えん‐き【塩基】
塩基
糖(リボースまたはデオキシリボース)と共に、核酸の構成単位となるヌクレオチドを構成する塩基性の分子グループで、DNAではアデニンとグアニンの2種類のプリン塩基とチミンとシトシンの2種類のピリミジン塩基、RNAではチミンの代わりにウラシルが使われる。異なる核酸鎖の塩基間で水素結合が生じ、二重らせん構造などの高次構造を作る。
アルカリ
塩基(えんき)
塩基
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/12 06:24 UTC 版)
酸と塩基 |
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化学において、塩基(えんき、英: base)とは、一部の化学物質を指す総称である。具体的な定義は後述。酸の対義語。
概要
一般に、プロトン(H+)を受け取る、または電子対を与える化学種[1]。歴史上、概念の拡大を伴いながら、幾つかの定義が考えられた。
塩基としてはたらく性質を塩基性(えんきせい)といい、水溶液の塩基性はアルカリ性ともいう。
酸・塩基は相対的な概念である。ある物質に対する塩基が、他の物質に対して酸であることが多い。例えば、水は塩化水素に対して塩基である(H+を奪う)が、アンモニアに対して酸である(H+を与える)。
英語 Base の語源
錬金術用語 "the matrix" の類義語として、1717年にフランスの化学者 Louis Lémery が使用したのが最初である[7]。錬金術師のパラケルススは、普遍的な酸か潜在原理が土壌の matrix もしくは wombに含侵することで天然に存在する塩が地中で生まれると主張した。その理論を近代化学に導入したのが フランスの化学者 Guillaume-François Rouelle で、中性塩がアルカリ水溶液等と酸を混ぜ合わせる事で生成されることを明らかにした。18世紀における既知の酸のほとんどが揮発性か蒸留可能な"spirits"で、一方、塩基は酸を「結晶状態の塩か凝固した状態」の形を与え、定着させられる"Base"と考えられた。
出典
- ^ base - IUPAC Gold Book
- ^ 『理化学辞典』 第五版, 岩波書店
- ^ Ullmann, M. (1986). "AL-ḲILY". In Bosworth, C. E. [in 英語]; van Donzel, E. [in 英語]; Lewis, B.; Pellat, Ch. [in 英語] (eds.). The Encyclopaedia of Islam, New Edition, Volume V: Khe–Mahi. Leiden: E. J. Brill. ISBN 90-04-07819-3。
- ^ Définitions lexicographiques et étymologiques de « alcali » du Trésor de la langue française informatisé, sur le site du Centre national de ressources textuelles et lexicales
- ^ Brønsted base - IUPAC Gold Book
- ^ Lewis base - IUPAC Gold Book
- ^ Jensen, William B. (2006). “The origin of the term "base"”. The Journal of Chemical Education 83 (8): 1130. Bibcode: 2006JChEd..83.1130J. doi:10.1021/ed083p1130. オリジナルの4 March 2016時点におけるアーカイブ。 .
関連項目
外部リンク
塩基
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/28 07:05 UTC 版)
「インターカレーション」の記事における「塩基」の解説
DNAやRNAなどで起こる場合もある。複製や転写に影響を与え、侵入する物質によっては癌や奇形の原因にもなると考えられているが、直接の証拠はない。 分子生物学の実験においては核酸と結合して蛍光を発するエチジウムを意図的にインターカレーションさせることで塩基を検出する手法が知られている。 薬剤に利用される例もある。アントラサイクリンのインターカレーションは核酸の合成を阻害し、がん細胞の増殖速度を抑制する効果がある。ただし、同時に心臓の機能に様々な悪影響を及ぼす。
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「塩基」を含む「インターカレーション」の記事については、「インターカレーション」の概要を参照ください。
塩基
出典:『Wiktionary』 (2021/06/12 12:58 UTC 版)
名詞
語源
翻訳
「塩基」の例文・使い方・用例・文例
- リトマス紙で溶液の液性(酸性、中性、塩基性)を調べるときは、リトマス紙をすべて溶液に浸すのではなく、紙の先端の部分だけを浸します。
- 水溶液中に塩基を生じる
- 塩基性に変化させ、酸性を抑える
- 存在する塩基の量を計るために酸の標準液を使っている容量分析
- 塩基性染料で容易に着色するさま
- (特に肺と肝臓の)好塩基球で作られ、血液凝固におけるトロンビンの活動を抑制する多糖
- 塩基性染料に染まる細胞の傾向
- 細胞質の好塩基性
- 塩基性の染料によって容易に染色される好塩基性顆粒を持つ白血球
- 酸(水素イオンを与えるために分離する)と塩基(水酸化物イオンを与えるために分離する)に関して水溶液を記述する理論
- すべてのがイオン化形状の色が解離の前の色と異なっている表示器が弱酸か弱塩基のどちらかであるという理論
- 人の独自のDNA塩基対を検査することで得られる生物測定学的認証
- ヒトゲノムは、およそ30億の化学塩基対を含む
- 彼は、DNAの塩基対の配列を決める技術を発明した
- 自由生活性有機体、インフルエンザ・バクテリアのすべての遺伝子のために完全な塩基配列を発表した米国の遺伝学者
- 塩基性染料はウールやシルクと相性がよい
- 体内が正常な酸塩基平衡であるとき血液は若干アルカリ性である
- 酸と塩基が塩の形成とともに相互に作用する化学反応
- 酸の蓄積、あるいは体からの塩基の異常損失(下痢や腎臓病など)の結果として生じる体液中の酸血症と重炭酸塩濃度
- 酸味を持っていて、リトマスを赤くし、塩を形成するために塩基と反応することができる水溶性化合物の総称
塩基と同じ種類の言葉
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