初回通過効果とは? わかりやすく解説

初回通過効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 18:50 UTC 版)

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肝門脈系

初回通過効果英語: First pass effect)とは、薬物動態学において摂取された薬剤が、投与された部位から全身へ送られる際に肝臓などで代謝される過程のことを指す。薬剤によっては腸管壁を通過する際にその一部が代謝される。この代謝と初回通過効果を合わせて体循環消失と呼ぶ。

意義

初回通過効果は、その代謝が薬物を不活性体に変換する場合を指すことが一般的であり、ほとんどの薬物は(この意味での)初回通過効果を受ける。十二指腸空腸回腸盲腸上行結腸、横行結腸、下行結腸、S字結腸、直腸上部で吸収された薬物は門脈を経て肝臓において初回通過効果を受ける。

薬物の不活性化

薬物の中には経口的に摂取しても肝臓における初回通過効果による不活性化(多くは水酸化などの酸化反応による水溶性の増大)により、その薬物の作用が弱くなったり、あるいは消失してしまうことがある。 初回通過効果による不活性化が強く起こる医薬品の投与では、生物学的利用率が著しく低下してしまうため、肝における薬物代謝酵素の阻害薬と併用することがある。

また、これらの薬物を服用している者が、肝臓疾患を患っている場合など、肝臓での代謝が遅いとき、薬物の血中濃度が非常に高くなる。

薬物の活性化

薬物の中には時として、代謝により活性が増強されるもの(代謝活性化)、あるいは代謝産物も依然として同程度の活性を持つものがある。これらの薬物では、経口摂取における生物学的利用率が比較的高くなる。

関連項目


初回通過効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 06:43 UTC 版)

薬物動態学」の記事における「初回通過効果」の解説

経口投与した薬物小腸上部吸収され門脈に入る。その場合は消化管粘膜の上細胞において代謝される場合がある。さらに門脈血から肝臓入った薬物一部肝臓により代謝受けたり排泄されたりする。このように薬物全身循環血に移行する過程でおこる消失代謝排泄)のことを初回通過効果(first-pass effect)という。 消化管上皮の薬物代謝酵素発現量は肝臓よりも低く血流量も少ないため、全身クリアランスへの関与少ない。しかし薬物経口投与される場合消化管吸収され薬物消化管粘膜通過する消化管上皮には主としてCYP3A分子種が発現しているので上皮細胞内に吸収されCYP3A基質薬物上皮内一部代謝を受け代謝免れた薬物門脈移行する門脈移行した薬物肝臓でさらに代謝を受ける。つまり、経口投与された薬物消化管粘膜肝臓2段階の代謝を受ける

※この「初回通過効果」の解説は、「薬物動態学」の解説の一部です。
「初回通過効果」を含む「薬物動態学」の記事については、「薬物動態学」の概要を参照ください。

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