観測天文学
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観測天文学(Observational astronomy)は、理論天文学に対して、データの記録に関連する天文学の一分野である。望遠鏡やその他の機器を用いた天体の観測の実践である。
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- 1 観測天文学とは
- 2 観測天文学の概要
- 3 観測機器
- 4 観測
- 5 関連項目
観測天文学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 08:51 UTC 版)
天の川銀河の外にも銀河が存在する事が判明してから、初期の段階ではもっぱら可視光線の観察が行われた。ほとんどの星は可視光線領域に放射の最高点があり、銀河の観察においても可視光天文学(英語版)の主要な対象となる。また、イオン化されたHII領域や宇宙塵がつくる腕の観察などでは、スペクトル分析が用いられる。1970年代からはCCDが導入され、高感度の検出が可能になった。 しかし、星間物質中に存在する宇宙塵は可視光線で把握しづらい。そこで、赤外線を観察する手法が用いられる。これは、巨大分子雲や銀河中心の観察にも有効である。また、赤方偏移を起こしている宇宙の初期段階に形成された銀河の観察にも使われる。赤外線は大気中の水蒸気や二酸化炭素に吸収されやすいため、観測には高地の天文台や宇宙望遠鏡が使われる。 最初の非可視光線による銀河観測は、活動銀河を対象に、電波が用いられた。5キロヘルツから30ギガヘルツの間の電波は、大気の干渉をほとんど受けず透過する。大きな電波干渉計は活動銀河が銀河バルジから放つ宇宙ジェットを捉えることができる。また電波望遠鏡は、初期宇宙に存在し、のちに銀河形成の材料となったイオン化されていない水素が崩壊時に放つ21cm線の観察を可能とする。このような分野は電波天文学と呼ばれる。 紫外線天文学やX線天文学は非常に詳しい銀河の現象を観察できる。遠い銀河で、星の物質が強い潮汐力によってブラックホールに引きずり込まれる際、紫外線の発光が起こる。銀河団の中に漂う熱せられたガス成分はX線によって観測可能である。また、銀河中心に位置する超大質量ブラックホールの存在も、X線天文学がもたらした成果のひとつである。
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観測天文学
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ティコの科学観は正確な観測に対する彼の情熱に突き動かされたものであり、生涯にわたって観測器具の精度向上を探求した。彼は重要な天文学者の中で望遠鏡の力を借りなかった最後の人物であり、彼のすぐ後の世代にはガリレオ・ガリレイを始めとした天文学者が空へ望遠鏡を向けた。肉眼による観測の限界を克服すべく、ティコは既存の観測器具(六分儀と象限儀)の精度向上に多大な努力を払った。彼は大型の六分儀や象限儀を設計し、これらによってより高い精度での観測を可能とした。観測器具の正確さによって、彼はすぐに風の影響と建物の動きに気付き、観測器具を地下の岩盤の上に直接据え付けるようにした。 ティコの恒星と惑星の位置の観測はその質・量、双方において特筆に値する。観測精度は1分単位に近づき、彼の天体の位置の観測結果は彼以前と同時代のあらゆる観測者よりも正確となった(同時代の天文学者ヘッセン=カッセル方伯ヴィルヘルム4世(英語版)のおよそ5倍の精度をたたき出している )。ティコは星表Dにおいて「ティコは以前の星表作成者を遥かに上回る精度、圧倒的規模を達成した。星表Dは観測器具と観測と計算の技術の前例無き合流を示している。これら全てによって、ティコは記録した何百もの星々の記録を1分単位(月の見掛けの直径の約30分の1程度)の正確さで配置することができる![訳語疑問点]」と主張している。 彼は一貫して自身の天体位置予想の精度のレベルが実際の位置から1分以内の場所を示すことを志し、またそのレベルを実現したと主張していた。しかし実際には彼の星表の示す座標はそこまでの正確さではない。彼が最後に出版した星表の誤差中央値は約1.5分であり、全体のおよそ半分だけがその精度を上回る。座標の全体的な平均誤差は約2分であった。彼の観測ログに記録されたような恒星観測はより正確であったが、使用する観測器具によって32.3秒から48.8秒までの様々な誤差が生じ、ティコの出版した星表ではいくつかの恒星の座標に3度ものシステマティックな誤差が含まれていた。この原因は例えば、古代の誤った視差の値の適用と、北極星の屈折の無視である。ティコが最後に出版した星表において、彼が雇った書記が誤写をしていることが、たびたびにわたり更に大きな誤りの原因となった。 地平線近くや天頂方向で観測された天体は大気による屈折の影響のために実際よりも高い位置に見える。ティコによる最も重要な革新の1つは、この予想される誤差を修正するための体系的な表を始めて作り上げ公表したことである。しかし、当時は45度以上の高度では太陽位置に屈折の効果は無く、20度より高い位置の星の光にも屈折は無いと想定されていた。 彼の多量の天文データの構築には膨大な数の乗算を行う必要があり、そのためにティコはprosthaphaeresisという新しい技術を大いに活用していた。これは対数が考案されるより前に使用されていた、積和の公式に基づいて三角比の積の近似値を得るアルゴリズムである。
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