投与経路とは? わかりやすく解説

投与経路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/10 14:31 UTC 版)

投与経路(とうよけいろ)とは薬理学毒性学において薬物毒物その他の化合物を体内に送り込むための方法と経路を指す[注釈 1]。与えられた物質は、体内に導入された場所からその機能が発現する特定の部位へと輸送されなければならない(このことは、たとえ角質層を通した皮膚内部への単なる浸潤だったとしても言えることである)。しかしながら生体の輸送機構を用いて薬物を輸送することはそれほど単純なことではない。吸収、分布代謝排泄 (ADME) のプロセスに関連する薬物の薬物動態学的性質は投与経路に大きく影響をうける。


注釈

  1. ^ 毒性学においては「暴露」の方がより適切な用語であるが、意図的に与える場合は「投与」が用いられうる。
  2. ^ アメリカ食品医薬品局は111の異なる投与経路を定義している。routes of administration. (https://www.fda.gov/cder/dsm/DRG/drg00301.htm、リンク切れ) よって本項目上のリストは全ての投与経路を網羅しているわけではない。
  3. ^ 局所投与の項で挙げた皮膚上投与とは目的が異なる。皮膚上投与では薬物の皮膚そのものに対する作用が期待されるが、経皮投与では皮膚を通して吸収された薬物が血液循環系に入って全身に作用することを期待している。英語では前者がepicutaneous、後者がtransdermalと区別される。
  4. ^ 局所投与の項で挙げた吸入投与とは目的が異なる。局所投与では薬物の気道、肺そのものに対する作用が期待されるが、非経口投与では肺を通して吸収された薬物が血液循環系に入って全身に作用することを期待している。
  5. ^ 日本においては適応外使用である。

出典

  1. ^ バッカル剤とは | 製薬業界 用語辞典 | Answers(アンサーズ)”. 製薬業界の転職サイト Answers(アンサーズ). 2024年2月1日閲覧。
  2. ^ Meissner, Winfried; Schmidt, Uta; Hartmann, Michael; Kath, Roland; Reinhart, Konrad (2000-01-01). “Oral naloxone reverses opioid-associated constipation” (英語). PAIN 84 (1): 105. doi:10.1016/S0304-3959(99)00185-2. ISSN 0304-3959. https://journals.lww.com/pain/Abstract/2000/01010/Oral_naloxone_reverses_opioid_associated.13.aspx. 
  3. ^ Devillers, G. (2003). “Exploring a pharmaceutical market niche & trends: nasal spray drug delivery”. Drug Delivery Technology 3 (3): 48. 


「投与経路」の続きの解説一覧

投与経路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 06:43 UTC 版)

薬物動態学」の記事における「投与経路」の解説

薬物目的により様々な経路から投与される。投与経路(route of administration)により吸収速度分解有無などが異なる。投与経路は大きく分けて経口投与非経口投与分けられる。また薬物全身作用することを目的とする場合全身投与(systemic administration)といい、限局された部位のみに作用することを目的とする場合局所投与(local administraton)という。

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投与経路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 02:22 UTC 版)

開心術」の記事における「投与経路」の解説

心筋保護液は、順行性にも逆行性にも投与出来る。実際に順行性投与逆行性投与様々な形組み合わせて使用することが多い。 順行性投与 冠動脈経由心筋投与される通常大動脈遮断の後に大動脈基部挿入したカニューレから投与する。ただし大動脈弁閉鎖不全症があると有効に投与出来ないその場合、左右冠動脈直接注入する方法がある)。 逆行性投与 順行性投与補助として、もしくは主たる投与経路として用いる。右房切開し、冠静脈洞経由で冠静脈投与し心筋到達する逆行性投与がその利点発揮するのは主に弁膜症手術である。例え大動脈弁置換術では、手術操作中止して個々冠動脈開口部にカニュレーションすることなく繰り返し投与出来る。

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投与経路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/18 00:11 UTC 版)

メロペネム」の記事における「投与経路」の解説

メロペネムは、白色結晶性粉末として静脈内投与され、5% 一塩基性リン酸カリウム溶液溶解する腎機能変化血液ろ過のために、投与量調整する必要がある。 他のβ-ラクタム系抗生物質同様に治療の有効性は、メロペネム濃度感染引き起こす細菌最小阻害濃度(MIC)を超える時間依存するメロペネムを含むβ-ラクタム系抗生物質場合持続的な静脈内投与は、感染重度の人、または緑膿菌などのメロペネム対す感受性が低い細菌へのボーラス静脈内注入よりも死亡率が低いことに関連している。

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投与経路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/01 01:05 UTC 版)

経管栄養」の記事における「投与経路」の解説

初め経鼻胃管から投与することが多い。しかし経鼻胃管には再挿入時の誤嚥や、長期挿入での副鼻腔炎と言ったリスク存在するため、長期渡って本法必要な場合には胃瘻十二指腸瘻を造設する。

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投与経路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 21:45 UTC 版)

抗生物質」の記事における「投与経路」の解説

抗生物質様々な投与経路を持つ。通常経口投与されることが多いが、全身感染症場合などで点滴注射によって投与されることもある。感染部位露出しているような場合抗生物質局所投与されることもあり、例え結膜炎の際には結膜に対して目薬として、急性の外耳炎場合には点耳薬として投与されるまた、ニキビ蜂巣炎のような皮膚疾患治療には外用薬として抗生物質用いられることがある局所投与利点抗生物質投与部位における濃度高く長く保つことができる点などにある。これにより全身的な吸収毒性抑え抗生物質投与量減少しそれゆえ乱用恐れ減ずることができる。手術創に対す抗生物質局所投与は、術創感染リスク軽減する報告されてきた。しかしながら抗生物質局所投与に対して一般的に懸念材料存在する抗生物質吸収され全身移行する可能性もあり、その場合には抗生物質投与量正確な調節が困難となる。また、局所性過敏反応や、接触性皮膚炎生じ可能性もある。

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投与経路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 07:38 UTC 版)

アムホテリシンB」の記事における「投与経路」の解説

経口投与による吸収はほとんど認められないため、肺真菌症真菌性髄膜炎といった病態では、注射薬として使用する。ただし消化管の真菌感染症限って内服投与される。特に食道カンジダ口腔カンジダ症には、病巣直接付着して作用するシロップ剤内服薬用いられる(ファンギゾンシロップなど)。

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投与経路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/23 03:06 UTC 版)

ダウノルビシン」の記事における「投与経路」の解説

投与法は急速静脈注射または点滴静脈注射である。広範な組織壊死引き起こす可能性がある為、筋肉内や皮下投与してならないまた、神経系大きな損傷与えて死に至る可能性がある為、髄腔内(脊柱管内)に投与してならないダウノルビシンは、網膜剥離手術後の一般的な合併症である増殖性硝子体網膜症予防する目的硝子体内(眼内)に使用されことがあるが、有効性認められておらず、現時点では他の眼科領域では使用されていない

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投与経路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 04:32 UTC 版)

投与方法」の記事における「投与経路」の解説

詳細は「投与経路」を参照 主に経口投与非経口投与分けられる

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