石油アスファルト
石油アスファルト
石油アスファルト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 00:49 UTC 版)
石油アスファルトは、原油を精製して石油製品を製造する過程で最後に残った残油で出来ている。石油アスファルトを大別すると、ストレートアスファルトとブローンアスファルトに大別される。ストレートアスファルトは、原油中のアスファルト成分が変化しないように製造されたものである。性状は、伸び・付着性・感温性が大きく、軟化点が低い特徴があり、主に道路などの舗装に使用されている。ブローンアスファルトは、製造中に空気を吹き込んで酸化させたものである。性状は、伸び・付着性・感温性が小さく、軟化点が高い特徴があり、主に目地や防水用に使われている。 製造過程は、原油を常圧蒸留することでLPG、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油が留出され、残った常圧重質油からさらに加熱して減圧蒸留することで、重油、潤滑油が生成される。そして最後に残った減圧重質油(減圧残油)がストレートアスファルトになる。減圧重質油から溶剤脱瀝青装置、二次減圧残留装置、ブローイング装置を通すと、脱瀝青アスファルト、ストレートアスファルト、セミプレーン・アスファルト、ブローン・アスファルトなどが生成される。ブローンアスファルトは、200 - 300℃の高温下で減圧重質油にブローイング(空気を吹き込む)することによって酸化させて抽出したものである。 アスファルトの性質は、原油産地や石油精製方法によって異なる。使用目的に適したアスファルトを選別するために、さまざまな性質について試験が行われている。 針入度アスファルトの堅さを表す尺度。25℃のアスファルトの表面に、100gの重りをつけた規定の針を5秒間貫入させたときの貫入量を、0.1 mmあたり1単位で表したもの。 軟化点軟らかくなりやすさを表す尺度で、温度上昇とともにアスファルトがある程度軟らかくなる時の温度。規定寸法のアスファルト供試体の上に鋼球を載せて、周囲温度を一定速度で高めたときに、アスファルトが軟化して鋼球が1インチ(25.4 mm)沈み込んだ時の温度を測定する。 伸度アスファルトの伸びやすさを表す尺度。規定寸法のアスファルト供試体を、所定温度の水中で一定速度で引き延ばしていき、破断したときの伸び長さをcm単位で表す。 引火点アスファルトの引火しやすさを表す尺度。規定量入ったアスファルト容器を一定割合で加熱したとき、アスファルト表面から発生した蒸気に引火する時の温度を℃単位で表す。 粘度アスファルトの粘りの度合いを表す尺度。高温(120 - 200℃)状態の粘度や、60℃での粘度を求める場合がある。アスファルトが規定の毛細管を流れるのに要する時間を計測できる計器を通して求められる。 タフネス・テナシティアスファルトが骨材を把握する強さを表す尺度(タフネス)と、大きな変形に対するアスファルトの抵抗の大きさ(テナシティ)を表す尺度。アスファルト表面に規定サイズの半鋼球を埋め込んで一定速度で引き抜いたときに得られる、引抜力と変位量の関係を曲線図で表したもの。改質アスファルトの品質検査で用いられる。
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