エライジン化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/26 14:28 UTC 版)
エライジン化[1](英:Elaidinisation)とは、二重結合の方向がシス型からトランス型に変化する化学反応のことを言う。エライジン化は、脂肪と油脂で不飽和度を減少させることなく融点と保存期間の両方を高めるためにしばしば用いられている。エライジン化で生成される典型的な生成物はトランス型不飽和脂肪酸である。
語源
この語源は、オレイン酸のトランス異性体であるエライジン酸から来ている。
反応
植物油の一般的な成分であるオレイン酸のエライジン化は、オレイン酸のトランス異性体であるエライジン酸を生成する。
オレイン酸 | エライジン酸 |
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オレイン酸は、シス型の不飽和脂肪酸であり、天然の植物油の一般的な成分である。融点16.3°C。 | エライジン酸は、トランス型の不飽和脂肪酸であり、植物油の部分的な水素添加やエライジン化によって生成される。融点43-45℃。 |
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この脂肪酸は、同一の化学式で二重結合の方向のみが異なる幾何異性体である。 |
脚注
関連項目
エライジン化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 06:10 UTC 版)
オレイン酸などcis型不飽和脂肪酸を亜硝酸、セレン、亜硫酸などを作用させて(付加と引き続く脱離反応で)融点の高いトランス体へと変換することをエライジン化 (Elaidinization) と呼ぶ。トランス体へと変換された脂肪酸をトランス脂肪酸と呼ぶ。特にオレイン酸は広く一般の油脂の成分として見出され、油脂をエライジン化すると融点が上昇して固化するが、リノール酸・リノレン酸あるいは高度不飽和脂肪酸グリセリドの場合は固化しないので、オレイン酸の存在の指標とされることがある。
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