酸味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/29 09:44 UTC 版)

酸味(さんみ)とは、味覚のうちの一つで、一般に「すっぱい」と形容されるものを指す。
代表的な酸味としては梅干のすっぱさやヨーグルトのすっぱさがある。レモン果汁、食酢、クエン酸、乳酸などには、酸味を感じさせる働きがある。酸味を感じさせるための食品添加物を「酸味料」などと呼称する。
酸味の食品
代表的な酸味としては梅干のすっぱさやヨーグルトのすっぱさがある。レモン果汁、食酢、クエン酸、乳酸などには、酸味を感じさせる働きがある。酸味を感じさせるための食品添加物を「酸味料」などと呼称する。
酸味物質
酸味を感じさせる物質は酸だけであると言われている[1]。酸物質の種類によって、酸味の強さだけではなく味わい(「おだやか」「爽快」「刺激的」[2]等)も異なる。食品の種類によって「合う」酸・「合わない」酸が異なるが、この嗜好は食経験による影響も大きい[3]。
酸以外による酸味への影響
甘味物質を加えたら酸味が弱まる[4]、食塩を少量加えると酸味が強調されるが、多量の食塩だと塩辛さが勝つ[5]、などの報告例がある。 ミラクルフルーツは、すっぱい食物に甘味を加える[1]:(64)10。
呼称・表現
英語のワイン用語で酸味や酸の味をあらわす言葉は"tartness"、"sourness"、"acidic taste"など複数ある。
受容機構
味は甘味、塩味、苦味、酸味、旨味、の5基本味に大別され、さらにこれらはそれぞれ異なる味細胞で受容される。例えば甘味受容体はT1R2/T1R3、旨味受容体はT1R1T1R3、苦味受容体はヒトでは25種類あるT2Rと呼ばれるGタンパク質共役型受容体が担い、II型細胞に発現する[6]。
酸味に関してもその受容機構が解明されつつあり、III型細胞は酸に反応 (生理学)するため酸味受容細胞と考えられる。III型細胞にはイオンチャネル型受容体PKD2L1が発現し、PKD2L1発現細胞を特異的にジフテリア毒素により死滅させたマウスでの実験では、酸味刺激に対する味神経応答がなくなったことなどから、PKD2L1発現細胞が酸味受容体であることが判明した。PKD2L1は、葉状乳頭、有郭乳頭でPKD1L3分子と共発現する。この2つは相互作用により味細胞の先端部に局在する。また、両分子のヘテロマーPKD1L3/PKD2L1が酸応答性を持つことも培養細胞での実験で判明している。しかし、現状では酸味受容機構の全体像が解明されているわけではなく、酸味受容体の機能を担う分子がPKD2L1以外に存在することも十分あり得る[6]。
酸味物質がなくなると反応する機構もある[7]。
定量化
心理的な酸味の強さを数字であらわす(定量化する)官能評価はたびたび試みられている。評価方法や単位に法定の規格はない。
酸味と物理量との対応
酸性のものがすっぱい[1]:59。そのため、酸性が強い(水素イオン濃度が高い、つまりpHが低い)ほど酸味が強いと思われがちだが、実際にはpHの大小と酸味の強さは必ずしも対応しない[8]。個々の酸物質に限ってみると、酸物質の濃度(通称「酸度」あるいは「滴定酸度」)のほうが酸味と関連が強い[9]。
マグニチュード推定法という官能評価手法では、被験者に複数種類の濃度の酸溶液を味見させて「AはBの何倍の酸味と感じるか」の数値を記述させる。この数値を計算処理した結果得られた酸味の値Sと酸の濃度Cとの間は、
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酸味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/07 19:25 UTC 版)
「ワインと食品のマッチング」の記事における「酸味」の解説
酸味は、風味に対する感覚を強めることのできる顕著にして複雑な過程として、食品とワインの組み合わせにおける主要な役割を演じる。ワインテイスティングにおいて、酸味は唾液腺によって口内が湿る反応として確認される。口内を湿らせる反応は、食欲を起こさせることにも寄与する。ワインには主としてリンゴ酸(青リンゴ)、乳酸(乳)および酒石酸(苦味)の三種類の酸が含まれている。脂肪質、油っこい、濃厚、あるいは塩辛い料理において、ワインの酸味はその重さを「カット」し、口内の感覚を活性化させることができる。料理において酸味は、例えばカキなど塩辛いシーフード料理に添えられる一切れのレモンのように一定の流儀でしばしば使用される。レモン果汁の酸味は牡蛎の塩味を和らげる。組み合わされる料理に対してワインのぴりっとした風味が弱い場合、ワインの味が薄っぺらに感じられるようになる。「非常に酸っぱい」と感じられるワインは、ぴりっとした酸味のある料理に組み合わせることで穏やかになる。食品とワインにおける酸味の補完関係は互いを相殺するものであり、ワインの果実味や食品の他の風味など酸味以外の要素を引き立てる。
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酸味
「酸味」の例文・使い方・用例・文例
- リンゴのかすかな酸味
- この種類が一番糖度と酸味のバランスが良い
- 酸味の角が取れる程度にさっと火を通す
- このリンゴ酒はとても甘いリンゴの香りとかすかな酸味がある。
- 子供の頃は酸味が苦手だったのですが、大人になったら好きになったのかもしれません。
- 薄く上品な酸味
- このブドウは酸味が強い.
- 酸味を帯びる
- 酸味を帯びた味
- 酸味または苦みを作る
- っぱい酸味があるさま
- 酢の味に似た酸味
- 甘さ、酸味、苦さと塩辛さを口で見分けられる機能
- サラダやソースで使用される、大きな矢じり形の酸味のある葉
- 新鮮で酸味のあるリンゴ
- ソースやジュースに使う酸味の強い赤いベリー
- オレンジより香りがよく酸味が強い
- 砂糖煮に使う香りのよい酸味のナシ形の果物
- 爽やかな酸味の、柔らかいとげで覆われた赤い卵形のマレーシアの果物
- レモンの香りをつけた酸味の強い炭酸水
酸味と同じ種類の言葉
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