ニューモシスチス‐はいえん【ニューモシスチス肺炎】
ニューモシスチス肺炎
【総論】 従来、ニューモシスチス・カリニと呼ばれていた。カリニは「犬の」という意味。ヒト型をチェコの寄生虫学者の名前にちなんで「イロベジー」に命名し直された。このため、現在は「カリニ肺炎」ではなく、「ニューモシスチス肺炎」あるいはPC肺炎と呼ぶことになった。略号はPCPのままである。 ニューモシスチスはほとんどの人が生後すぐに感染して肺に持っている。免疫力の抑えが足りなくなると、活性化して肺炎を起こす。HIV感染者の免疫低下でCD4細胞数が100/mm3以下になると1年で40-50%が発病する。エイズ指標疾患のうち最も多い日和見感染症。治療をしないと致死的。
【症状】 痰の出ない咳、高熱、息切れなど。エイズ以外では数日で悪化するがエイズでは緩やかな進行。ペンタミジン吸入で予防している人には、肺以外の臓器(目、心臓、腹腔)に起こることがある。
ニューモシスチス肺炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/01 13:07 UTC 版)
ニューモシスチス肺炎(ニューモシスチスはいえん、Pneumocystis pneumonia、PCP)は、酵母様真菌であるニューモシスチス・イロベチイ (Pneumocystis jirovecii) によって引き起こされる肺炎である。正常な免疫能力を持つ場合発症することは希であり、化学療法やステロイド剤長期内服、後天性免疫不全症候群(AIDS)などによる免疫低下時に発症する、日和見感染症の一つである。以前はプネウモキスチス・カリニ(ニューモシスチス・カリニ Pneumocystis carinii)による肺炎とされ、「カリニ肺炎」と呼ばれた。しかし、ラットから見つかったニューモシスチス・カリニ(「カリニ」は病原体発見に貢献したアントニオ・カリニにちなむ)と、ヒトで肺炎をおこすニューモシスチスは異なる種類であることが判明し、ヒトに病原性をもつニューモシスチスは、1952年にニューモシスチスが肺炎を起こすことを報告したチェコの寄生虫学者オットー・イーロヴェッツへの献名である Pneumocystis jirovecii に命名し直され、これによる肺炎はニューモシスチス肺炎に名称変更された。なお略号はニューモシスチス・カリニ肺炎の時の略号のまま、PCPを用いる(Pneumocystis cariniii pneumoniaの略からPneumocystis pneumoniaの略となった)。
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- 1 ニューモシスチス肺炎とは
- 2 ニューモシスチス肺炎の概要
- 3 免疫学
- 4 治療
- 5 予防
- 6 脚注
ニューモシスチス肺炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 05:52 UTC 版)
プリマキンは、AIDS患者や免疫抑制剤を使用中の患者でのニューモシスチス肺炎(PCP)の治療にも有効である。PCPの治療には通常、クリンダマイシンが併用される。
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ニューモシスチス肺炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:57 UTC 版)
かつてはカリニ肺炎と呼ばれていた。AIDS患者の4割が、本症を発症するとされている。急速な発熱、乾性咳嗽、呼吸困難が3大症状である。発症後の症状の進行は早く、早期に治療しなければ予後不良である。血液検査ではLDH、KL-6、β-Dグルカン高値が認められ、胸部CTでは非定型肺炎のような両側性のスリガラス陰影が認められる。確定診断は喀痰、TBLB、BALFなどから採取した検体をグルコット染色などを用いて菌体を証明することである。
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