ほう‐し〔ハウ‐〕【胞子】
胞子
胞子
胞子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/11 05:43 UTC 版)
無性胞子は菌糸の先端に生じる。先端部がやや膨らみ、その基部に隔壁が生じることで胞子が分断される。その後、胞子が成熟すると、この隔壁の間で切り離され、胞子は強く打ち出される、いわゆる射出胞子である。これは胞子内部の静水力学的な圧力に関係すると言われている。この類の胞子は、往々にして胞子のままでそこから短い柄を出してその先端に二次的な胞子を作る。さらに二次胞子から三次胞子が形成される場合もある。これらの胞子は一次胞子そっくりで、それより一回り小さくなるものもあるが、ことなる形を取る例もある。一部では昆虫など宿主の表皮に付着する仕組みを備えた胞子が形成される。寄生菌の場合、胞子が宿主の体表につくと、発芽してその内部に侵入する。 このように射出胞子が繰り返し形成、射出されるのを出川は「ピョンピョン跳びはねて宿主を追う」と表現している。 この胞子は、真の分生子と考えられている。接合菌綱には分生子のような胞子をつけるものはいくつもあるが、ケカビ目やキクセラ目などのそれらは単胞子の小胞子嚢か分節胞子嚢、いずれにせよ胞子嚢に由来するものであると考えられた。そのような観点から、ハエカビ類の胞子についても検討されたが、現在では真の分生子と判断され、これは接合菌中では例外的である。 有性胞子は接合胞子嚢内に単一の接合胞子を作る。これは菌糸体の接合の後、その間か、その側面に出芽するようにして形成される。接合する菌糸は普通の菌糸とはとりたてて違いがなく、明瞭な配偶子嚢は見られない。接合胞子嚢はほぼ球形で、表面は滑らか。この胞子は耐久胞子として機能するものと見られる。また、休眠胞子を形成するものでは、それが接合胞子ではないかと考えられるが、確認がとれていないものも多い。一部は無性的に形成されると見られ、それを偽接合胞子嚢と見る向きもある。 たとえばハエカビでは昆虫の体内に菌体が充満すると、菌体は分節菌糸体となり、体表面からは分生子を形成、体内では耐久胞子を形成する。
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胞子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/21 08:32 UTC 版)
フィルミクテス門の多くの種は内性胞子を形成する。また、放線菌のうち、ストレプトマイセス属、マイコバクテリウム属の一部の種、藍色細菌のプレウロカプサ目が内性胞子を形成する。また、放線菌の多くの種は分節胞子を、クロロフレクサス門のクテドノバクテリア綱も出芽胞子を形成する特徴がある。一方、テッラバクテリア以外の真正細菌で胞子に類似の構造を形成するのはクラミジア門やプロテオバクテリアのごく一部の種に限定される。
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胞子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/16 15:35 UTC 版)
「Evolve 4.0」の記事における「胞子」の解説
胞子により自己複製が可能となる。新しい生物は、親となる生物が胞子を生成することによって発生する。無性生殖と有性生殖の両方がサポートされている。
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胞子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 05:35 UTC 版)
胞子形成は、無性生殖の一つと見なされる。胞子が単独で発芽し、新個体を形成するためである。ただし、形成過程から考えると、大きく二つの場合がある。一つは体細胞分裂によって形成される胞子である。ケカビなど接合菌の胞子のう胞子、アオカビなど不完全菌の分生子、ミズカビ類の遊走子などがこの例である。この場合、その胞子の発芽によって生じる新個体は、親と同じ遺伝形質を持つ。 もう一つは、減数分裂によって形成されるもので、シダ植物・コケ植物・種子植物や、さまざまな藻類、変形菌などがそのような胞子を形成する。かつてはこのような胞子を「真性胞子」と呼んで区別したこともある。 これらの生物では胞子を形成する体は核相が複相、すなわち2nであり、減数分裂によって生じる胞子は単相(n)である。胞子が単独で発芽すれば、それによって生じる体はやはり単相(n)となる。普通、この単相の体は配偶子を形成し、それらが接合して複相の体に発達する、いわゆる世代交代が見られる。そこで、複相の体を胞子体、単相の体を配偶体と呼ぶ。そして、配偶体は配偶子を作るのでこれを有性世代、胞子体は胞子を作るので無性世代とも呼ばれる。 これらの胞子は確かに単独で発芽し、その限りでは無性生殖的なのであるが、それによって生じる体は胞子を形成する体とは異なったものである。分裂や出芽を無性生殖とするならば、これらをそれと同等に扱うことはできない。むしろ接合と減数分裂によって構成される有性生殖環の一部と考えるべきである。近年は無性世代という呼び方もしない場合が多い。 ほかに子のう菌類の子のう胞子、担子菌類の担子胞子なども減数分裂によって形成される。しかし、これが無性生殖と言われることはなく、菌類学では伝統的に有性生殖として扱われた。 ウィキメディア・コモンズには、無性生殖に関連するカテゴリがあります。 典拠管理 BNF: cb12165267w (データ) GND: 4137212-8 J9U: 987007531630105171 LCCN: sh85112956 NARA: 10644054
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胞子
「胞子」の例文・使い方・用例・文例
- カビ胞子
- 胞子で増える植物もある
- 胞子に変換する
- 好気性菌のロッド形の胞子を作るバクテリア
- 内生胞子を生む一般的に棒状で、通常グラム陽性のバクテリア
- 紡錘形の細菌性細胞で、特に内生胞子により中心が膨らんでいるもの
- (シダについて)上皮細胞群から生じる胞子嚢を持つさま
- ハナヤスリ科とリュウビンタイ科の真性胞子嚢を持つシダ
- 胞子によって増殖する単細胞の緑藻類
- 寄生胞子形成原始動物
- 生活環の一段階で胞子虫が分割する微小な活発な身体の1つ
- ライフサイクルにおいて活発な摂食の段階にある胞子虫
- その生活環中で親胞子虫の無性分裂から生じる細胞
- 一つ以上の伝染力のある種虫を含んでいる胞子を作る寄生胞子虫
- 晩生胞子虫亜綱目
- 晩生胞子虫亜綱の目
- 胞子虫の下位分類
- 胞子虫の目の主な属
- 無極嚢胞子虫亜綱の1目
- 極嚢胞子虫亜綱の1目
胞子と同じ種類の言葉
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