アラキドン酸カスケード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/14 13:45 UTC 版)
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アラキドン酸カスケード(アラキドンさんカスケード)とは、細胞膜を構成するリン脂質由来のアラキドン酸を原料としてプロスタグランジン (Prostaglandin, PG) 類やトロンボキサン (Thromboxane, TX) 類などの脂質メディエーターを作る代謝経路である。
概要
リン脂質は細胞膜の主要な構成成分であり、その構造中には親水性基と2本の疎水性基を持つ。この疎水性基をリン脂質から切り出す酵素であるホスホリパーゼA2 (PhospholipaseA2, PLA2) によって細胞膜から遊離した脂肪酸(アラキドン酸)が、その後に全身の細胞にあるシクロオキシゲナーゼ (Cyclooxygenase, COX) によってプロスタグランジン類やトロンボキサン類に代謝される。一方、とくに白血球や血小板にあるリポキシゲナーゼ (Lipoxygenase, LOX) が働くとロイコトリエン (Leukotriene, LT) 類に代謝される。これらの代謝物はアラキドン酸代謝物およびエイコサノイドと総称され、それぞれ異なる種々の生理活性を示す。
アラキドン酸代謝物
アラキドン酸カスケードを阻害する医薬品
シクロオキシゲナーゼ阻害薬

非ステロイド系抗炎症薬 (Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs, NSAIDs) は、COX-2(シクロオキシゲナーゼA2)の阻害によって抗炎症作用を示す。
副腎皮質ホルモンは、ホスホリパーゼA2阻害によって抗炎症作用を示す。
リポキシゲナーゼ阻害薬
- アゼラスチンなど
関連項目
外部リンク
アラキドン酸カスケード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 07:13 UTC 版)
「プロスタグランジンE2」の記事における「アラキドン酸カスケード」の解説
PGE2をはじめとしたエイコサノイドは炭素数20の不飽和脂肪酸を原料に生合成されることが知られており、食物由来物質の中ではアラキドン酸の含量が多い。このことからエイコサノイドの合成系をアラキドン酸カスケードと呼んでおり、PGE2も精嚢腺や肺などにおいてアラキドン酸から生成される。 アラキドン酸カスケードでのPGE2合成反応は以下の4段階に分けられる。1) 生体膜のリン脂質のsn2位にエステル結合しているアラキドン酸がホスホリパーゼA2 (PLA2) と呼ばれる酵素により切り出される。2) 遊離したアラキドン酸はシクロオキシゲナーゼ (COX) により代謝されPGG2になる。この際、アラキドン酸がリポキシゲナーゼ (LOX) による代謝を受けるとロイコトリエンの合成系に入っていくが、本題から外れるため詳述しない。3) さらにPGG2はPGH2に変換され、この反応もCOXが担う。つまり、COXの関与する反応はアラキドン酸→PGG2とPGG2→PGH2の二段階であり、前者をシクロオキシゲナーゼ反応、後者をヒドロペルオキシダーゼ反応と称する。4) プロスタグランジンE合成酵素 (PGES) の働きによりPGH2からPGE2が作られる。
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