窒素酸化物(NOx)
一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)が主なものです。これらは,石油,石炭の燃焼に伴って発生し,工場,ビル,自動車などから排出されます。窒素酸化物は,高温燃焼の過程でまずNOのかたちで生成され,これが大気中に放出されたあと酸素と結びついてNO2となります。この反応はすぐには起こらないので,大気中にはNOとNO2とが共存しています。窒素酸化物は燃焼状態が良好なとき,効率よく燃焼しているとき多く発生するので,その対策が問題になっています。現在行われている対策は燃焼ガスをもう一度燃焼室へ戻して燃焼温度を低下させたり水噴射を行う方法等がとられています。
主な発生源は,自動車エンジン,ボイラー,工場,家庭暖房など広範囲にわたっています。
NO2に係る環境基準…1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。
窒素酸化物(NOx) (ちっそさんかぶつ)
窒素酸化物は人の健康に影響を与える。また、窒素酸化物は紫外線により炭化水素と光化学反応を起こし、オゾンなど光化学オキシダントを生成する。二酸化窒素は水に難溶性のため呼吸時に深部の肺胞に達し、呼吸器系炎症を起こす。
窒素酸化物
【英】: nitrogen oxides
同義語: ノックス
略語: NOx
燃料が高温で燃焼すると一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(NO2)などの窒素酸化物が発生する。窒素酸化物は一般に NOx とも呼ばれるが、工場、ビルなどの固定発生源のほか、自動車などの移動発生源からも排出される。また、窒素酸化物は燃焼の過程で、まず NO の形で生成され、これが大気中に放出された後、酸素と結合し NO2 になる。この反応はすぐには起こらないので、大気中では NO と NO2 とが共存している。NO は無色・無臭であるが、NO2 は赤褐色で、高濃度の場合には眼を刺激したり、呼吸器に急性のぜん息性の症状をひき起こすなど有害である。しかし、一般の生活環境では NOx の濃度はかなり低いが、光化学スモッグなどとも関連するといわれており、また、窒素酸化物としては燃焼自体によって空気中の窒素が酸化されて発生するサーマル NOx と、燃料中に含まれている微量の窒素酸化物が燃焼(酸化)されて発生するフューエル NOx とがある。 NOx は燃焼状態が良好なときや、効率良く燃焼しているときに多く発生する傾向があるので、その対策が問題になる。 |

窒素酸化物
窒素酸化物
(NOx から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/19 08:45 UTC 版)
窒素酸化物(ちっそさんかぶつ、nitrogen oxides) は窒素の酸化物の総称。
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- ^ a b 田林雄、山室真澄:大気降下窒素が渓流水に流出する過程 地学雑誌 Vol.121 (2012) No.3 p.411-420
- ^ 石井邦彦 『アカタラセミアマウスに一酸化窒素,二酸化窒素曝露時のメトヘモグロビン生成』、1989年2月28日。doi:10.4044/joma1947.101.5-6_473。
- ^ ヘモグロビン
- ^ https://www.nies.go.jp/kanko/news/8/8-4/8-4-06.html 国立環境研究所
- ^ http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2007/2007_05_0005.pdf
- ^ Nitrous Oxide (N2O): The Dominant Ozone-Depleting Substance Emitted in the 21st Century A. R. Ravishankara, John S. Daniel, Robert W. Portmann論文へのリンク
- 1 窒素酸化物とは
- 2 窒素酸化物の概要
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Nox
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