うちゅう‐せん〔ウチウ‐〕【宇宙線】
宇宙線
英語表記:cosmic rays
地球外部から高速で飛び込んでくる放射線。大気中へ降り注ぎ一次、二次宇宙線とに分けられる。これらには素粒子や原子核も含まれる。
一個の宇宙線は、大気中の原子核と反応して、陽子、中性子、電子、光子などの放射線を生ずる。これらの放射線は宇宙線シャワーと呼ばれる。
一次宇宙線には電離性の高エネルギー放射線(陽子や軽い原子核)と一次宇宙線が大気中の原子核との相互作用により生ずる二次宇宙線(陽子、中性子、中間子、電子、光子)とがある。
地球大気へ侵入してくる荷電粒子の一次宇宙線は、地球磁場の影響を受けるため、緯度によって宇宙線の入射強度が異なる。低緯度地方ほど宇宙空間へ跳ね返されるので宇宙線の強度は高緯度ほど高い。オーロラの現象は、これによるのも。
宇宙線
宇宙線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/24 13:41 UTC 版)
宇宙線(うちゅうせん、英: cosmic ray[1])は、宇宙空間を飛び交う高エネルギーの放射線のことである[2]。主な成分は陽子であり、アルファ粒子、リチウム、ベリリウム、ホウ素、鉄などの原子核が含まれている[3]。なお、地球にも常時飛来していることが観測されている。1900年に発見された。発生源は、巨大な星の爆発やブラックホールからガスが噴き出るといった大規模な天体現象と考えられているが、特定されていない[4]。
- ^ ATOMICA「宇宙線」
- ^ 名越 2011 p.3
- ^ 住 2010 p.177
- ^ ““1グラムで地球破壊” 超高エネルギーの「宇宙線」捉える”. 2023年11月24日閲覧。
- ^ “乗鞍岳におけるミューオン強度の精密測定”. 東京大学. 2016年7月2日閲覧。
- ^ “宇宙放射線”. JAXA. 2016年7月2日閲覧。
- ^ “宇宙船搭乗員の放射線防護”. ATOMICA (2002年). 2016年7月2日閲覧。
- ^ 小玉正弘「宇宙線と土壌科学」『山梨医科大学紀要= 山梨医科大学紀要』第3巻、山梨医科大学、1986年、50-56頁、doi:10.34429/00000870、ISSN 0910-5069、NAID 110000495133。
- ^ ““1グラムで地球破壊” 超高エネルギーの「宇宙線」捉える”. 2023年11月24日閲覧。
宇宙線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 11:02 UTC 版)
「アーサー・コンプトン」の記事における「宇宙線」の解説
1930年代初頭までに、宇宙線に興味を持つようになった。当時、その存在は知られていたが、その起源と性質は不確かであった。その存在は圧縮空気もしくはアルゴン気体を含む球体の「爆弾」を使用しその導電率を測定することで検出できる。ヨーロッパ、インド、メキシコ、ペルー、オーストラリアへの旅行により、様々な高度と緯度で宇宙線を測定する機会を得た。世界中で観測を行った他のグループとともに、彼らは宇宙線が赤道よりも極で15%強いことを発見した。コンプトンはこの原因をロバート・ミリカンが提案した光子ではなく、主に荷電粒子で構成される宇宙線の効果とし、緯度の影響は地磁気によるものとした。
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宇宙線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 09:27 UTC 版)
太陽からの噴出物が外側に拡大し、惑星間空間で太陽系に向かって高エネルギー宇宙線を散乱するプラズマの密度を上昇させる。太陽の爆発現象の頻度は太陽周期に強く調節されるため、宇宙線の散乱度は周期の段階によって変化する。従って、太陽系内部の宇宙線流束は、太陽活動全体のレベルに反比例する。この反比例は、地上からの宇宙線流束の測定によっても明らかに検出される。 高エネルギー宇宙線の一部は地球の大気で大気を構成する分子と激しく衝突し、宇宙線による核破砕が生じることがある。核融合生成物には炭素14やベリリウム10のような放射性同位体があり、これらは地表に沈着する。氷床コアの中のこれらの物質の密度を測定することにより、かなり昔の太陽活動のレベルも推定することができる。これにより、20世紀中旬の太陽活動全体のレベルは過去1万年で最も高く、マウンダー極小期のような太陽活動の少ない時期は、何度も繰り返し訪れていたことが明らかとなった。
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宇宙線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 08:39 UTC 版)
1965年、マリナー4号によって、火星には宇宙線や太陽光から生物を守る磁気圏が存在しないことが発見され、1990年代後半のマーズ・グローバル・サーベイヤーによる観測で確認された。磁気圏がないことにより、数十億年に渡って太陽風が直接火星の大気に吹き付けていたと考えられている。 2007年、宇宙線によるデオキシリボ核酸やリボ核酸の損傷により、火星の地下7.5mまでには生物が存在しえないことが計算された。従って、もし火星に生命がいるとしても、今まで研究されなかった地底にいるということが確定した。
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「宇宙線」の例文・使い方・用例・文例
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