二酸化窒素とは? わかりやすく解説

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にさんか‐ちっそ〔ニサンクワ‐〕【二酸化窒素】

読み方:にさんかちっそ

一酸化窒素空気または酸素反応して生成する刺激臭のある赤褐色気体有毒常温では一部重合して無色四酸化二窒素N2O4となり、それとの平衡混合物になる。とは反応して硝酸となる。化学式NO2


二酸化窒素(NO2)

一酸化窒素(NO)とその2分の1体積の酸素との作用,あるいは硝酸鉛または硝酸銅固体熱すると発生し赤褐色刺激性ガスとして最も特色あります溶解しにくいので肺深部達し,しかも吸収時の苦痛があまり烈しくないので,はなはだ危険で,急性中毒死の例が多く報告されています。作用遅発性高濃度ガス呼吸数時間以上経過して突然強い症状現れます。120~150ppmでは短時間でも危険です。障害一般に一過性であり,慢性中毒有無についてはまだ明らかでありません。 
環境基準1時間値一日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。大気汚染防止法特定物質

二酸化窒素


物質名
二酸化窒素
化学式
NO2
原子量
46.0
融点(℃)
-9.3
沸点(℃)
21.3
密度(g/cm3
1.49

気体二重化してN2O4となりやすい傾向を持つ。

二酸化窒素

英訳・(英)同義/類義語:nitrogen oxide

NO2

二酸化窒素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/23 01:48 UTC 版)

二酸化窒素
識別情報
CAS登録番号 10102-44-0 
PubChem 3032552
EC番号 233-272-6
国連/北米番号 1067
ChEBI
RTECS番号 QW9800000
特性
化学式 NO2
モル質量 46.01 g mol−1
外観 褐色気体
密度 1449 kg/m3 (液体、20 ℃)
3.4 kg/m3 (気体、22 ℃)
融点

-11.2 °C, 262 K, 12 °F

沸点

21.1 °C, 294 K, 70 °F

への溶解度 分解
屈折率 (nD) 1.449 (20 ℃)
構造
分子の形 折れ線形, C2v
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 0930
EU分類 T+猛毒
C腐食性
EU Index 007-002-00-0
NFPA 704
0
3
0
OX
Rフレーズ R26, R34
Sフレーズ (S1/2), S9, S26, S28,S36/37/39, S45
引火点 不燃性
関連する物質
関連する窒素酸化物 亜酸化窒素
一酸化窒素
三酸化二窒素
四酸化二窒素
五酸化二窒素
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
試験管から発生する二酸化窒素

二酸化窒素(にさんかちっそ、: nitrogen dioxide)は、NO2 という化学式で表される窒素酸化物で、常温・常圧では赤褐色の気体または液体である。窒素酸化数は+4。窒素と酸素混合気体電気火花を飛ばすと生成する。環境汚染の大きな要因となっている化合物である。赤煙硝酸の赤色は二酸化窒素の色に由来している。大気中の濃度は、約0.027 ppm。二酸化窒素は常磁性の、C2v対称性を持つ曲がった分子である。二酸化窒素のルイス構造は安定している。

性質

二酸化窒素は21.2 °C (294.3 K) 以上で刺激性な不快臭を有する赤褐色の気体であり、21.2 °C (294.3 K) 以下では黄褐色の液体となり、−11.2 °C (261.9 K) 以下で無色の四酸化二窒素(N2O4)へと変化する[1]

窒素原子と酸素原子との間の結合長は119.7 pmである。この結合長は1と2の間の結合次数に一致する。

窒素が1つの不対電子を持つため、オゾン(O3)とは異なり二酸化窒素窒素の基底電子状態は二重項状態である[2]。不対電子は亜硝酸イオンと比べてα効果英語版を低下させ、酸素の孤立電子対との弱い結合性相互作用を作る。NO2中の孤立電子はこの化合物がラジカルであることも意味する。そのため、二酸化窒素の化学式は NO2と書かれることが多い。

赤褐色は青色光(400 -500 nm)の優先吸収の結果であるが、吸収は(短波長側では)可視光領域中に、(長波長側では)赤外へと拡がっている。およそ400 nmより短い波長の光の吸収は光分解をもたらす(NO + O〔原子状酸素〕が形成される)。大気中では、形成されたO原子のO2への付加によりオゾンが生成する。

二酸化窒素は不対電子を持つラジカルであり、常磁性分子である。電子遷移のエネルギーが低いため、可視領域に吸収を持ち着色して見える。二酸化窒素は直線状分子ではなく、結合長や結合角は対応するアニオンおよびカチオンの中間の値を取る[3]

化学式 O-N-O 結合角 (°) N-O 間距離 (Å)
NO2+ 180 1.154
NO2 134 1.197
NO2 115 1.236

生成

種々の物質の燃焼過程、硝酸等の物質の製造過程などでの副生成物として意図せず発生する。この燃焼では窒素酸化物の大部分が一酸化窒素として発生するが、大気中での光反応などにより酸化され生成する。その他、生物活動に由来する自然発生があり、地球規模で考えるとこれが発生源の大部分となっている。都市地域の固定発生源移動発生源などによる高密度の発生が知られており、これが大気汚染の原因のひとつとなっている。

大気汚染の原因物質である一酸化窒素の空気酸化により、二酸化窒素が生成する。

空気中でアンモニア白金触媒と共に850 ℃に加熱すると、空気酸化により二酸化窒素が生成する。

カテゴリ

二酸化窒素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/23 21:50 UTC 版)

大気汚染注意報」の記事における「二酸化窒素」の解説

二酸化窒素注意報 名称:注意報 基準:0.500ppm以上の場合。 二酸化窒素重大警報 名称:重大警報、重大緊急警報 基準:1.000ppm以上の場合。 二酸化窒素の環境基準1時間値ではない。日平均値0.04ppm~0.06ppmまたはそれ以下という基準定められている。

※この「二酸化窒素」の解説は、「大気汚染注意報」の解説の一部です。
「二酸化窒素」を含む「大気汚染注意報」の記事については、「大気汚染注意報」の概要を参照ください。

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