3H),1'-シクロヘキサ-2'-エン]-3,4'-ジオン、グリセオフルビンSGGriseofulvin SG、グリセチンV、Grisetin V、ポンシルFP、Poncyl-FP
体系名:[2S,6'R,(+)]-7-クロロ-2',4,6-トリメトキシ-6'-メチルスピロ[ベンゾフラン-2(3H),1'-[2]シクロヘキセン]-3,4'-ジオン、(2S,6'R)-7-クロロ-2',4,6-トリメトキシ-6'-メチルスピロ[ベンゾフラン-2(3H),1'-[2]シクロヘキセン]-3,4'-ジオン


グリセオフルビン [Griseofulvin]

 真菌1種Penicillium griseofulvumの菌体から得られる真菌抗生物質。この物質真菌成長菌糸曲げて、その発育抑制する作用がある。また、構造決定のあと全合成もされたが発酵製造されている。この物質経口投与によって皮膚真菌症に有効であることが認められ、おもに真菌症水虫、たむしの内服剤として広く用いられている。その作用真菌細胞壁含まれるキチン生合成阻害する考えられている。

グリセオフルビン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/21 23:46 UTC 版)

グリセオフルビン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
投与経路 経口
薬物動態データ
生物学的利用能 25 - 70%
代謝
半減期 9-21 時間
排泄 排泄
識別
CAS番号
126-07-8
ATCコード D01AA08 (WHO) D01BA01 (WHO)
PubChem CID: 441140
DrugBank APRD01004
ChemSpider 389934
KEGG D00209
化学的データ
化学式 C17H17ClO6
分子量 352.766
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グリセオフルビン(Griseofulvin)は抗真菌薬の一つで、アオカビの一種Penicillium griseofulvum から得られる[1]。主として経口用に用いられる。分子式C17H17ClO6CAS登録番号[126-07-8]。グリセチンは2008年に日本で販売終了。

作用機序

作用機構としては、真菌微小管に結合して脱重合を阻害し、有糸分裂を阻害する。これとは別に、体内で合成中のケラチンに結合する特徴があるため、皮膚毛髪における真菌の生育(爪水虫等)を治療する効果が高い。真菌のうちTrichophytonMicrosporumEpidermophyton などには抗菌スペクトルを示すが、Phytophthora などの藻菌類SaccharomycesCandida などの酵母AspergillusPenicillium などの糸状菌には抗菌作用を示さない[2]

副作用

副作用として頭痛、めまいなどがあり、また肝障害のある場合は禁忌とされる。動物試験で催奇形性が指摘されているため、妊娠・授乳中の使用も認められない。動物の微小管にも影響を与えうるので、発癌性の可能性も指摘される(IARC発がん性リスク一覧ではGroup2B(人に対する発がん性が疑われる)とされる)。

歴史

グリセオフルビンは、1939年ロンドン大学の Oxford らによって発見された。1946年、Brian らによって Penicillium janczewskii から真菌に異常をきたす物質 curling factor が単離されるが、翌年 Grove らによってグリセオフルビンと同定された[1]。日本においては日本化薬が経口製剤化し、1962年に製造承認を取得し[1][3]、「グリセチンV錠」の名称で販売を開始した。

しかし、副作用の問題やテルビナフィンなどの新薬の登場、薬価が一錠約11円と非常に低かったこと、そして日本に原材料が輸入されなくなったため、2008年12月をもって日本では製造販売を終了し、処方されていない[4]。ただし世界では処方されている。

脚注

  1. ^ a b c 日本化薬、p1
  2. ^ 日本化薬、p8
  3. ^ 日本化薬、p21
  4. ^ 爪白癬パルス療法の謎

参考文献


「グリセオフルビン」の例文・使い方・用例・文例

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