マイコプラズマとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 生物 > その他の生物 > 真正細菌 > マイコプラズマの意味・解説 

マイコプラズマ【mycoplasma】

読み方:まいこぷらずま

ウイルス細菌との中間位置する考えられる一群微生物細菌濾過器通過し細胞壁を欠く。病原性を示すものもある。


マイコプラズマ

細菌ウイルスの中間位置する微生物マイコプラズマ肺炎起こす病原体発熱としつこいせきが特徴飛沫感染する。乳幼児感染してもかぜで終わることが多く年長児が肺炎になりやすい。4~7年周期大流行する。抗生物質が有効。

マイコプラズマ [Mycoplasma,Mollicutes]

 1898年E.ノカルドとE .ルー(フランス)によってウシ肺疫の病原体として発見されその後、これに似た病原体鳥類下水からも分離されかつてはウシ肺疫様の原因微生物 (pleuro-pneumonia-like organism: PPLO)とよばれていたが、1929年にマイコプラズマの名称が提案された。その後1937年ヒトバルトリン腺から、1954年ヒトの子宮からも類似した微生物分離された。
マイコプラズマは直径125-150nm(1nmは1μmの千分の1)で、通常の細菌より微小で、インフルエンザウイルスなどのミクソウイルス群とほぼ同等大きさ生物群である。ヒト体内にも生息しているが、おもに哺乳類鳥類病原体として知られている。マイコプラズマの特性は  (1)形態細菌異なり細胞壁がなく、3層限界膜のみで覆われ多形態性である。
  (2)発育コレステロール血清を必要とする。
  (3)人工培地増殖するが、集落きわめて小さい。
  (4)細胞壁がないのでペニシリンセファロスポリン系の抗生物質無効であるが、テトラサイクリン系マクロライド抗生物質では低濃度で有効である。 一般にマイコプラズマは細菌中に含められている。

マイコプラズマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/18 07:19 UTC 版)

マイコプラズマ属
スピロプラズマ(エントモプラズマ目)の電子顕微鏡写真
分類
ドメイン : 細菌
Bacteria
: マイコプラズマ門
Mycoplasmatota
: モリクテス綱
Mollicutes
: マイコプラズマ目
Mycoplasmatales
: マイコプラズマ科
Mycoplasmataceae
: マイコプラズマ属
Mycoplasma
学名
Mycoplasma
Nowak 1929
下位分類(種)

M. adleri
M. agalactiae
M. agassizii
M. alkalescens
M. alligatoris
M. alvi
M. amphoriforme
M. anatis
M. anseris
M. arginini
M. arthritidis
M. auris
M. bovigenitalium
M. bovirhinis
M. bovis
M. bovoculi
M. buccale
M. buteonis
M. californicum
M. canadense
M. canis
M. capricolum

  • M. c. subsp. capricolum
  • M. c. subsp. capripneumoniae

M. caviae
M. cavipharyngis
M. citelli
M. cloacale
M. coccoides
M. collis
M. columbinasale
M. columbinum
M. columborale
M. conjunctivae
M. corogypsi
M. cottewii
M. cricetuli
M. crocodyli
M. cynos
M. dispar
M. edwardii
M. elephantis
M. ellychniae
M. engbaekii
M. equigenitalium
M. equirhinis
M. falconis
M. fastidiosum
M. faucium
M. felifaucium
M. feliminutum
M. felis
M. fermentans
M. flocculare
M. gallinaceum
M. gallinarum
M. gallisepticum
M. gallopavonis
M. gateae
M. genitalium
M. glycophilum
M. gypis
M. haemocanis
M. haemofelis
M. haemomuris
M. heraklionense
M. hominis
M. hyopharyngis
M. hyopneumoniae
M. hyorhinis
M. hyosynoviae
M. iguanae
M. imitans
M. indiense
M. iners
M. iowae
M. lactucae
M. lagogenitalium
M. leachii
M. leonicaptivi
M. leopharyngis
M. lipofaciens
M. lipophilum
M. longobardum
M. lucivorax
M. luminosum
M. maculosum
M. melaleucae
M. meleagridis
M. microti
M. moatsii
M. mobile
M. molare
M. mucosicanis
M. muris
M. mustelae
M. mycoides(タイプ種)

  • M. m. subsp. capri
  • M. m. subsp. mycoides

M. neophronis
M. neurolyticum
M. opalescens
M. orale
M. ovipneumoniae
M. ovis
M. oxoniensis
M. penetrans
M. phocicerebrale
M. phocidae
M. phocirhinis
M. pirum
M. pneumoniae
M. primatum
M. pullorum
M. pulmonis
M. putrefaciens
M. salivarium
M. simbae
M. somnilux
M. spermatophilum
M. spumans
M. sturni
M. sualvi
M. sualvi
M. subdolum
M. suis
M. synoviae
M. testudineum
M. testudinis
M. verecundum
M. wenyonii
M. yeatsii

マイコプラズマ(ミコプラズマ、Mycoplasma)は、マイコプラズマ目に属する微生物群。

真核生物を宿主とする寄生生物で、細胞壁をもたず、細胞やゲノムが非常に小さいという特徴をもつ。現在、124と4亜種が登録されている(2015年4月28日現在)[1]

特徴

ゲノムサイズが小さく(55万-140万塩基対程度)、記載種として最小の種を含み、細胞サイズも最小の部類(200-300nm)に入り、細菌濾過器を通過してしまう。TCA回路、脂質合成系、アミノ酸合成経路を欠損しており[2]、大半が合成培地で増殖できず、たいていの場合はステロールアミノ酸脂質核酸など多くの成長因子を必要とする。細胞壁は欠損しており、鞭毛はもたないが、適当な足場があれば滑走を起こす[3]。自然条件では、特定の真核生物(主に脊椎動物)細胞に付着して寄生し、一部は細胞侵入性を有する種も存在する[4]。ただし、実験室レベルでは栄養培地で培養可能な種もある。これらは培地で培養可能な最小の生物と位置づけられている。このように、細菌とウイルスの中間のような性質を持つのが特徴である。

学名は新ラテン語で「菌類のようなもの」という意味。当初真菌と思われたので、ギリシア語で「キノコ」を意味する μύκης (mykes、ミュケース)の語幹と、「物」を意味する πλάσμα (plasma、プラスマ)を合成して名付けられた。

分布

Mycoplasma属の多くは動物に寄生し、病原菌であるものが多い。関節症をはじめ、肺炎などの原因となる。

コンタミネーション

細胞壁をもたないので細胞の形状に可塑性があり、0.22 μmフィルターを通過する。 したがって、細胞培養に用いる培地は、濾過滅菌してもしばしばマイコプラズマによるコンタミネーション(汚染)が見られることが多い。細菌や真菌のコンタミネーションでは汚染が目視することができ、培養細胞が死に至ることが多いのでコンタミネーションの発見は容易であるのに対して、マイコプラズマのコンタミネーションでは顕微鏡下であっても小さすぎて目視することができず、また培養細胞と共存することが多いのでコンタミネーションの発生を見逃しやすい。

マイコプラズマのコンタミネーションによる影響としては、培地の栄養の消費による培養細胞の成長阻害の他、マイコプラズマの直接の作用による代謝経路への影響や、遺伝子発現への影響が確認されている。したがって、細胞を用いた実験結果の正しい評価のためには、マイコプラズマのコンタミネーションがないことを確認する必要がある。

検出方法

検出のためのゴールドスタンダードは培養法であるが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR法)やEIA法、核染色法(ヘキスト染色法/Hoechst Stain Method)でも検出が可能である。培養法は種の同定や検出率で優れているが、結果が得られるまでに時間がかかり、種の同定には熟練が必要である、という欠点がある。また、培養の困難な菌も存在する。一方PCR法やEIA法はその日の内に結果を得ることも可能であるが、特定の種しか検出できない。ヘキスト染色法も測定に要する時間は短いが、染色されたものがマイコプラズマなのか細菌等の核やデブリなのかを見分けるには熟練を要する。最近ではマイコプラズマの酵素を利用したマイコアラート法(MycoAlert Mycoplasma Detection Kit:Lonza社)のような30分以内での測定が可能な製品もできており、検出をルーチンで行うことも簡単になってきた。

医療におけるマイコプラズマ

マイコプラズマはしばしばヒトにおいて非定型肺炎を引き起こす。

疫学

オリンピックが行われる年に流行する(4年に1度流行する)傾向があるとして「オリンピック」とも呼ばれるが、近年はこの傾向が薄れつつある。また喫煙者は重症化しやすいことも報告されている。

症状

喀痰を伴わない「乾いた咳」(dry cough、乾性咳嗽)をすることが多い。発熱は38.5℃を越えることもある。頭痛、咽頭痛、刺激性の咳(乾性咳嗽)、倦怠感などのいわゆる感冒様症状を呈する。消化管へのウイルス感染によって嘔吐、下痢、腹痛などの症状を来たすこともある。最近では、大人が感染して重症化するケースが急増している。また、症状が呼吸器を中心としたものから消化器症状を併発、もしくは消化器症状を中心としたものへと移り変わってきている傾向がある。

診断

病原体の直接証明として分離培養、PCR蛍光抗体法がある。血清診断としてはペア血清による診断が確実である。迅速診断としてIgM測定が可能である。

治療

野生におけるマイコプラズマの約15%は薬剤耐性菌(マクロライド耐性菌)と言われている。[6]ただし、マイコプラズマ感染症は自然治癒することもあり、かつ一部のマクロライド系抗菌薬は抗菌作用とは別に、免疫力調整による抗炎症効果も期待されるので、耐性菌であるからといって同薬剤の効果がないとも断定できない。地域でのマクロライド系抗菌薬耐性菌の蔓延が疑われる場合や、同系統抗菌薬の効果が乏しいと判断された場合には、ニューキノロン系抗菌薬も用いられる。

脚注

  1. ^ List of Prokaryotic names with Standing in Nomenclature
  2. ^ Fraser CM, Gocayne JD, White O, Adams MD, Clayton RA, Fleischmann RD, Bult CJ, Kerlavage AR, Sutton G, Kelley JM, Fritchman RD, Weidman JF, Small KV, Sandusky M, Fuhrmann J, Nguyen D, Utterback TR, Saudek DM, Phillips CA, Merrick JM, Tomb JF, Dougherty BA, Bott KF, Hu PC, Lucier TS, Peterson SN, Smith HO, Hutchison CA, Venter JC (October 1995). "The minimal gene complement of Mycoplasma genitalium". Science 270 (5235): 397–403.
  3. ^ マイコプラズマ滑走運動の装置とメカニズム
  4. ^ Lo, S.-C.; Hayes, M. M.; Tully, J. G.; Wang, R. Y.-H.; Kotani, H.; Pierce, P. F.; Rose, D. L.; Shih, J. W.-K. (1992). "Mycoplasma penetrans sp. nov., from the Urogenital Tract of Patients with AIDS". International Journal of Systematic Bacteriology 42 (3): 357–364.
  5. ^ 日本マイコプラズマ学会, 肺炎マイコプラズマ肺炎に対する治療指針
  6. ^ マイコプラズマ肺炎の抗菌薬治療 病原微生物検出情報 Vol.28 p.42-43:2007年2月号 - 国立感染症研究所 感染症情報センター

参考文献


「マイコプラズマ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



マイコプラズマと同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マイコプラズマ」の関連用語

マイコプラズマのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マイコプラズマのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JabionJabion
Copyright (C) 2025 NII,NIG,TUS. All Rights Reserved.
環境再生保全機構環境再生保全機構
Copyright, 2025 Environmental Restoration and Conservation Agency. All rights Reserved.
微生物管理機構微生物管理機構
Microbes Control Organization Ver 1.0 (C)1999-2025 Fumiaki Taguchi
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマイコプラズマ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS