紫外線天文学とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 方式・規則 > 主義・方式 > 学問 > 学問 > 紫外線天文学の意味・解説 

紫外線天文学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/18 06:05 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

紫外線天文学(しがいせんてんもんがく、英語:ultraviolet astronomy)は、天文学天体物理学の一分野で、紫外線の波長で観測できる天体を扱うものである。[1][2][3]

概要

紫外線は、およそ10nm(極外紫外線)から380nm(近紫外線)までの波長域に分布する。[4]

紫外線のスペクトル線測定は、星間物質の化学的組成、密度そして温度、さらに若い恒星の温度と組成を識別するために使われている。紫外線の観測によって、宇宙の進化についての極めて重要な情報を得ることも可能である。

紫外線で観測する宇宙は、可視光線で見た馴染み深い恒星銀河とはかなり異なって見える。大部分の恒星は、実際のところスペクトルの可視範囲の電磁波を多く放射する比較的低温の天体である。紫外線は、より高温の天体の兆候であり、典型的には恒星の進化の初期又は晩期の段階である。もし、我々が紫外線の光で空を見ることができれば、大部分の恒星は目立つものの光に溶け込むだろう。我々は、誕生か死に近くて、熱くなり高エネルギー放射線を生み出している、とても若く巨大な恒星やとても古い恒星や銀河をいくつか見ることができるだろう。また、ガスと塵の雲が、天の川に沿って多くの方向で我々の視野をさえぎることになる。

科学者は、たいてい(鏡、レンズ、半導体デジタル検出機等の)光学用の部品が使われるので、紫外線天文学を光学天文学 (optical astronomy) の一部として分類する。

ハッブル宇宙望遠鏡FUSEは、上空の近紫外線と遠紫外線のスペクトルを観測するための主要な宇宙望遠鏡である。[5][6]

紫外線宇宙望遠鏡

脚注

  1. ^ Bless, R. C., & Code, A. D. (1972). Ultraviolet astronomy. Annual Review of Astronomy and Astrophysics, 10(1), 197-226.
  2. ^ Wilson, R., & Boksenberg, A. (1969). Ultraviolet astronomy. Annual Review of Astronomy and Astrophysics, 7(1), 421-472.
  3. ^ Goldberg, L. (1969). Ultraviolet astronomy. Scientific American, 220(6), 92-103.
  4. ^ 紫外線』 - コトバンク
  5. ^ 天文学 ハッブル望遠鏡 発見ベストテン. 日経サイエンス, 36(10), 56-63, 2006年.
  6. ^ 池内了. (1992). ハッブル宇宙望遠鏡でみた宇宙 最初の1年の成果. 科学, 62(1), 23-30.




紫外線天文学と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「紫外線天文学」の関連用語

紫外線天文学のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



紫外線天文学のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの紫外線天文学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS