じょう‐き【蒸気/蒸汽】
蒸気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/01 02:27 UTC 版)
蒸気(じょうき、英: vapor, vapour)は、物質が液体から蒸発して、あるいは固体から昇華して、気体になった状態のもの[1]。 あるいは水蒸気 (steam)の略語として用いられる[1]。
概念
蒸気は科学時代になって生まれた概念であるため、ほとんどの国で湯気から派生した言葉を当てている[2]。例えばタイ語では「アイナム」といい蒸気と水蒸気、湯気の区別がない[2]。
元々は凝縮しないものをガス、するものを蒸気と区別しており、『ロウソクの科学』(1861年発行)の第二講冒頭部には蝋の蒸気の説明の際に註釈で「あなたは蒸気とガスの違いについて学ぶ必要があります、ガスは永久的(に気体)ですが蒸気は凝縮します。(原文:You must learn the difference between a gas and a vapour: a gas remains permanent, a vapour is something that will condense.)」という文が書かれている[3]が、これ以前から1820年にファラデーやドルトンらは「気体は液体が蒸発した蒸気である」と主張するようになり、すべての気体は冷却すると必ず液化すると考えていた[4]。なお、現在では臨界点を下回ればすべての気体は液化できることが分かっている。
日本語の近代訳語としての「蒸気」は19世紀初頭に杉田玄白ら蘭学者が既存の漢語「蒸気」を借用して用いるようになったと考えられている[1]。杉田玄白は1810年の『形影夜話』上篇で、オランダ語の『オイトワアツセミング(uitwaseming)』(皮膚等からの蒸発気化)の訳語として「蒸気」を当てた[1]。
英語ではsteam(湯気)とvapor(蒸気)があり、後者のほうが意味的には揮発に近く水からは離れているとされる[2]。
用途
脚注
- ^ a b c d 阿川修三「翻訳語「蒸気」の形成についての試論」 文教大学大学院言語文化研究科付属言語文化研究所、2023年11月30日閲覧
- ^ a b c 石田博幸、木村久美子「ブラジルとアジア諸国の科学用語比較」 、2023年11月30日閲覧
- ^ (英語) The Chemical History of a Candle/Lecture II, ウィキソースより閲覧。
- ^ 中川 渥「アイスクリームとSEM」 京都大学 防災研究所技術室通信 No.50、2023年11月30日閲覧
- ^ “化学パルプ工程 チップを煮込んで繊維を取り出す”. 日本製紙グループ. 2020年11月1日閲覧。
関連項目
蒸気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 08:07 UTC 版)
アルコール(最初はエチルアルコール、後にメチルアルコール)と圧縮空気から蒸気を発生させて推進力とする方式。圧縮空気だけの場合と比較してスピードは増したが、航跡がはっきりしてしまうという欠点があった。アルコール以外に、過酸化水素の分解によって発生する蒸気を用いるヴァルター機関を搭載する魚雷も開発されている。
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蒸気
出典:『Wiktionary』 (2021/06/20 12:05 UTC 版)
この単語の漢字 | |
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蒸 | 気 |
じょう 第六学年 | き 第一学年 |
音読み | 音読み |
異表記・別形
発音
名詞
関連語
翻訳
- アイルランド語: gal (ga) 女性
- イタリア語: vapore (it) 男性
- 英語: steam (en), vapour (en)/vapor (en)
- オランダ語: damp (nl) 男性
- スウェーデン語: ånga (sv) 通性;
- スペイン語: vapor (es) 男性
- 中国語: 蒸汽 (zh),蒸气 (zh), 蒸氣 (zh)
- 朝鮮語: 증기 (ko)
- ドイツ語: Dampf (de) 男性
- フィンランド語: höyry (fi)
- フランス語: vapeur (fr) 女性
- ヘブライ語: אד (he)
- ポーランド語: para (pl) 女性
- ポルトガル語: vapor (pt) 男性
- リトアニア語: garas (lt) 男性
- ルーマニア語: vapori (ro)
- ロシア語: пар (ru) 男性
「蒸気」の例文・使い方・用例・文例
- 蒸気機関
- 蒸気圧
- 蒸気アイロン
- 蒸気の噴出
- 蒸気機関車
- 産業革命は蒸気機関の発明に始まった
- やかんが蒸気をシュッと吹き出した
- 蒸気の吹き出し
- 船は蒸気で動かされていた
- 蒸気の時代
- 黄色い蒸気が火山から立ち上っていた
- キャブ・フォワード型蒸気機関車はまだどこかで運行しているのですか。
- ここが蒸気機関車のクロスヘッドと呼ばれる部分です。
- 蒸気オルガンは19世紀にアメリカで発明された。
- 蒸気機関車はシュッシュッポッポッと音を立てて進んだ。
- 噴気孔から蒸気が上がっている。
- 蒸気で動くその機械に、当時の人々は腰を抜かした。
- それは水蒸気の浸透を防ぐ。
- かつてはロードローラーは馬が曳いていたが、蒸気機関の発明により、スチームローラーが現れた。
- 1モルの氷を水にするときと、1モルの水を水蒸気にするとき、より多くのエネルギーが必要なのは?
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