気管支炎
気管支炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/04 15:39 UTC 版)
気管支炎 | |
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概要 | |
診療科 | 感染症、呼吸llppppppp |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | J20-J21, J42 |
ICD-9-CM | 466, 491, 490 |
DiseasesDB | 29135 |
MedlinePlus | 001087 |
eMedicine | article/807035 article/297108 |
MeSH | D001991 |


気管支炎(きかんしえん、羅: 独: 英: 蘭: bronchitis)は、呼吸器疾患の一つで気管支の炎症を指す。急性と慢性に区分される。また、別の区分では慢性気管支炎は閉塞性肺疾患にも分類される(気道の狭窄症状、肺の過膨張、喘鳴、呼気延長、1秒率の低下、残気量の増加等)。自身の喫煙や周りの人間による受動喫煙の健康被害により、症状が悪化したり慢性化したりする悪影響がある。
急性気管支炎
急性気管支炎とは、咳を主な症状とする3週間までの気管支炎症を指す[1][2]。原因の90%はウイルス感染症である[2]。
原因
症状
先駆症状として風邪症状があらわれ、次第に咳や痰等の急性上気道カタル症状を呈する。発熱(軽度)、全身倦怠感、頭が重い等の症状を併発することも多い。また、激しい咳が出る場合は腹部の筋肉痛を訴えることもある。
検査
ただし、胸部X線に異常所見は見られない。
治療
- 去痰剤による痰の除去
- 鎮咳剤による咳の沈静化
抗生物質の使用は一般的には勧められず、これが効果がないことのエビデンスは、各種試験にて40年間積み重ねられてきた[1]。 米国CDCは処方量を減らそうと15年間キャンペーンを実施しており[1]、 米国品質保証委員会(NCQA)によるHEDISにおいては2005年から「処方をゼロにすべき」と勧告している[1]。
NICEは抗生物質の処方を控える,もしくは遅らせるべき患者として以下を挙げ、またそれらの平均罹患期間を示している[3]
しかしながら米国では1996-2010年の間において、60-80%の水準にて抗生物質が処方されている[1]。
慢性気管支炎
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痰・咳が2年以上連続し、毎年3ヶ月以上継続するものを指す。慢性閉塞性肺疾患(COPD)に含まれる。ただし肺結核、肺化膿症、気管支喘息、気管支拡張症等の肺・心疾患を伴うものは除外する。また男性に多く、冬期に増加する傾向がある。進行そのものは緩慢で適切な治療を行えば問題はないが、放置すると肺性心へ進行することも多いので注意が必要である。
原因
症状
検査
治療
- 原因の除去として、転地・転職(大気汚染、職場汚染の回避)や禁煙を行う。
- ネブライザー吸入療法や体位ドレナージによる気道の浄化を行う。ネブライザーの吸入薬剤としては喀痰溶解剤、気管支拡張剤、抗生物質、副腎皮質ステロイド剤等を用いる。
- 起因菌に有効な薬剤(抗生物質等)の投与。
全般的な呼吸不全の対策として、酸素吸入や人工呼吸、強心利尿剤等の投与を必要とする。
脚注
- ^ a b c d e Barnett, Michael L.; Linder, Jeffrey A. (2014). “Antibiotic Prescribing for Adults With Acute Bronchitis in the United States, 1996-2010”. JAMA 311 (19): 2020. doi:10.1001/jama.2013.286141. ISSN 0098-7484.
- ^ a b Albert, RH (1 December 2010). “Diagnosis and treatment of acute bronchitis.”. American family physician 82 (11): 1345–50. PMID 21121518.
- ^ a b c d CG69: Respiratory tract infections (self-limiting): prescribing antibiotics (Report). 英国国立医療技術評価機構. July 2008.
関連項目
気管支炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/25 02:19 UTC 版)
詳細は「気管支炎」を参照 日常臨床では発熱、咳嗽はあるものの肺炎ではないものを気管支炎という。しかしこの定義は極めて曖昧である。90%がウイルス性であると言われているが、前述の臨床的な定義では診断が緩すぎるという指摘もあり論争中である。実際、気管支炎の診断でもグラム染色で細菌が検出されることも多く判断が難しい。重症例や免疫不全者、合併症がある場合は抗菌薬の投与がされる場合がある。胸部X線写真での浸潤影が遅れて出現することもあり、肺炎との区別が難しい。 急性気管支炎の自然回復日数は平均3週間。フォローアップが必要だが、ほとんどがウイルス性で抗菌薬不要と考えるとマイコプラズマ肺炎の診断を重視することになる。空咳、若年者といった所見がよりマイコプラズマらしいので患者に希望があれば、ジスロマックといったマクロライド系の抗菌薬やミノマイシンを処方する。高齢者の場合が診断が難しいので第3世代セフェムとクラリシッドといったマクロライド系抗菌薬を併用する。結核の見逃しをふせぐためニューキノロンは使用しない方が無難である。
※この「気管支炎」の解説は、「気道感染」の解説の一部です。
「気管支炎」を含む「気道感染」の記事については、「気道感染」の概要を参照ください。
「気管支炎」の例文・使い方・用例・文例
- 彼の気管支炎は治った
- 気管支炎
- アジスロマイシンは気管支炎と肺炎の治療に有効である。
- その病状は慢性気管支炎といわれている。
- あなたは気管支炎が完全に治りましたか?
- 風邪をひくとよく気管支炎になります。
- 上部呼吸器感染(一般的なかぜを引き起こすウイルスと気管支炎を含む)
- 組織培養でシンシチウムを形成し、(特に子供の)気管支炎や気管支肺炎などの深刻な呼吸器系疾患を引き起こすパラミクソウイルス
- 気管支炎に苦しむか、またはその傾向がある
- 気管支喘息、肺気腫、および気管支炎の気管支拡張剤として治療に使用されるテオフィリン誘導体
- 慢性の咳と通気の阻害を導く過剰な痰の生成によって特徴づけられる気管支炎の形態
- 気腫と慢性気管支炎の組合せである付加逆性の肺疾患
- 気道が詰まっているときに、聴診器で聞こえる異常に甲高い音の存在(喘息や慢性気管支炎でのように)
- 気管支炎という,気管支が炎症を起こす病気
気管支炎と同じ種類の言葉
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