観測天体物理学とは? わかりやすく解説

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観測天体物理学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/14 13:46 UTC 版)

天体物理学」の記事における「観測天体物理学」の解説

多く場合天体物理学的な物理過程地球上研究室では再現できない。しかし、電磁波スペクトル全体見渡せば膨大な種類天体を見ることができる。これらの天体からデータ受動的に集めることによって研究を行うのが観測天体物理学の目的である。 天体物理現象研究するのに必要な装置手法には様々なものがある。現在関心持たれている天体物理現象多くは、非常に先進的な技術なければ研究できなかったり、ごく最近まで現象自体知られていなかったものである天体物理学観測大半電磁波スペクトル用いて行われている。 電波天文学ミリ波それよりも長い波長放射研究対象とする。電波は普通、星間ガス分子雲など低温天体から放射される宇宙マイクロ波背景放射ビッグバンの光が赤方偏移起こしたのであるパルサー最初マイクロ波検出された。これらの電波研究するためには非常に大きな電波望遠鏡が必要となる。 赤外線天文学可視光よりもずっと波長長く電波よりは短い領域放射研究対象とする。赤外線観測通常、普通の光学望遠鏡同種の望遠鏡行われる恒星よりも温度が低い天体惑星など)は一般的に赤外線観測される2013年にはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡ラグランジュ点(L2)に打ち上げて、最高の環境ビッグバン残り火としての微弱な赤外線観測する計画推進されている。 光学天文学天文学の中では最も歴史が古い。観測方法により位置観測測光観測分光観測分けられる望遠鏡冷却CCDカメラ分光器が最も広く使われる装置である。光学観測地球の大気によっていくらか妨げられるため、可能な限り質の良い画像を得るために補償光学宇宙望遠鏡使われている。この波長域では恒星は非常によく観測でき、恒星銀河星雲などの化学組成研究するために多くスペクトル観測が行われている。 紫外線X線γ線天文学連星パルサーブラックホールマグネターなど、非常に高エネルギー物理過程研究対象とする。これらの種類放射地球大気をほとんど透過しないため、RXTEチャンドラX線天文台コンプトンγ線天文台のような宇宙望遠鏡観測されている。 電磁波の放射以外では、宇宙遠方からやってくるもので地球から観測できる対象限られている。重力波天文台いくつか作られているが、重力波観測するというよりは、検出極端に困難な重力波検出するのが当面目標である。ニュートリノ天文台も主に太陽研究する目的建設されている。非常に高エネルギー粒子からなる宇宙線地球の大気衝突する現象観測可能である。 天文観測では、その時スケールにおいても様々な違いがある。ほとんどの光学観測には数分から数時間単位時間がかかるため、これよりも短い時間変化する現象容易に観測できない。しかしいくつかの天体については数百年、あるいは千年以上にわたって歴史上の記録残されているデータを見ることができる。一方で電波観測では数ミリ秒時間スケールイベントミリ秒パルサーなど)を見たり、数年にわたるデータ重ね合わせ調べたりする(パルサー減速研究など)ことができる。こういった異なる時間スケール観測から得られる情報は非常に異なった様相見せる。 太陽研究は観測天体物理学の中で特別な位置にある。太陽以外の恒星全て非常に遠距離にあるので、太陽は他の星とは比べ物にならないほど詳細に観測できる唯一の恒星である。太陽性質理解することは、他の恒星理解する助けとなる。 恒星どのように進化するかという恒星進化論話題は、恒星タイプ違いヘルツシュプルング・ラッセル図の上個々位置違いで表すことが多い。この図は恒星誕生から崩壊までの星の状態を表現していると見ることができる。

※この「観測天体物理学」の解説は、「天体物理学」の解説の一部です。
「観測天体物理学」を含む「天体物理学」の記事については、「天体物理学」の概要を参照ください。

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