きゅう‐にゅう〔キフニフ〕【吸入】
吸入剤
(吸入 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/27 02:22 UTC 版)
吸入剤(きゅうにゅうざい)は、口から吸い込むことで体内に薬物を投与する剤形。ネブライザーやスチームなどの吸入器を用いる。主なものに、気管支喘息治療薬のブデソニド・ホルモテロールやサルメテロール・フルチカゾン、インフルエンザ治療薬のザナミビルやラニナミビル、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬のチオトロピウムなどがある。
口腔内やのどへの吸着を防ぎ、決まった量を正しく投与するためには、吸入器具を適切に設計する必要があり、MDI(metered dose inhaler、定量噴霧吸入器)などが採用されている。
分類
エアロゾル製剤(MDI)
最も一般的な吸入剤は、加圧式定量噴霧吸入器(pMDI: pressurized metered dose inhaler)によって吸入されるエアロゾル製剤である。薬物は、容器(ボンベ)の中に液剤または懸濁剤の形で入っていて、容器を押すことで定められた量の薬剤をエアロゾルにして噴出し、吸入する。吸入手技が難しい場合は、吸入用補助器具(スペーサー)を製剤と口の間に入れる。喘息の発作をすぐに止める薬などに用いられる。 使い方は、まず容器をよく振り、息をすべて吐き出す。マウスピースを口の中に入れ、ゆっくり吸い込みながら容器の底を強く1回押す。 エアロゾル状の薬剤が肺の中に入っていくように息を吸い続け、さらに気管支にいきわたるよう、5秒ほど息を止める。
ドライパウダー製剤(DPI)
ドライパウダー吸入器によって吸入する粉末製剤(DPI: dry powder inhaler)は、日本では2000年頃から普及しはじめた。ディスカス、ロタディスク、エリプタといった吸入器を用いる。エアロゾルとは異なり、自分の力で吸い込む必要があるため、喘息発作時に用いる治療薬には向いていない。ステロイド単剤や、ステロイドとβ2作動薬との合剤がある。
- ディスカス - 円盤型の装置に粉末の製剤が充填されており、水平に持った容器を回しながらカバーを開けることで、1回分の吸入準備ができる吸入器。カウンターで残り吸入回数がわかる。フルタイド(プロピオン酸フルチカゾン)、セレベント(サルメテロール)、アドエア(サルメテロールとプロピオン酸フルチカゾンの合剤)など。
- ロタディスク - 粉末の製剤が入ったディスクに穴をあけ、1回分の吸入準備をしてから吸入する吸入器。操作の手数は多いが、ディスクを目視することで残量がわかる。
- エリプタ - 容器のふたを開けることで1回分の吸入準備ができる吸入器[1][2]。カウンターで残り吸入回数がわかる。アニュイティ(フランカルボン酸フルチカゾン)、レルベア(ビランテロールとフランカルボン酸フルチカゾンの合剤)、エンクラッセ(ウメクリジニウム)、アノーロ(ウメクリジニウムとビランテロールの合剤)、テリルジー(フランカルボン酸フルチカゾンとビランテロールとウメクリジニウムの合剤)など。
- タービュヘイラー - 吸入器を垂直に立てた状態で、回転グリップを回してから吸入する。パルミコート(ブテソニド)、オーキシス(ホルモテロール)、シムビコートおよびブデホル(ブデソニドとホルモテロールの合剤)など。
- ツイストヘラー - タービュヘイラーにカウンターがついた剤形。アズマネックス(モメタゾン)など。
- ハンディヘラ―、ブリーズヘラ― - カプセル入り薬剤を容器に移し、穴をあけてから吸入する。吸入後カプセルを廃棄する必要がある。スピリーバ(チオトロピウム)、シーブリ(グリコピロニウム)、オンブレス(インダカテロール)、ウルティブロ(グリコピロニウムとインダカテロールの合剤)、アテキュア(モメタゾンとインダカテロールの合剤)、エナジア(モメタゾンとインダカテロールとグリコピロニウムの合剤)など。
ネブライザー
ネブライザーを用いて薬剤を霧状にし噴霧し吸入するための、液状の薬剤。
ソフトミストインヘラー(SMI)
液状の薬剤を吸入するという意味ではネブライザーと同様であるが、カートリッジから高圧スプレーを噴霧することで霧状にする。European Respiratory Society (ERS) はソフトミストインヘラー(Soft mist inhaler)をネブライザーに分類し、 hand driven nebulizer、hand driven pMDIとも呼ばれる。
- レスピマット - 容器を立てたまま回転させることで定量の液剤の準備をした後、ふたを開け、噴霧ボタンを押しながら吸入する。スピリーバ(チオトロピウム)、スピオルト(チオトロピウムとオロダテロールの合剤)など。
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脚注
- ^ 新吸入デバイスのピットホール:エリプタ編 - 2015年1月30日、日経メディカル
- ^ エリプタ(吸入器) - GSK
関連項目
外部リンク
- おもな吸入器ごとの吸入のポイント - すこやかライフNo.41 2013年3月発行 独立行政法人環境再生保全機構
- 医療用医薬品(患者さま向けくすりの情報)| フルタイド - グラクソ・スミスクライン
- 診療のご案内 | ぜんそく - 国立病院機構福岡病院
- 薬剤師が徹底解説!吸入薬「フルタイド」と「アドエア」の違いって? - フリービットEPARKヘルスケア
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吸入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 23:42 UTC 版)
ボツリヌス症の特殊な例は、実験室研究者による吸入後に記述されている。
※この「吸入」の解説は、「ボツリヌス症」の解説の一部です。
「吸入」を含む「ボツリヌス症」の記事については、「ボツリヌス症」の概要を参照ください。
吸入
「吸入」の例文・使い方・用例・文例
- それは喘息の吸入薬です。
- 酸素吸入.
- 吸入器
- 吸入薬
- 酸素吸入
- 酸素吸入器
- 新鮮な山の空気を吸入する
- 彼はマシンの出力と吸入口を同期化するよう調整した
- 水、酸素、薬物が吸入された空気により気道に挿入される治療
- 吸入と吐き出すからだの行為
- 吸入する行為
- 鼻から吸入する
- それを燃やして、蒸気を吸入することによって使用する(抽出されたコカイン)
- 気晴らしのための麻薬を吸入する
- 医者は、患者の肺から水を吸入しなければならなかった
- 吸い込むか、吸入の役に立つさま
- 吸入するための気孔
- 吸入によって吸収する、または固着するように構成された
- クロロホルムは最初の吸入麻酔薬だった
- 吸入一般麻酔薬として用いられる非炎症性液体(商標名エスレイン)
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