アジスロマイシン
分子式: | C38H72N2O12 |
その他の名称: | アジトロマイシン、アジスロマイシン、XZ-405、CP-62993、Azithromycin、(2R,3S,4R,5R,8R,10R,11R,12S,13S,14R)-13-[(3-C-Methyl-3-O-methyl-2,6-dideoxy-α-L-ribo-hexopyranosyl)oxy]-2-ethyl-3,4,10-trihydroxy-3,5,6,8,10,12,14-heptamethyl-11-[[3-(dimethylamino)-3,4,6-trideoxy-β-D-xylo-hexopyranosyl]oxy]-1-oxa-6-azacyclopentadecan-15-one、アジスロマイシンA、Azithromycin A |
体系名: | (2R,3S,4R,5R,8R,10R,11R,12S,13S,14R)-13-[(3,3-O-ジメチル-2,6-ジデオキシ-α-L-ribo-ヘキソピラノシル)オキシ]-2-エチル-3,4,10-トリヒドロキシ-3,5,6,8,10,12,14-ヘプタメチル-11-[[3-(ジメチルアミノ)-3,4,6-トリデオキシ-β-D-xylo-ヘキソピラノシル]オキシ]-1-オキサ-6-アザシクロペンタデカン-15-オン、9-デオキソ-9a-メチル-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシン、(2R,3S,4R,5R,8R,10R,11R,12S,13S,14R)-13-[(3-C-メチル-3-O-メチル-2,6-ジデオキシ-α-L-ribo-ヘキソピラノシル)オキシ]-2-エチル-3,4,10-トリヒドロキシ-3,5,6,8,10,12,14-ヘプタメチル-11-[[3-(ジメチルアミノ)-3,4,6-トリデオキシ-β-D-xylo-ヘキソピラノシル]オキシ]-1-オキサ-6-アザシクロペンタデカン-15-オン |
アジスロマイシン
【概要】 マクロライド系抗生物質の一般名。発売はファイザー製薬で商品名はジスロマック。1錠は250mg。感染病巣の炎症細胞内に取りこまれ、組織中半減期が36時間と長いので、服用間隔が長くてよい。クラリスロマイシンなどに比べて薬物相互作用が少ないので使いやすい。
【効能】 多くの市中気道感染症の原因であるグラム陽性菌、嫌気性菌、マイコプラズマ、クラミジア、インフルエンザ菌に対し、1日1回3日間の使用で優れた臨床効果を発揮する。エイズでは非定型抗酸菌(MAC)やトキソプラズマ脳症、ミクロスポリジウム症に対しても有効である。アメリカではMACの一次予防には、1200mgを週に1回内服。
【副作用】 従来のマクロライド系抗菌薬と同等かあるいは少ない。悪心、下痢、ふらふら感、日光過敏症、膣カンジダ症の誘導などがある。
《参照》 抗生物質、 非定型抗酸菌症、 クリプトスポリジウム症、 トキソプラズマ

アジスロマイシン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 21:18 UTC 版)
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臨床データ | |
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胎児危険度分類 | |
法的規制 | |
識別 | |
CAS番号 |
83905-01-5 |
ATCコード | J01FA10 (WHO) S01AA26 (WHO) |
PubChem | CID: 447043 |
DrugBank | DB00207 |
KEGG | D07486 |
別名 | アジトロマイシン アジスロマイシンA アウリシン XZ‐405 CP‐62993 |
化学的データ | |
化学式 | C38H72N2O12 |
分子量 | 749.00 g·mol−1 |
アジスロマイシン (INN:azithromycin、略号:AZM) とは、15員環マクロライド系抗菌薬である。
特徴
アジスロマイシンは15員環マクロライド系抗菌薬で分子量こそ785.02と、14員環マクロライド系抗菌薬と大差無いものの、一般的な14員環マクロライド系抗菌薬とは異なり、ヒトにおいて半減期が長く、長時間体内に留まる特徴がある。ヒトに500 mgを投与した場合には、半減期は68.1時間であった。これは15員環に窒素原子が入っているという構造に由来すると言われる。エリスロマイシンの14員環に、窒素を導入して15員環に変えた化合物であり、窒素が入ったためアザライド(azalide)などと呼ぶ場合もある。
一方で、アジスロマイシンにはオートファジーの阻害作用が報告されており、嚢胞性線維症患者においてはマイコバクテリア感染症の罹患リスクを向上させる可能性が指摘されている[4]。また、他のマクロライド系抗生物質でも見られるQT延長症候群について[5]、アジスロマイシンに対してもアメリカ合衆国のFDAは2013年3月12日に警告を強化した。
適応菌種
アジスロマイシンに耐性を持たない細菌に対して用いる。例えば、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、ペプトストレプトコッカス属、プレボテラ属、クラミジア属、マイコプラズマ属などに用いる。なお、同じ属の細菌であっても、耐性を有している場合には無効であるため、注意が必要である。
適応症
アジスロマイシンに感受性を有した細菌が引き起こした、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の2次感染、尿道炎、子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、HIV/AIDS患者の非結核性抗酸菌症などに用いる場合がある。
その他
軽症の呼吸器感染症に関してはアメリカ合衆国にて500 mg×3日間が有効という研究があるが、クラミジア肺炎やレジオネラ肺炎ではより長期の投与が必要ではとの意見もある。[要出典]
薬物相互作用
アジスロマイシンを経口投与した場合には、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムを同時に投与すると、アジスロマイシンの吸収が阻害され、アジスロマイシンの最高血中濃度低下が起こる[6]。
また、アジスロマイシンも他のマクロライド系抗菌薬と同様にCYP3A4を阻害するため、薬物相互作用を生じる。つまり、CYP3A4で代謝される薬物の代謝を遅らせて、その薬物の残留時間を長くする可能性が考えられる。特にアジスロマイシンは半減期が長いため、影響が長く残る可能性が有る。
ドラマでの引用
ドラマ「アンサング・シンデレラ」第4回では、アジスロマイシンを12歳の体重換算だと300 mg程度が適切と思われる小児患者に対して、医師が500 mgを処方しており、過剰投与で耳鳴りや下痢を引き起こす可能性が有るのではないかと疑義照会をするシーンに引用されていた[7]。
出典
- ^ “ジスロマックSR:1回の服用で効果が7日間持続”. 日経メディカル. (2009年2月5日) 2019年10月11日閲覧。
- ^ ジスロマックSR成人用ドライシロップ2 g Pfizer公式インタビューフォーム
- ^ ジスロマックSR成人用ドライシロップ2g pfizer公式添付文書
- ^ Renna, Maurizio; Schaffner, Catherine; Brown, Karen; Shang, Shaobin; Tamayo, Marcela Henao; Hegyi, Krisztina; Grimsey, Neil J.; Cusens, David et al. (2011-09-01). “Azithromycin blocks autophagy and may predispose cystic fibrosis patients to mycobacterial infection” (英語). Journal of Clinical Investigation 121 (9): 3554–3563. doi:10.1172/JCI46095. ISSN 0021-9738. PMC PMC3163956. PMID 21804191 .
- ^ Ray, Murray & Hall 2012.
- ^ アジスロマイシン錠250mg「サワイ」添付文書 2018年5月改訂 (第8版)
- ^ “アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋” (日本語). フジテレビ. 2021年2月18日閲覧。
参考文献
- Ray WA; Murray KT; Hall K; Arbogast PG, Stein CM (2012). “Azithromycin and the risk of cardiovascular death”. N. Engl. J. Med. 366 (20): 1881-1890. doi:10.1056/NEJMoa1003833. PMC 3374857. PMID 22591294 .
- Geisler WM; et al. (2015). “Azithromycin versus Doxycycline for Urogenital Chlamydia trachomatis Infection”. N Engl J Med 373: 2512-2521. doi:10.1056/NEJMoa1502599.
- Bissessor M; et al. (2015). “Macrolide Resistance and Azithromycin Failure in a Mycoplasma genitalium–Infected Cohort and Response of Azithromycin Failures to Alternative Antibiotic Regimens”. Clin Infect Dis 60 (8): 1228-1236. doi:10.1093/cid/ciu1162. PMID 25537875.
外部リンク
- アジスロマイシン - J-GLOBAL
- 第十七改正日本薬局方 化学薬品等 アジスロマイシン水和物 - 第十七改正日本薬局方名称データベース 検索結果。
アジスロマイシン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 21:16 UTC 版)
「COVID-19に対する薬剤転用研究」の記事における「アジスロマイシン」の解説
抗生物質のアジスロマイシン(商品名 ジスロマックまたはアジスロシン)はヒドロキシクロロキンと併用すると上気道からのウイルス消失効果がより高い可能性があるという研究が3月20日にフランスの大学病院研究所 (I.H.U.) 地中海感染症院などの研究チームから発表された。 SARS-CoV-2は細胞内のウイルスRNA認識受容体MDA5/RIG-Iを阻害してI型インターフェロン生産を抑制することなどにより免疫応答を逃れる可能性がある。アジスロマイシンはin vitroにおいてウイルス誘発性インターフェロン産出を促すことにより抗ウイルス作用を発揮し、ライノウイルスに対して効果のあることが見つかっていた。
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