紫外破綻
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紫外破綻(英語: ultraviolet catastrophe)もしくはレイリー・ジーンズの破綻(英語: Rayleigh–Jeans catastrophe)は、熱平衡状態にある理想的な黒体は全ての周波数範囲で放射し、周波数が高くなるにつれてより多くのエネルギーを放出するという19世紀後半から20世紀初頭における古典物理学の予測。放射されたエネルギーの総量(すなわち、全ての周波数範囲における放射の合計)を計算することにより、黒体が任意に大量のエネルギーを放出する可能性が高いことを示すことができる。これは全ての物質が絶対零度に近づくまでそのエネルギーの全てを瞬時に放射することになり、黒体の振る舞いに関して新たなモデルが必要であることを示している。
- ^ McQuarrie, Donald A.; Simon, John D. (1997). Physical chemistry: a molecular approach (rev. ed.). Sausalito, Calif.: Univ. Science Books. ISBN 978-0-935702-99-6
- ^ Mason, Stephen F. (1962). A History of the Sciences. Collier Books. p. 550
- ^ Stone, A. Douglas (2013). Einstein and the Quantum. Princeton University Press
- ^ “The Nobel Prize in Physics: 1921”. Nobelprize.org. Nobel Media AB (2017年). 2017年12月13日閲覧。 “For his services to Theoretical Physics, and especially for his discovery of the law of the photoelectric effect.”
紫外破綻
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「レイリー・ジーンズの法則」の記事における「紫外破綻」の解説
詳細は「紫外破綻」を参照 u(ν,T) を全振動数(または u(λ,T) を全波長)の領域に亘って積分すれば、輻射場の全エネルギー密度を求めることができる。レイリー・ジーンズの法則に基づけば、 U V = ∫ 0 ∞ u ( ν , T ) d ν = 8 π k T c 3 ∫ 0 ∞ ν 2 d ν = ∞ ( T ≠ 0 ) {\displaystyle {\begin{aligned}{\frac {U}{V}}&=\int _{0}^{\infty }u(\nu ,T)d\nu ={\frac {8\pi kT}{c^{3}}}\int _{0}^{\infty }\nu ^{2}d\nu \\&=\infty \quad (T\neq 0)\end{aligned}}} となり、温度が T=0 以外の場合には、無限大となる。すなわち、真空中に無限大のエネルギーが存在すると誤った結果を導く。このことは、アルベルト・アインシュタインによって1905年の論文で指摘された。この問題をオランダの物理学者ポール・エーレンフェストは、紫外破綻の問題と呼んだ。
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