三重水素とは?

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 化学 > 化学物質 > 重水素 > 三重水素の意味・解説 

さん じゅうすいそ -ぢゆう- [5] 【三重水素】 〔tritium〕


放射性トリチウム

読み方:ほうしゃせいトリチウム
別名:三重水素
英語:radioactive tritium

水素放射性同位体。主に人工放射性元素として扱われる。天然でも、宇宙線影響によって生成されている。

放射性トリチウムは発光する性質持ち微量では腕時計方位磁石などの蛍光材料として用いられる場合がある。ただし、使用量は法定規制値範囲に限られる。

2011年9月千葉県で、高濃度の放射性トリチウムを含んだ「光るキーホルダー」を輸入し、転売しようとした15歳少年が「放射線障害防止法違反」の疑い書類送検されている。

三重水素

分子式 H2[3H2]
その他の名称:三重水素、水素(T2)、三重水素分子Hydrogen (T2)、トリチウム分子トリチウム


三重水素

読み方さんじゅうすいそとりちうむ
別名:トリチウム

水素一種で,原子核陽子1個,中性子2個から構成され,三重水素原子では,この原子核周りを1個の電子がまわっています。放射性物質であり,約13年崩壊し,三重水素原子核ヘリウム変わります。時計夜光塗料にも使われることがあります

三重水素

英訳・(英)同義/類義語:tritium

水素放射性同位元素で、原子核陽子1個と中性子2個を持ち、低エネルギーベータ線を発して崩壊する。3H

三重水素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/07 08:40 UTC 版)

三重水素(さんじゅうすいそ)またはトリチウム: tritium、記号: T[1])は、質量数が3である水素の同位体、すなわち陽子1つと中性子2つから構成される核種であり、半減期12.32年で3Heへとβ崩壊する放射性同位体である。他の核種と同様に水素3(すいそ-、: hydrogen-3、記号: 3H)とも呼ばれるが、歴史的経緯から固有の名称が与えられている。これはギリシャ語で「三番目」を意味するτρίτος(trítosトリトス)に由来する。


  1. ^ T という記号は三重水素という水素の同位体に対して特別に割り当てられた記号である。通常、元素の同位体の記号は元素と共通であり、左肩に質量数を付与して同位体であることを示すのが一般的である。このようにある元素の同位体に対して特別な記号が与えられているものとしては、他には二重水素 (D) がある。
  2. ^ 第2周期までの中ではベリリウム10 (151万年)、炭素14 (5730年)に次ぐ3番目に長い半減期を持つ。
  3. ^ よくあるご質問(FAQ)”. 核融合科学研究所. 2019年9月16日閲覧。
  4. ^ 水分子は水素原子2個と酸素原子1個からなることから、その化学式は良く知られているように、
    H2O
    である。これを全原子を明示する形に冗長に書けば、
    HHO
    となる。地球上に存在する大半の水素と酸素の質量数はそれぞれ1と16であるので、質量数を明示する形でさらに冗長に書けば、
    1H1H16O
    となる。ところで、トリチウム水とは水分子の一つ(または二つのこともあるかもしれないが今は考えない)の水素 1H が3倍の重さの三重水素 3H に置き換わったものであった。したがって、トリチウム水であれば水分子の式は、
    1H3H16O
    と書ける。さらに、三重水素 3H には特別な略記号 T が与えられていた。すなわち、3H は単純に T に置き換えて良い。したがって、
    1HT16O
    と書ける。ここで最後に、左肩の質量数の添字を省略すれば、トリチウム水を表す水分子の式は、
    HTO
    となることがわかる。
  5. ^ トリチウム水 HTO は、天然存在濃度では、軽水( H2O)と性質や反応にほとんど違いがなく、水の理想的なトレーサーとしての利用がある。宇宙線の作用による生成速度を一定とみなせば、放射性壊変による消失速度が一定であるので、地球における天然の三重水素総量は古今とも一定値となる。 大気循環しているトリチウム水濃度はおおまかに地球上で動植物も含め一定値と考え、水中濃度の低下量から大気循環から外れた期間を知る地下水年代測定が可能である。土木、農業分野での地下水流動の実証的な調査に役立てられている。
  6. ^ 日本国内で測定された最高値は、原発事故を起こした福島第一原発の港湾内2・3号機取水口間にて2014年5月12日に採取した海水から1900 Bq/L検出されている。放射能濃度、5カ所で最高値=福島第1港湾内外の海水—東電 2014 年 5 月 16 日 20:30 JST 更新 ウォールストリートジャーナル
    他の原発の例では、1991年2月9日に美浜原発の放射能漏れ事故の際に、福井県美浜町沖の海水で1991年2月18日に測定された490 Bq/Lであった。また、東海再処理施設の排水の影響により、茨城県東海村沖で1990年1月1日に190 Bq/Lの三重水素が海水から検出されている。
  7. ^ 日本国内の環境中における三重水素濃度は、文部科学省の委託で日本分析センター環境放射線データベースを公開している。世界の環境水中の三重水素濃度は、国際原子力機関(IAEA)がGNIPデータベース(Global Network for Isotopes in Precipitation)として公開している。また、放射線医学総合研究所のGNIPデータベース用の測定データも環境中のトリチウム測定調査データベースNETS DBで利用申し込みにより無料で検索できる。
  8. ^ 1[PBq](1ペタベクレル)=1015[Bq](1千兆ベクレル)
  9. ^ 宇田(2009)
  10. ^ 核兵器(分裂と融合)の大気圏内核実験により環境中の濃度は、それ以前の天然存在量の200倍程度へと急増したが、環境中への放出量の減少により漸減している。百島則幸:トリチウムの環境動態 富山大学水素同位体科学研究センター研究報告
  11. ^ なお、再処理施設からの放出実績および基準については、表2 再処理施設からの放射性気体廃棄物の年間放出実績(1977年度〜1996年度)および表3 東海再処理施設保安規定に定める処理済廃液の放出基準および1年間の最大放出量ATOMICA:再処理施設からの放射性廃棄物の処理内図表)参照
  12. ^ 宮本 (2008)
  13. ^ 武谷(1957) p.194
  14. ^ 松岡 (1995) p. 9, 10
  15. ^ 須山 (1981)
  16. ^ 詳細は、松岡 (1995) p. 9, 10参照。なお、その事例の報告を受け国際放射線防護委員会(ICRP)の安全基準は改訂されている。同書より。
  17. ^ 放医研(1978)放医研(1986)放医研(1999)
  18. ^ 井上 (1989), 理科年表
  19. ^ 松岡 (1995) pp. 13–14
  20. ^ またトリチウム水は、分子生物学の実験などにおける、放射性同位元素標識にも利用される。
  21. ^ 一般環境中の濃度は 1〜3 Bq/L 程度と低いため、特別にバックグラウンドノイズを軽減した液体シンチレーションカウンターが必須である。なお、かつてはガスカウンターが用いられた。百島則幸:トリチウムの環境動態 富山大学水素同位体科学研究センター研究報告
    別な方法としては、崩壊で生じる 3He を質量分析装置で計測する方法もあるが、数ヶ月の期間が必要である。トリチウム 原子力資料情報室 (CNIC)
  22. ^ 原水爆実験 (1957) pp. 194–197
  23. ^ トリチウム 原子力資料情報室 (CNIC)
  24. ^ 一般的な溶媒である水そのものであるため、化学反応により溶媒に不溶性の化合物を作り沈殿させ、それをろ過するという手法などが使えない。
  25. ^ 水素は同位体の質量比がすべての元素の中で最も大きく、同位体分離が一番容易であると言われる。資料(2014) p.29
  26. ^ 資料(2014) pp.29-38、磯村 (1981)
  27. ^ 現在もっとも多くのトリチウムを生成している施設は原子炉の一種であるCANDU炉である。CANDU炉では重水を冷却と減速材に使用するため、重水中の重水素が中性子を吸収することにより生じる。トリチウムの回収はCANDU炉使用の上で重大な問題であり、回収されたトリチウムは科学的、あるいはその他の目的に使用されるが、一部は環境中に放出される。実際、カナダのブルース原子力発電所や韓国の月城原子力発電所周辺では環境中トリチウム濃度の増加が観測されている。
  28. ^ 膨大な汚染水から低濃度のトリチウムを分離するのは溶媒が水であるがために難しく、原子力施設から環境中に放出されたトリチウムは2015年現在の技術では除染できない核種である。
  29. ^ 原水爆実験 (1957) pp. 194–195。ほか、工藤 (1985) に詳しい。
  30. ^ 本来、原子炉内で核分裂に寄与しない中性子は、燃料棒などに含まれるウラン238プルトニウム239に核変換させるために利用させるため、この方法ではプルトニウムを作る代わりにトリチウムを作るということになり、プルトニウム価格に応じて高くなる。武谷著作集3 pp. 281–285
  31. ^ 宇田(2009)
  32. ^ Whitlock, Jeremy. “Section D: Safety and Liability – How does Ontario Power Generation manage tritium production in its CANDU moderators?”. Canadian Nuclear FAQ. Dr. Jeremy Whitlock. 2010年9月19日閲覧。
  33. ^ a b c 海生研ニュースNo.119 海産生物と放射性物質 −世界の海で放出されるトリチウム− (pdf)”. 海洋生物環境研究所 (2013年7月). 2019年9月16日閲覧。
  34. ^ 薮崎志穂、辻村真貴、田瀬則雄「関東における降水のトリチウム濃度の近年の変動について」『筑波大学陸域環境研究センター報告』第4巻、2003年、 119-124頁。
  35. ^ Radioactive tritium leaks found at 48 US nuke sites. MSNBC (2011-06-21). Retrieved on 2014-10-16.
  36. ^ NRC: Frequently Asked Questions About Liquid Radioactive Releases "What are normal amounts of tritium released from nuclear power plants?"
  37. ^ What does tritium do once it gets into the body?. U.S. Environmental Protection Agency (2012-04-24). Retrieved on 2013-04-29.
  38. ^ Tritium in drinking water”. Canadian Nuclear Safety Commission (2014年2月3日). 2017年2月23日閲覧。
  39. ^ a b 試験研究の用に供する原子炉等の設置、運転等に関する規則等の規定に基づき、線量限度等を定める告示別表第1(ただし、核種の表記として『3H』とするべきところ、『3H』という表記になっている。)、規制基準資料 p.3
  40. ^ Backgrounder on Tritium, Radiation Protection Limits, and Drinking Water Standards”. US NRC (2011年3月15日). 2012年2月10日閲覧。
  41. ^ 実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則九十条六・七、規制基準資料 p.2
  42. ^ a b 環境・安全専門部会報告書(環境放射能分科会) 第3節 軽水型原子力発電所からの放出実績及び被ばく評価 5
  43. ^ トリチウムの環境中での挙動”. 原子力百科事典ATOMICA. 2017年6月11日閲覧。
  44. ^ McCubbin D et al (2001). "Incorporation of organic tritium (3H) by marine organisms and sediment in the severn estuary/Bristol channel (UK)." Mar Pollut Bull. 2001 Oct;42(10):852-63. PMID 11693639
  45. ^ a b Enhancement of tritium concentrations on uptake by marine biota: experience from UK coastal waters,Hunt GJ1, Bailey TA, Jenkinson SB, Leonard KS.,J Radiol Prot. 2010 Mar;30(1):73-83. doi: 10.1088/0952-4746/30/1/N01. Epub 2010 Mar 10. PMID 20220210 (PDF)
  46. ^ Jaeschke et al. (2013). “Bioaccumulation of tritiated water in phytoplankton and trophic transfer of organically bound tritium to the blue mussel, Mytilus edulis.” J Environ Radioact. 2013 Jan;115:28-33. PMID 22863967
  47. ^ 独立行政法人 原子力安全基盤機構『原子力施設運転管理年報』、平成24年版(平成23年度実績)608頁
  48. ^ 「福島第1原発のトリチウム水、処分を議論 海洋放出軸に」日本経済新聞ニュースサイト(2018年7月13日)2018年7月16日閲覧
  49. ^ 「トリチウム水の分離可能に。近大などが装置を開発 東電福島第一原子力発電所の汚染水量削減に期待」電気新聞デジタル(2018年7月3日)2018年7月16日閲覧
  50. ^ 電気分解することにより、軽水素ガスと酸素ガスにして分離してもよい。分離後のガスは売却も可。





三重水素と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「三重水素」の関連用語

三重水素のお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング



三重水素のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
三省堂三省堂
Copyright (C) 2001-2019 Sanseido Co.,Ltd. All rights reserved.
株式会社 三省堂三省堂 Web Dictionary
新語時事用語辞典新語時事用語辞典
Copyright © 2019 新語時事用語辞典 All Rights Reserved.
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
核融合エネルギーフォーラム核融合エネルギーフォーラム
Copyright(C) Japan Atomic Energy Agency, All rights reserved.
JabionJabion
Copyright (C) 2019 NII,NIG,TUS. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの三重水素 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2019 Weblio RSS