アスペルギルス症とは? わかりやすく解説

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アスペルギルス‐しょう〔‐シヤウ〕【アスペルギルス症】


アスペルギルス症


アスペルギルス症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/23 02:30 UTC 版)

アスペルギルス症
間質性肺炎患者における浸潤性肺アスペルギルス症を示す病理組織像。 剖検材料。グロコット・メテナミン銀染色。
概要
診療科 感染症内科学
分類および外部参照情報
ICD-10 B44
ICD-9-CM 117.3
MedlinePlus 001326
eMedicine med/174
Patient UK アスペルギルス症
MeSH D001228

アスペルギルス症 (: aspergillosis) とはアスペルギルス属真菌を原因とする種々の真菌症疾病の総称で胞子の吸入と体内での増殖が原因の日和見感染症。アスペルギルス属の胞子は環境中に広く存在することから、ほとんどのヒトが毎日吸入しており、免疫に障害のあるヒトや家畜ではアスペルギルス症に進行する事がある。一般的な原因菌はアスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)であるが、A.flavusA. nigerでも発生することがある。発症には、原因菌により生産されるマイコトキシンの一種のグリオトキシンが関与していると考えられる[1]

原因菌は病院内では観葉植物(鉢内の堆肥や土)、生花やドライフラワーの表面、花瓶の水、エアコンまたはヒーターの吹出し口、浮遊粉塵などから高頻度で検出される。特に、病院改築や改装の際、院内の空気中に増加することが報告されているが、この事は医療関係者の間でも周知されていない現状があるため、免疫力が落ちている者への予防が大切である。

ヒト臨床所見

最も一般的な型はアレルギー性気管支肺アスペルギルス症、アスペルギルス腫、侵襲性アスペルギルス症である。免疫不全者や免疫力が低下している際に起こりやすいことから症状の進行は速く、全身に感染するため症状は多岐に渡る。治療が遅れた場合の致死性は高い。

  • 呼吸器系への感染では、血性痰、喘息肺炎副鼻腔炎など。
  • 血管内に進入した場合、口蓋または歯肉の潰瘍化、血栓や出血性壊死など。
  • 皮膚感染は手術創に発生することが殆どで、急速な組織壊死を起こす。
  • 中枢神経系感染は脳膿瘍を呈し、全身播種性感染の部分症である。副鼻腔からの直接感染は少ない。

診断

画像検査、組織病理検査(生検)、検体の染色および培養等による。

治療

アスペルギルス症の疑いがある場合には、確定診断を待たず適応菌種が広い抗真菌薬を投与する。病変部位が局所的な場合には、外科手術が行われる場合がある。

家畜

ウシに於いても、アスペルギルス症を発症することがある。

画像

脚注

  1. ^ 亀井克彦、落合恵理「住宅環境に生息する病原性カビ, 特にマイコトキシン産生カビによる真菌症について」『マイコトキシン』第58巻第1号、日本マイコトキシン学会、2008年1月31日、47-51頁、doi:10.2520/myco.58.47NAID 10021920382 

出典

外部リンク


アスペルギルス症(カビ性肺炎)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 17:15 UTC 版)

コウジカビ」の記事における「アスペルギルス症(カビ肺炎)」の解説

Aspergillus属のうち、A. fumigatusやA. flavus、A. nigerなどの一部のものはヒト対す病原性持ち、肺や外耳道鼻腔など体の内部感染深在性感染)することがある。これらの一連のカビによる感染症をアスペルギルス症あるいはカビ肺炎と呼ぶ。なかでも肺に感染したものは、肺アスペルギルス症と呼ばれ治療が困難であるため医学上重要である。これには肺結核患者の肺に生じた空洞内で塊を形成するアスペルギローマや、白血病末期などに肺実質内で菌糸増殖するアスペルギルス肺炎含まれるこの他、本皮膚感染表在性感染)することもあるが、多く場合これらアスペルギルスによる感染日和見感染であり、健常者発病することは比較少ない。また、A. oryzae は職業アレルギー原因菌であり、JISの抗カビ効果規格試験において指定となっている。 A. fumigatusは鳥類では気嚢ウマでは喉嚢に感染しやすい。 この他ある種コウジカビ胞子アレルゲンになり、アレルギー性気管支炎原因一つであることも知られている。また、食品中でマイコトキシンカビ毒)を作ることも医学上問題である。 詳細は「マイコトキシン」を参照 ヒト感染症については、 詳細は「アスペルギルス症」を参照 ウシ感染症については、 詳細は「牛アスペルギルス症」を参照

※この「アスペルギルス症(カビ性肺炎)」の解説は、「コウジカビ」の解説の一部です。
「アスペルギルス症(カビ性肺炎)」を含む「コウジカビ」の記事については、「コウジカビ」の概要を参照ください。

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