多年生植物
(多年生 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/30 06:03 UTC 版)
![]() |
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2011年10月)
|

多年生植物(たねんせいしょくぶつ)とは、個体として複数年にわたって生存する植物のことである。多年生宿根草や木本植物がそれにあたる。しばしば草本(いわゆる草)に対して用いられる言葉であり、「多年草」と呼ぶことがある。
概要
多年生植物に対して、1年で世代を終える植物は「一年生植物」という。また、冬の前に発芽し冬を越えて春から夏に花を咲かせて枯れるものを、特に「二年生植物」と呼ぶことがあるが、「越年生植物」と呼び、実質的には一年生植物である。一方で、1年を超え2年以内で世代を終える植物(ハタザオ、ツキミソウなど)のことを「二年生植物」と定義する場合もある。
熱帯の多雨地帯のように年間を通じて植物の成長が維持できる環境では、植物は一般的に多年生である。厳しい乾期や冬季など植物の生長に不利な季節がある場合、これを乗り越えられれば多年生植物となる。そのため熱帯では多年生であるが、温帯では一年生になる植物も存在する。
通年にわたって地上に姿を見せているものもあるが、越冬時などに地上部の茎や葉が枯れ落ちる一方で地下茎や根などが休眠状態で残り、翌年にそこから再び茎や葉を伸ばすものもある。このように地上部だけが枯れてしまうものを「宿根草」という。なお、園芸方面では後述のように「常緑草」も含めて宿根草と呼んでいる。
一稔性(一回結実性)
珍しい部類に属するが、1年目で発芽し、2年目で成長、3年目に花を咲かせて枯れるものがある(ムラサキケマンなど)。ただし、特に三年草が多いというわけではなく、むしろもっと長い年月にわたって花をつけずに成長し、最後に開花して枯れるという経過を辿る植物がたくさん存在しており、有名なものにタケやリュウゼツランがある。このような生活史を持つ植物のことを「一稔性」(一回結実性、英語: monocarpic)と呼ぶ場合がある。
常緑多年草、宿根草、球根植物
ミントやマツバギクのように年中緑の葉があるものを「常緑多年草」、生育に適さない時期(多くは冬だが夏のこともある)に地上部が枯れるものを「宿根草」(しゅっこんそう)という。また、鱗茎・塊茎・球茎などの球根を形成する植物を「球根植物」という。園芸では、常緑草と宿根草を合わせて宿根草と呼んでいる。また園芸方面であえて「多年草」と呼ぶ場合には常緑草のことを挿す。
多年生植物の繁殖
球根植物は原則として分球によって増やすが、タネから1年で開花するものを一度に大量に増やしたい場合(ユリ類、アネモネ、ラナンキュラス、ダリアの一部など)は、実生で増やす。宿根草では実生の他、挿し芽、株分けなどが行われる。
備考
「多年生」や「一年生」という語は、植物に限らず生物全般に対して用いることができる表現である。
関連項目
外部リンク
「多年生」の例文・使い方・用例・文例
- なぜ一種の植物が一年生の草本になったり、多年生の木本になったりするのでしょうか。
- 多年生植物
- 普通のキンポウゲは人気のある多年生植物である
- コンブ科の標準属:多年生の茶の海藻
- 頑強な多年生植物
- 木質茎を持つ多年生草本
- ガメトフォアが直立した多年生のコケで、茎には列をなした葉と垂れ下がった胞子嚢がつく
- 一年草、二年草または多年生草本:キンポウゲ
- 春に黄色の花が咲く欧州産の多年生のキンポウゲで、北米東部に広く帰化している
- ハート型の葉と黄色い花があり、キンポウゲに類似している、ヨーロッパ原産であるが、ほかの場所で帰化している多年生草本
- 欧州産の多年生草本で長い匍匐茎を持つ
- ユーラシア産の有毒の多年生草本で、広くて円い葉と黄色の花、繊維質の根茎を持つ
- 北米産の多年生草本で三裂葉を持ち、小さな白い花は総状花序について、あとに明るい赤の楕円形の有毒な実をつける
- 一年生あるいは多年生の草本
- 塊根と美しい花がある多年生草本
- 温帯北部地域の多年生草本の小さな属:サラシナショウマ
- 丈の低い多年生の草本の小さな属で、黄色の根茎と白または黄色の花を持つ
- 温帯北部地域の主に多年生の直立して分枝する草本の大きな属で、有毒のものもある
- 旧世界産の多年生草本の小さな属で、早春、しばしば雪が溶ける前に咲く明るい黄色の花が目的で栽培される
- 温帯北部地方の多年生草本の小さな属
- 多年生のページへのリンク