乾留
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/06 07:16 UTC 版)
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乾留・乾溜(かんりゅう)とは、不揮発性の固体有機物を空気を断ったまま強熱して熱分解すると同時に、その分解生成物を揮発性有機化合物と不揮発性物質に分けることである。
概要
空気を断つことによって自然発火を抑え、熱分解反応を進行させる。熱分解の結果、水や二酸化炭素、可燃性ガス、揮発性有機化合物などが生成して留出し、炭素や炭酸塩が残る。
実験室的な例では酢酸ナトリウムの乾留によるメタンの発生が挙げられる。
- CH3COONa + NaOH → Na2CO3 + CH4↑
産業上の利用例としては石炭の乾留によるコークスとコールタールの製造、木材の乾留による木炭・木酢液・木タールの製造、生ゴミを乾留して炭と可燃性ガスに変え、燃料として再資源化することなどがある。
歴史的な例としてはトーマス・エジソンは日本の竹を乾留して得られた炭素電極を使用して白熱電球を発明した。また太平洋戦争末期の日本で針葉樹の根を乾留して得られる松根油を航空機燃料とする検討が行われたことがある。
例えば木を乾留すると木タール・木酢液・木ガスが発生する。ちなみに木酢液は強い酸性を示しBTB液をたらすと黄に変化する(青リトマス紙は赤に変化)。木ガスは水素・一酸化炭素・メタンが含まれている気体である。
また酢酸カルシウムを乾留するとアセトンと炭酸カルシウムが得られる。
関連項目
外部リンク
「乾留」の例文・使い方・用例・文例
- 乾留.
- 瀝青炭を乾留することによって精製される混合気体で、暖房や照明に用いられる
- 酢酸,メタノール,アセトン,木油,やにを含む木材の乾留の過程で生成される赤茶色の液体
- (有機固体を)乾留する
- 琥珀を乾留して得られる油
- 低温乾留という乾留方法
- 木タールという,木材を乾留して生ずる黒渇色タール
- ガスコークスという,石炭を高温乾留した時にできるコークス
- 石油を乾留した際の残留物
- 石炭ピッチという石炭の乾留でえられたコールタールを蒸留したときの釜残油
- 木ガスという,木材を乾留するときに生ずるガス
- コークスという石炭を高温乾留して作った物質
- コールタールという石炭を高温乾留して得られる油状液体
- 琥珀の乾留のよって得られる無色の有機酸
- 木酢という,木材を乾留して得られる水溶性液体
乾留と同じ種類の言葉
品詞の分類
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