残油
【英】: residual oil
原油を常圧蒸留してガス、ガソリン留分、灯油留分および軽油留分を留出させた残りの油のことを常圧蒸留残油といい、これをさらに減圧蒸留することにより減圧軽油を留出させた残りの油のことを減圧蒸留残油という。残油とは、この二つを区別しない場合の呼び方である。常圧蒸留残油はロング・レジデュー(long residue)またはトップト・クルード(topped crude)すなわち抜頭原油とも呼ばれる。常圧蒸留残油はそのまま各種重油の調合材にしたり、水素化脱硫を行って低硫黄重油の基材にしたりする。またさらに減圧蒸留装置で処理して減圧軽油と減圧残油とに分け、前者は接触分解原料油、低硫黄重油基材のための水素化脱硫用原料油および潤滑油製造原料油に、後者はアスファルトや重油調合材などになる。減圧蒸留残油はショート・レジデュー(short residue)とも呼ばれる。(→残査燃料油) |
残油
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 02:28 UTC 版)
常圧蒸留で蒸留できない残油は、減圧蒸留(真空蒸留)する。潤滑油と半固体の油脂(ワセリンを含む)は、炭素数16から炭素数20の範囲である。 炭素数20以上の鎖状炭化水素は固体であり、パラフィンワックスを皮切りに、タール、アスファルトの順である。 常圧蒸留留分の名称と沸点(℃)を示す: 石油エーテル (petrol ether) :40 - 70℃ (溶媒用) 軽ガソリン (light petrol) :60 - 100℃ (自動車燃料) 重ガソリン (heavy petrol) :100 - 150℃ (自動車燃料) 軽ケロシン (light kerosene) :120 - 150℃ (家庭用溶媒・燃料) ケロシン (kerosene):150 - 300℃ (ジェット燃料) ガス油 (gas oil):250 - 350℃ (ディーゼル燃料/軽油/灯油) 潤滑油:> 300℃ (エンジン・オイル) 残留分:タール、アスファルト、残余燃料
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