ニュートリノ天文学とは? わかりやすく解説

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ニュートリノ‐てんもんがく【ニュートリノ天文学】

読み方:にゅーとりのてんもんがく

太陽など恒星中心部で起こる核融合反応伴って発生するニュートリノ観測して恒星進化など探ろうという天文学新分野


ニュートリノ天文学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/03 13:21 UTC 版)

ニュートリノ天文学(ニュートリノてんもんがく、: neutrino astronomy)は、天文学の一分野。太陽超新星爆発で生成されるニュートリノを観測し、天文現象の解明に役立てることを目的とする。ニュートリノ天文学はまだ発展途上の分野であり、確認されている地球外のニュートリノ源は太陽と超新星SN 1987Aのみである。

観測装置としてはカミオカンデ(解体済み)、スーパーカミオカンデカムランドサドベリー・ニュートリノ天文台 (SNO)、ANTARES、BDUNT、 アイスキューブなどがある。

東京大学名誉教授の小柴昌俊ペンシルベニア大学名誉教授のレイモンド・デービスがニュートリノ天文学のさきがけとなる成果をあげたとして、2002年ノーベル物理学賞を受賞した。

歴史

宇宙から飛来するニュートリノを検出する試みは1960年代から行われている。 1964年には、レイモンド・デービスらのグループが太陽ニュートリノを検出するために行われた予備実験の成果を報告している。

1967年から、デービスはアメリカ合衆国サウスダコタ州にあるホームステイク鉱山英語版に設置した装置で太陽ニュートリノの観測を行い、太陽が核融合反応を起こしている証拠をつかんだ。しかし同時に、観測されたニュートリノが理論値の3分の1しかないという問題が発見された。これは太陽ニュートリノ問題と呼ばれる。

一方、1983年からカミオカンデで陽子崩壊実験を行っていた小柴らのグループは、1985年からペンシルベニア大学のグループと共同で実験装置を太陽ニュートリノの検出に使えるよう改造し、1987年1月1日から運用を開始した。これによって1989年、デービスの提唱した太陽ニュートリノ問題の存在を確認した。

1987年2月23日、南半球に超新星 SN 1987A があらわれ、重力崩壊に伴うニュートリノバーストが日本のカミオカンデ、アメリカのIMB、ロシアのBaksan英語版の3箇所のニュートリノ検出器で検出された。観測成果はカミオカンデのグループによりまとめられ、同年4月に発表された。これにより、超新星爆発の理論モデルの正しさが検証された。一般にはこの出来事をもってニュートリノ天文学の幕開けとされる。

2002年サドベリー・ニュートリノ天文台の研究チームによって、太陽由来とされるニュートリノからニュートリノ振動が検出され、太陽内部から放出されるニュートリノ減少に関する問題が解決された。

2006年現在、地球内部からの反電子ニュートリノを捉える実験等が進められている。また、アイスキューブ・プロジェクト等によって国際観測網の整備が進められている。

主要なニュートリノ天文台・観測プロジェクト

関連項目

外部リンク


ニュートリノ天文学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/26 01:30 UTC 版)

観測的宇宙論」の記事における「ニュートリノ天文学」の解説

ニュートリノ恒星内の核融合超新星爆発宇宙線崩壊などによって生じる。宇宙から飛来するニュートリノ観測し天文現象解明する学問がニュートリノ天文学である。 もともとは太陽核融合反応寄って生じ太陽ニュートリノ観測なされていたが、観測されるニュートリノ理論値の3分の1しかないという問題発見された(太陽ニュートリノ問題)。 小柴昌俊らのグループ用いていたカミオカンデは、陽子崩壊観測のほかに太陽ニュートリノの検出行えるようにしていた。1987年2月23日超新星SN 1987A発生し、そこから生じたニュートリノ検出された。このことから超新星爆発理論モデル検証された。 詳細は「ニュートリノ天文学」を参照

※この「ニュートリノ天文学」の解説は、「観測的宇宙論」の解説の一部です。
「ニュートリノ天文学」を含む「観測的宇宙論」の記事については、「観測的宇宙論」の概要を参照ください。

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