強圧的ベクトル場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/02 15:21 UTC 版)
ベクトル場 f : Rn → Rn が強圧的(coercive)であるとは、 f ( x ) ⋅ x ‖ x ‖ → + ∞ as ‖ x ‖ → + ∞ , {\displaystyle {\frac {f(x)\cdot x}{\|x\|}}\to +\infty {\mbox{ as }}\|x\|\to +\infty ,} が成り立つことをいう。ここで " ⋅ {\displaystyle \cdot } " は通常のドット積で、 ‖ x ‖ {\displaystyle \|x\|} はベクトル x の通常のユークリッドノルムである。 コーシー=シュワルツの不等式より、 x ∈ R n ∖ { 0 } {\displaystyle x\in \mathbb {R} ^{n}\setminus \{0\}} に対して ‖ f ( x ) ‖ ≥ ( f ( x ) ⋅ x ) / ‖ x ‖ {\displaystyle \|f(x)\|\geq (f(x)\cdot x)/\|x\|} が成り立つことから、強圧的ベクトル場は特にノルム強圧的でもある。しかし、ノルム強圧的な写像 f : Rn → Rn は必ずしも強圧的ベクトル場ではない。例えば、90° の回転 f : R2 → R2, f(x) = (-x2, x1) はノルム強圧的であるが、すべての x ∈ R 2 {\displaystyle x\in \mathbb {R} ^{2}} に対して f ( x ) ⋅ x = 0 {\displaystyle f(x)\cdot x=0} であるため、強圧的ベクトル場ではない。
※この「強圧的ベクトル場」の解説は、「強圧的函数」の解説の一部です。
「強圧的ベクトル場」を含む「強圧的函数」の記事については、「強圧的函数」の概要を参照ください。
- 強圧的ベクトル場のページへのリンク