苦味とは? わかりやすく解説

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にが‐み【苦み/苦味】

読み方:にがみ

苦いこと。苦い味。苦い度合い。「—の強いコーヒー

不愉快な心持ち。つらい心情

感情はさらりと消えて、唯—のみ残りしなり」〈蘆花不如帰

渋さ含んでひきしまった感じのすること。男性顔つきにいう。「—のきいた、渋い二枚目

[補説] 「味」は当て字


く‐み【苦味】

読み方:くみ

苦い味。にがみ。


苦味

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/17 14:01 UTC 版)

アドリアーン・ブラウエル
『苦い薬』
シュテーデル美術館収蔵

苦味(にがみ)は五基本味の一つの味覚である。苦み(にがみ)。

概説

苦味は、味覚の一つである。1916年ドイツ心理学者であるヘニングは、世界のどこの人々でも感じる味覚として、「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」の四基本味説を提唱した[1]

1908年に日本の池田菊苗東京帝国大学にて四基本味の他に「うま味」について報告した[2]、四基本味に「うま味」が加わり、五基本味と考えられるようになった。

生理学定義に基づく味覚のいわゆる五原味(甘・酸・塩・苦・うま味)には含まれないものに、「辛味」「渋味」「冷味」「刺激味」「蘞味」があるが、これは味覚ではなく触覚に近い感覚である[3]渋味は苦味と似ているが、味覚の差は、苦味物質の混合比率や濃度により変化する[要出典]

苦味を感じさせる化合物への拒否反応は、毒性化合物の摂取を避けるための反応だとされている。苦味のある化合物への感受性は多くの種で異なり、これは生態学的地位および食物選択の違いの結果と考えられている。

苦味物質

苦味物質は、主に、アルカロイド類のカフェインテオブロミンニコチンカテキンテルペノイドのフムロン類、リモニンククルビタシン、フラバノン配糖体のナリンジン、苦味アミノ酸、苦味ペプチド、胆汁酸無機塩類のカルシウム塩、マグネシウム塩がある[4][5]

茶などに含まれるカテキンコーヒーなどに含まれるクロロゲン酸などがある。デナトニウムは、最も苦味の強い物質としてギネスブックにも記載されている。

苦味のうまさ

「苦い」という味覚は古来より敬遠される傾向にあったので「苦々しい(苦いものを食べた時のような渋い顔)」、「臥薪嘗胆(がしんしょうたん、苦い肝を嘗めて辛い思いを忘れずに精進する」、「苦虫を噛み潰したよう(不愉快な時の顔つき)」などといった言葉の語源にもなっている。

適度な苦味はブラックコーヒー、魚介類の「わた」など内臓料理の珍味、、渋(濃茶)などで親しまれているケースもある。微かに苦いと感じることを「ほろ苦い」という。適度なほろ苦さは好まれる傾向にあるが、どのレベルの苦さを「ほろ苦い」と感じるかは人による。

苦味のあるもの

ニガウリ(ゴーヤー)
ホップ

脚注

  1. ^ Hennig, H. : Qualitatenreihe des Geschmacks, Z. Psychol., 74 ; 203-219, 1916
  2. ^ 池田菊苗「新調味料に就きて」『東京化学会誌』30 1909年
  3. ^ 後藤奈美によると「渋味は、いわゆる五原味(甘・酸・塩・苦・旨味)には含まれず、対応する味覚受容体が報告されていない。味蕾のない上唇と歯茎の間に渋味を与える硫酸アンモニウムや硫酸銅の溶液を垂らしても渋味として感知されることから、辛味と同様、渋味は触覚に近い感覚だと考えられている。」という。後藤奈美「赤ワインの渋み」『日本醸造協会誌』107巻4号 2012年 p212
  4. ^ 山田恭正「苦味物質の化学」『New Food Industry』Vol.44.No.2 食品資材研究会 2002年
  5. ^ 太田静行「苦味と苦味調味料」『北里大学保健衛生専門学院紀要』4(2)北里大学保健衛生専門学院 1998年

文献

  • 山野善正・山口静子編『おいしさの科学』朝倉書店1994年
  • 佐藤昌康・小川尚編『最新味覚の科学』朝倉書店1997年
  • 芝哲夫「苦味の化学構造と機能」香料No.166 1990
  • 村元美代他「苦味感覚におよぼすストレスの影響」大妻女子大学紀要家政系第31号1995
  • 島田淳子・下村道子編『調理とおいしさの科学』朝倉書店1993
  • 上野吉一「味覚からみた霊長類の採食戦略」日本味と匂学会誌Vol.6 No.2 179-185 1999.8
  • 上野吉一「味センサ応答パターンが異なるさまざまな苦味物質」『電子情報通信学会技術研究報告』Vol.106,No.227 2006.09.15
  • 上野吉一「苦味を特徴とする飲料の継続摂取が嗜好獲得に与える影響」『日本味と匂学会誌』Vol.10, No.3 2003.12 785-788
  • 上野吉一「先端技術でわかったビール苦味成分の意外な生理作用」『化学と生物』Vol.44,No.6,2006
  • 山田恭正「苦味物質の化学」『New Food Industry』2002 Vol.44,No.2
  • 太田静行「苦味と苦味調味料」『北里大学保健衛生専門学院紀要』4(2)1-17 1998
  • 金子周司「カフェインは記憶力を高める」『食の科学』2005.10 No.332
  • 金子周司「ストレス状態における味の感受性」『日本官能評価学会誌』Vol.1 No.1 1997.3
  • 金子周司「山菜・野菜のアク抜き術」『現代農業』2006.5

関連項目


苦味

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/07 19:25 UTC 版)

ワインと食品のマッチング」の記事における「苦味」の解説

通常ワイン関わる苦味はワインタンニンによってもたらされるタンニンざらざらした質感不鮮明で渋い味を加える。これはワインの「ボディ」または重さ対す感覚強調する。普通、タンニン醸造過程においてブドウの皮とから絞り出されたり、あるいは熟成においてオーク接触することで生成されるタンニン蛋白質作用する例え赤肉ハードチーズのような蛋白で高脂肪料理組み合わせる時、タンニン蛋白質結びつき穏やかな印象与えるようになるベジタリアン料理のような蛋白質少な食品においてはタンニンが舌や口内側面蛋白質反応し、苦味を強調した口内乾燥させる効果現したりする。グリル香味焼きなど、料理に苦い「焦げ」の成分加え様々な料理法は、タンニンに富むワインと良い相性を示す。魚油タンニンに富むワインの味を金属的にしたり希薄にしたりする。バローロカベルネ・ソーヴィニヨンなど苦くてタンニンに富むワインは大抵の食品圧倒するが、ハードチーズや肉のような脂肪分と蛋白質多く含む食品組み合わせることで穏やかにすることができる。ドライタンニンには口内脂肪や油と結びつくことで口蓋清浄にする作用もある。香辛料効いた甘い食品タンニンドライな苦味を強調しワイン風味打ち消してしまう。

※この「苦味」の解説は、「ワインと食品のマッチング」の解説の一部です。
「苦味」を含む「ワインと食品のマッチング」の記事については、「ワインと食品のマッチング」の概要を参照ください。

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苦味

出典:『Wiktionary』 (2021/08/16 04:32 UTC 版)

名詞

(くみ・にがみ[注 1]

  1. 苦い味、またはその程度
  2. 不愉快な気持ちまた、その様子。
  3. 男の顔の引き締まっている様。

発音(?)

NHK
カ゚

関連語

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