強塩基
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強塩基(きょうえんき、strong base)とは、塩基解離定数の大きい塩基を指し、狭義には水溶液中において電離度が1に近く水酸化物イオンを定量的に生成し、塩基解離定数がpKb < 0 (Kb > 1 ) 程度のものをいう。水溶性でかつ水溶液中において強塩基であるものは特に強アルカリ(きょうアルカリ、strong alkali)とも呼ばれる。このようなものはタンパク質を加水分解する性質が強く、皮膚などを強く腐食し、目に入ると失明する恐れもある。
強塩基
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 01:21 UTC 版)
希薄水溶液中においては、水酸化物イオン活量 aOH− も mol/L 単位で表した水酸化物イオン濃度 [OH−] の数値にほぼ等しいと近似できる。よって水酸化物イオン指数は以下の式で近似することができる。 p O H = − log 10 [ O H − ] m o l / L = log 10 1 [ O H − ] / ( m o l / L ) {\displaystyle \mathrm {pOH} =-\log _{10}{\frac {[\mathrm {OH} ^{-}]}{\mathrm {mol/L} }}=\log _{10}{\frac {1}{[\mathrm {OH} ^{-}]/(\mathrm {mol/L} )}}} 適度な濃度(1 mol/L ないし 1 μmol/L、すなわち 100 - 10−6 mol/L)の水酸化ナトリウム水溶液の水酸化物イオン濃度 [OH−] は、水酸化ナトリウム水溶液のモル濃度 CNaOH に等しい。よって水酸化ナトリウム水溶液のpOHは、この式から直ちに計算することができる。25℃におけるアルカリ性の水溶液のpHは、関係式 pH + pOH = 14.00 から計算できる。 CNaOH = 0.01 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液 pOH = −log10 0.01 = 2 pH = 14.00 − 2 = 12 水酸化カリウムなどの他のアルカリ金属の水酸化物の場合も、アルカリのモル濃度 CMOH が 100 - 10−6 mol/L の範囲にあるなら、水酸化ナトリウム水溶液と同様にpOHを計算できる。溶質が強塩基ではなく弱塩基の場合は、後述するように、塩基解離平衡や加水分解を考慮する必要がある。 第2族元素(アルカリ土類金属)の水酸化物は、金属イオン1モルにつき水酸化物イオンを2モル含むイオン結晶である。これらの結晶が水に溶けるとき、濃度が十分に低ければ水酸化物イオン濃度 [OH−] は水酸化物 M(OH)2 (M = Mg, Ca, Ba など) の濃度 CM(OH)2 の2倍に等しい。水酸化物の濃度が高くなると、金属イオンの加水分解 M 2 + + OH − ↽ − − ⇀ M ( OH ) + {\displaystyle {\ce {M^2+ + OH^- <=> M(OH)+}}} が起こるので、[OH−] は 2CM(OH)2 よりも小さくなる。しかしながら、第2族元素の金属イオンはアルカリ金属イオンに次いで加水分解しにくいイオンであり、また第2族元素の水酸化物の水への溶解度は比較的小さいので、簡単のため、[OH−] = 2CM(OH)2 と置いてpOHを計算することが多い。 水酸化カルシウムの飽和水溶液 25℃における飽和水溶液のモル濃度は 20.3×10−3 mol/L である。 pOH = −log10(2×20.3×10−3) = 1.4 pH = 14.00 − 1.4 = 12.6 水酸化マグネシウムの飽和水溶液 25℃における飽和水溶液のモル濃度は 16.6×10−5 mol/L である。 pOH = −log10(2×16.6×10−5) = 3.5 pH = 14.00 − 3.5 = 10.5 水酸化マグネシウムは強塩基であるが、水に対する溶解度が低いため、その水溶液は弱アルカリ性になる。
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「強塩基」の例文・使い方・用例・文例
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