生ゴミとは? わかりやすく解説

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生ゴミ

読み方:なまゴミ
別表記:生ごみ

水分多く含む有機物ゴミ厨芥などを指すことが多い。

なま‐ごみ【生×塵】

読み方:なまごみ

台所から出る、野菜などのくずや残りかすなど、水けのあるごみ。厨芥(ちゅうかい)。

「生塵」に似た言葉

生ごみ

(生ゴミ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/19 15:05 UTC 版)

生ごみ

生ごみ(なまごみ、Food waste)は水分を多く含む食材残渣などの廃棄物厨芥(ちゅうかい)[1][2]あるいは厨芥類ごみ[3]ともいう。食品廃棄物と同義とされることもある[2]

概要

広義の生ごみは一般廃棄物と産業廃棄物に分けられ、産業廃棄物には食品製造業で排出される動植物性残渣を含む[2]。また、一般廃棄物の生ごみは家庭系のもの(食べ残しや調理くずなど)と事業系のもの(スーパーマーケット、レストラン、ホテル、デパートなどから排出される売れ残りの商品や調理くず)に分けられる[2]

狭義には「家庭から排出される台所ごみ」をいう[1]。また、家庭から排出されるごみに限定した上で、粗大ごみを除いたごみの総称とすることもある[1]

食料品は、衛生的に鮮度を保つため、また安全に、かつ商品価値を高めるために工夫された容器で運ばれ消費される[1]。そのため食生活に付随して発生する廃棄物には、食糧そのものと、それに付随する容器・包装類がある[1]。また、食糧そのものの廃棄物も、調理時に廃棄される調理かすと、食事後の残留物である食べ残しがある[1]

歴史的には食生活に伴って発生する生ごみは、イヌブタなど飼育する動物の餌となったり、庭で堆肥化されて野菜類の栽培に用いられた[1]。ただ、処理物の量的な急増と生ごみに含まれる動植物性廃棄物量の相対的低下など自然循環型の処理は次第に難しくなった[1]。それでも生ごみの減量化の観点から、厨芥等の資源化や発生廃棄物の制御(食品容器や包装資材の改善)といった取り組みが行われている[1]

食べ残しについては厨芥として排出されるが、一部は水洗い時に下水あるいは家庭雑排水に含まれるものもある[1]。排水溝に野菜くず等を破砕するディスポーザーを設置して排水処理槽に送るシステムが導入される場合もある[4]

課題

生ごみには以下のような特性と課題があるとされる。

厨芥中の水分[1]
厨芥中には多くの水分が含まれる点が課題となっており、収集時の汚水の飛散、分解促進、悪臭源などの原因となる[1]。生ごみは、多くの場合において物質に含まれる水分によって腐敗する性質がある[5]。厨芥中の水分は焼却時にカロリー低下を引き起こす問題もあり、余熱利用の観点からも望ましくないとされる[1]
プラスチックの混入[1]
生ごみ中には使い捨て容器や食品の包装としてプラスチックが混入するが、塩化水素濃度を高くする要因となっている[1]

処理

堆肥化

堆肥化(コンポスト化)とは、生ごみを好気性の微生物の働きにより肥料にすることをいう[3]

専門の大規模施設で行うものから一般家庭で段ボールを使用して行うものまであるが、その原理は同じである[3]。ただし、野外で堆肥化を行う方法は等がなければ困難であり実践できる家庭が少なくなる[3]

生ごみを脱水してその容積を減らすための生ごみ処理機も登場している。また、コンポスト化と乾燥方式を組み合わせた方式の処理機も販売されている[6]

日本では自治体などが先導する形で生ごみ処理機の導入に補助金を出すなど、ごみの減量化に対する社会動向も見られる[7]

このほかシマミミズを使ったミミズ堆肥や、アメリカミズアブコウカアブなどのミズアブ科の幼虫に生ごみを与え、その幼虫をニワトリなどの家畜家禽養殖魚の生き餌とする方法も考案されている[8][9]。この場合は生ごみが「ごみ」ではなく「資源」とみなせる主張もある[10]

飼料化

飼料化(エコフィード)には、乾燥方式、湿式、その他の方式がある[3]。乾燥方式のメリットは飼料の保存性が高まり輸送が可能となることであるが、加工には乾燥コストがかかる[3]。湿式は二酸化炭素の排出量を抑えることができ、家畜の嗜好性も良いものができるが、専用設備の導入に多額の費用がかかる[3]

燃料化

乾燥させた場合は、バイオマス燃料として利用できる余地があり[11]プラスチック発泡スチロールなど合成樹脂のごみと混ぜ合わせて圧縮・ペレット化して火力発電に利用しようという「廃棄物固形燃料」計画もある。ただし廃棄物固形燃料は水に濡れると発酵が始まり、発酵熱で自然発火した事例もある[12]

メタン発酵させてメタンガスを取り出し、これを燃焼させてエネルギーとして回収するバイオガス化の取り組みもある[3]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 田中 勝「生ゴミの処理」『化学教育』第32巻第4号、公益社団法人日本化学会、1984年、312-315頁。 
  2. ^ a b c d 津田 治,大江 靖雄「生ごみに関する経済学的研究成果と今後の課題」『食と緑の化学』第60号、2006年、79-83頁。 
  3. ^ a b c d e f g h 鈴木 悠「厨芥類リサイクルの取り組みと課題 : バイオガス化に着目して」『現代社会研究』第13号、東洋大学現代社会総合研究所、2015年、211-218頁。 
  4. ^ ディスポーザー導入普及啓発資料 - 農林水産省農村振興局地域整備課、2025年8月19日閲覧
  5. ^ 裏ワザシリーズ第2弾”. 株式会社遠藤商会 (2015年9月9日). 2024年12月29日閲覧。
  6. ^ https://taskle.jp/hikaku/articles/33 生ごみ処理機
  7. ^ 自治体の購入助成金制度検索 | 家庭用電気式生ごみ処理機”. パリパリキューブ. 2024年12月29日閲覧。
  8. ^ アメリカミズアブの仕事 - About the Bugs
  9. ^ それは「生ゴミ」じゃない。ハエの「エサ」なんです。 | ボイス・オブ・ユース JAPAN
  10. ^ 服部雄一郎のゼロ・ウェイスト・ホームへの道 第5回 台所のゼロ・ウェイスト① ~生ごみコンポスト編
  11. ^ 生ごみがエネルギーに! | バイオエナジー株式会社”. バイオエナジー株式会社 | 生ごみを、電気と都市ガスに変える。 (2016年3月23日). 2024年12月29日閲覧。
  12. ^ ごみ固形燃料(RDF)の火災危険性と事故原因について”. 労働安全衛生総合研究所. 2024年12月29日閲覧。

関連項目


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